〈東京スタートアップ・オフィスツアー〉表参道で成長を続けるgrooves——役員2名を迎え、さらなる躍進へ

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本稿は、「東京スタートアップ・オフィスツアー」シリーズの一部だ。

スタートアップが成長する過程では、急速に人員が増え、頻繁にオフィスの移転を余儀無くされることは珍しく無い。以前、この記事にも書いたが、東京のそれぞれの街には、部屋の規模や交通アクセスの特性があり、企業の成長とともに違う街へ引っ越していくのもよくあることだ。

しかし、HRテック事業を営む grooves は、創業からの10年以上にわたり、表参道の周辺でオフィスの移転を続けている。より正確に言えば、東京都港区南青山5丁目という限られたエリアでしか転居したことがないそうだ。今年7月、青山・骨董通りに面したビルに引っ越した grooves の新オフィスに、同社の創業者で CEO の池見幸浩氏を訪ねた。

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池見氏によれば、渋谷や六本木という東京の二大スタートアップ・ハブに加えて、最近、表参道のプレゼンスが徐々に高まっているのだそうだ。以前、THE BRIDGE でもフィンテックハブとしての表参道に、メリービズがオフィスを構えたニュースを紹介している。

表参道では、典型的なオフィススペースの上限の広さが200平米程度なので、手狭になった中堅企業が大手町や新宿などの副都心の高層ビルへと巣立っていくことが多い。彼らは手の込んだ造作のオフィスをそのまま置いていってくれるので、表参道では、スタートアップがそのようなオフィスを居抜きで借りられるチャンスにありつける可能性が比較的高い。居抜きで借りたオフィスを出るときにも、そのまま利用したい次の借り手となるスタートアップがいれば、オーナーから内装の現状復帰を求められなくて済むので、旧テナント・新テナント・オーナー、共に三方良しとなる。

池見氏は grooves の新オフィスの内部を案内しながら、自分たちの背丈には不相応だと謙遜しつつ、長年付き合いのある不動産屋のおかげで、すばらしい造作の〝居抜き物件〟に入居できたのはラッキーだったと話す。

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後列左から:代表の池見幸浩氏、新たに役員としてジョインした栗山実氏、松田明氏、共同創業者の大畑貴文氏、前列センターがプログラマのおおかゆか氏

今年初めには、HR-XML の第一人者である平田謙次氏を迎え、人材領域における人工知能やビッグデータ解析の研究所を設立した grooves だが、先頃新たに、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の栗山実氏と、国内唯一のRubyコミッター兼Ruby on Railsコミッターである松田明氏を取締役として迎え入れた。今後は研究所を中心とした HR サービスの研究開発に加え、エンジニアの転職支援サービス Forkwell やクラウドリクルーティング・サービスのクラウドエージェントを事業拡大させる考えだ。

池見氏は今年から「表参道スタートアップハブ化計画」を始動。アップルストア表参道で開催するイベントなどを通じて、このエリアに多くの起業家やスタートアップを集めたい考えだ。渋谷や六本木のようなカオスな面持ちを持った街並みとは違った、新たなスタートアップハブの発展を楽しみにしたい。

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お客さんとの打ち合わせスペースには、書籍がずらり。
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ワーキングスペースは、キュービクル仕様。
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打ち合わせに気合の入るエンジニアの皆さん。壁には、ユーザから声が付箋で貼られていた。
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照れ笑いしながら「なんと、僕用の部屋まであるんですよ」と池見氏が見せてくれた社長室。骨董通りごしに、渋谷や恵比寿が見渡せる。これも居抜き物件ならではの特典。

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