
サイクリストをLEDライトでナビゲートするシンプルな外観のデバイスが登場した。ロンドンなど欧州を拠点に活動するチーム Onomoが開発中の「Haize」だ。現在Kickstarterでキャンペーンを展開中であり、目標額5万ポンド(約940万円)に対して、546名の支援者より3万5000ポンド強を集めている(11月19日時点)。
Haizeの外観とその機能は非常にシンプルだ。円いデバイスの縁に光る青いLEDライトは方角を示す。中心には緑または赤のライトが点滅する。緑のライトは目的地に近くなると点滅頻度が高くなる。赤いのライトが点滅するときは、目的地から遠ざかっていることを意味する。方角と、目的地に近づいているかいないかが分かる、余計な機能をそぎ落としたデザインだ。目的地の情報を入力するには連携のアプリを使用する。
自転車向けのプロダクトというと、SmartHaloやHaikuなど、ここ最近になっていくつかのプロダクトが登場している。こうした製品とHaizeは何が異なるのか。Haizeを開発したチーム Onomoのデザイナー・エンジニアのJavier Soto Morrasさんは「異なる点は主に2点あります。まず、ナビゲーションの方法が、従来の “曲がるタイミングごとに方向を示す” ものではなくコンパスに近いものであること。つまり、ただデバイスがサイクリストに特定の指示を与えるのではなく、ユーザーからのインプットによって、エクスペリエンスが変化するのです。これによって、サイクリストはより道路に注意を払うことができ、より簡単に意思決定ができ、自由なサイクリングを楽しむことができます」と語る。
そして、2点目の違いはデザイン美しさ、シンプルさであるという。「都市のサイクリストは、機能と同じくらい美しさも重視します」とMorrasさんは言う。そのため、とにかくミニマルで上品な見た目にすることにチームはこだわった。「リストバンドとしても使えます」というコメントにも頷ける見栄えだ。

また、コンパスをベースにしたシンプルな機能であるため、サイクリング以外のシーンでも活用することが可能だ。ハイキングやランニングなど、わざわざスマホを取り出すことなく方角を確認したいケースが想定されるような、さまざまなアウトドアアクティビティで重宝される可能性を秘めている。
Haizeのアイデアは、Morrasさんが長年住んでいるロンドンで生まれた。ロンドンを自転車で走る際に、これまではよくグーグルマップに頼り、「左に曲がって、2ブロック進んだら右に曲がって…」というようにマップで得た情報をできる限り記憶していたという。そんなとき「シンプルなナビゲーションデバイス」というアイデアが浮かんだ。そして、当時から彼が感じていた「特定のルートではなく、方角だけが欲しい」という思いが、コンパスをベースにした設計につながった。
ナビゲーションと一口に言っても、その方法はいくつも存在する。自らサイクリストとしての視点を反映した Haize がどれだけ他のサイクリストたちにも受け入れられるか、要注目だ。
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