代表と二人三脚:1を10にするスピード感で勝負をかけるブラケットの女性取締役、塚原文奈さん【後編】

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「この人と腹を据えて働きたい、フリーランスからブラケットに転職し、女性取締役として活躍する塚原文奈さん」の後編をお届けします。【前編】はこちらをどうぞ。

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あくまでフラットであるためのチームとの接し方

三橋:ブラケットの取締役になったのはいつでしたか?

塚原:2013年4月なので、ちょうど1年くらい前ですね。別にブラケットに入るタイミングでそういう話があったわけでもなく、勇介さんのご好意かなって思います(笑)あまり役職とかに執着しないので、でもそういうお話をいただいて嬉しかった。

三橋:取締役になって何が一番変わった?

塚原:取締役になった時って、人がいきなり増え始めたタイミングだったの。だから、会社を大きくして行くときに発生する、「主たる業務以外の業務」がこんなにあるんだっていうのがわかった。それこそ捺印とか細かい手続きとか、社長がやると時間がもったいないことがいっぱいあって。

あとは、勇介さんがいない時に判断が求められることもあって、そういう時に自分で決断をする立場なんだなって実感する。あとは意識の違いかな。会社が小さかった頃に比べて、人が増えた分、もっと会社としてちゃんと利益を出さなきゃって思う。そこの意識はさらに高まったと思う。

三橋:チームとの接し方で気をつけていることはある?

塚原:ブラケットは組織が超フラットで。勇介さんと私以外のみんなは、年齢を問わず一緒。でも、単純に肩書きだけ見ると偉い人って感じてしまうメンバーもきっといる。でもそう思われるのがイヤだから、話す時は敢えて自分の席ではなくて相手のところに行って話すとか。肩書きだけで距離で出来たり、それが邪魔にならないように。直接相談しやすいようにしたいから。

代表の光本さんは、一言でいうとロールキャベツ

三橋:文奈さんから見た勇介さんはどんな人?

塚原:私から見た勇介さんは、一言でいうとロールキャベツ。すごく謙虚で物腰が柔らかいし、人当たりも良くて丁寧。とある人から見ると控え目に見えてしまうくらいの感じなんだけど、すごく肉食で攻める。そこのバランスが超絶いいと思う。すごく攻めでアグレッシブなんだけれど、いい形でオブラートに包まれていて、ちょうど良いバランス感覚を持っている人。

三橋:お互いを補い合ってるような感覚はあるのかな?

塚原:彼の、思い切ってチャレンジを行動に移せるアグレッシブなところは素晴らしいと思う。私は、それを形にして動かす感じかな。「陰と陽」ってほど表裏一体のタイプではないと思うけれど。勇介さんはゼロイチの時の最初の生み出すところがすごく強くて、そこのイチを形にするのは私が得意だからバランスが良いのかもしれない。

三橋:文奈さんは、旦那さんもスタートアップをしていて世界が狭く感じることはない?

塚原:でも、彼がやってることを私はびっくりするくらい聞かないの。これどう思う?って聞かれれば答えるし、最近このサービスいけてるよね?みたいな話はするけれど、うちの事業がどうのこうのっていう話は本当に聞かない。だから、同じスタートアップ業界だけれど窮屈に感じることはないかな。

三橋:それは意識して心がけてるの?

塚原:うん、意識してる。やっぱり、近い環境にいるからこそ、気づくこと、思うことってあるじゃない?でも近すぎて、場合によっては彼も気持ち良くないこともあるだろうし。どうなってもいいから、自分の思うまま生きることが今の彼のチャレンジだから。

旦那さんは昔から起業したいって言っていて、私がフリーになって働いている姿を見て、私にも出来てるから自分もできるんじゃないかって思ったのかも(笑)。気がついたら2人ともスタートアップで働いていた感じ。

幼少時代に身に付いていたチャレンジ精神

三橋:これまでを振り返って、人生のターニングポイントっていつでしょう?

塚原:やっぱりね、フリーになったタイミング、その期間はすごく大きかったと思う。社会人になって会社に入って、事業について学んだけれど、看板がないところで自分でやっていくってこんなに違うんだって感じた。個人になっていろんな人と仕事して、いろんな人に出会って、人からの信頼の大切さ、お金をもらうってことがどういうことかを自分の中で消化できた。今の自分がある上ですごく大きかったかな。

三橋:チャレンジに対してすごくオープンだよね、昔からそうなのかな?

塚原:多分、親の教育と環境だったかな。うちの父親は40歳くらいで脱サラして事業を始めた人で。サラリーマンの時の父親と独立した父親をどちらも見てきた。きれいだった家がそうでもなくなった時期とか、肌感覚で大変さを感じていて。でも、そんな環境でも父親は独立するのが楽しそうで、チャレンジするって楽しいんだなって思えたんだと思う。

三橋:お父さんの影響もあるのね。

塚原:小さい頃から、両親に言われてきたことがあって。「いずれ私たちが大人になる頃には、女性も独り立ちする時代になる。その時に自立している女性でないと、自分の可能性がすごく狭まってしまう」って。

父親も母親も大学を出ていないけれど、例えば大学に行くということは勉強しなさいということではなくて、自分の可能性を広げるってことだって教わって育ったの。今思うとすごくありがたいし、自分の今のマインドにつながってると思う。

1を10にするスピード感で勝負

三橋:ブラケットが伸び続けてる理由ってなんだろう?

塚原:新しいことをやり続けるってことが一番かな。スタートして運用して、そのものを良くするっていうことは最低レベルやっていく。今を1とするなら、それを2に3ってことはできるけれど、1を10にするスピード感を出すために攻めること。そのスピード感を出し続けるってところは頑張ってやってきていて、だから今の形があるのかなって思ってる。

三橋:こうやってキャリアを積んできて、やり直せるならやり直すことってある?

塚原:文章にするとすごく小さいことかもしれないけど、人に対する信頼かな。インテリジェンスで、すごく可愛がってもらっていた女性のマネージャーがいたの。すごく勉強になったし今でも尊敬しているけれど、辞めますってことをその人に一番に言わなかったことは今でも後悔してる。

続けられるようにっていろいろしてくださったからこそ、本人に直接伝えることがイヤで逃げてしまって。結局そのマネージャーは又聞きで私が辞めることを知った。なんてことをしてしまったんだろうって今でもすごく後悔しているから、筋を通すことにはうるさいかも。

三橋:文奈さんは、これからどうなっていきたいですか?

塚原:会社としては、STORES.jpをメジャーなサービスにしていくことしか今は考えていないかな。それができた時に、それが出来上がった時の一員だったなって思える実感が出るような人でありたいと思う。サービスは終わりがないからその先に何があるかわからないけれど、新しい価値を生み続けられるようにしたい。あと飽きっぽいから、刺激がないとダメなの(笑)だから、まだやったことのないことにずっとチャレンジしていきたいと思う。

 

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