中国のタクシー呼出アプリDidi(滴滴打車)がTencent(騰訊)から1億ドルを調達、WeChat(微信)でタクシー料金が支払えるようになるか?

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中国のタクシー呼び出しアプリ Didi(嘀嘀打車)は、新年の始まりを大きなニュースで飾ってくれた。Tencent Tech(騰訊科技)が先頃報じたところによると、同社はシリーズCラウンドで1億ドルを調達した。Citic PE(中信産業基金)がリード・インベスターを務めるとともに6,000万ドルを拠出、Tencent(騰訊、HKG:0700)は3,000万ドルを出資した。Tencent は2013年5月にも、1,500万ドルを同社に出資している。

Didi は、アメリカの交通アプリとしくみが似ているが、いくつか大きな違いがある。車が必要な中国のユーザが Didi を起動し、タクシー乗車を希望するボタンを押すと、ノーティフケーションを受け取った運転手が Didi にログインする。しかし、ユーザは、タクシー運転手にピックアップしてもらえるように、自由にチップを追加できるようになっている。国際的にも、最も注目を集めているアプリ Uber とは異なり、Didi も運転手も支払う料金から手数料を受け取ることはない。多くの場合、支払は現金で行われる。

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iResearch の調査によれば、Didi は、登録ユーザ数や毎日の取扱件数から言って、中国のタクシー呼び出しアプリとしてはトップの座にある。Alibaba(阿里巴巴)の Alipay Wallet(支付宝銭包)で料金が支払える Kuaide Dache(快的打車)は、ユーザ数でも取扱件数から言っても全体の約30%程度だ。他にも、Yongche(易到) の Dache Xiaomi(打車小秘)Yaoyao Zhaoche(揺揺招車)など、多くのプレーヤーが競合として存在する。

前出の iResearch の調査結果にもかかわらず、Tencent Tech の記事では、中国におけるタクシーアプリの競争はこう着状態にあるとしており、伝えられるところによれば、Didi は運転手に対し、乗客を一人載せるごとに100人民元(約1,700円)の報奨金を出し始めたとのことだ。

さらに、中国のタクシー呼び出しアプリはメディアの注目を集めている。中国で競争の激しいO2O決済分野がスマートフォンユーザを取り込む上で、オンデマンドのタクシー乗車が最適な方法になるかもしれないからだ。もし Tencent の出資が Didi とメッセージアプリの WeChat(微信)との連携を見据えたものだとすれば、WeChat の2.7億人のマンスリー・アクティブ・ユーザは Didi にアクセスしやすくなり、メッセージアプリを使って料金を支払うという行為が一般化することになるだろう。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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