FINOLABで第1回Dentsu Growth Hackersが開催——フィンテックでグロースハックを追求する効用とは?

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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東京のフィンテックセンターである FINOLAB は12日、フィンテック・スタートアップなどに向けた初のグロースハックセミナーを開催した。先ごろ開催された FIBC 2016 の会場ともなったこの施設は、今年2月に東京の大手町・丸の内エリアにオープンした。三菱地所(東証:8802)、電通(東証:4324)や電通国際情報サービス(東証:4812)などの電通のグループが協力するほか、日本の金融イノベーションのための団体 FINOVATORS も支援している。

FINOLAB ではこれまでにも、いくつかの集まりが開催されている、3月30日に開催された Techmeetup の第一回では、CapyGoogle Cloud Platform をフィンテック・サービスに活用する方法についてプレゼンを行った。しかしながら、今回のセミナーは、シリコンバレーで生まれたグロースハックのコンセプトに焦点を当てており、グロースハックはフィンテックと組み合わせることで、将来面白い結果が約束されるだろう。電通ビジネス・クリエーション・センターのプロデューサー片山智弘氏と、デザイナーの浅野大輔氏は、集まった参加者にグロースハックの背景にある基本的な考え方を説明した。

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「ビジネススキームから見た、フィンテックのマーケティング戦略」と題されたこのセミナーでは、市場拡大を狙う多くのフィンテック企業を魅了した。片山氏と浅野氏の話を要約すると、PDCA サイクルの応用により、ユーザインターフェース(UI)のみならず、ユーザ体験にも効果的な反映をもたらそうというものだ。二人は、KGI(key growth indicator)や KPI(key performance indicator)を心の中の目盛、言い換えるなら、優先順位として捉えるべきだと強調した。したがって、To B(business)か To C(consumer)かにかかわらず、ユーザや市場とコミュニケーションし、Action に対する良い Check の機会としなければならないとも語った。

片山氏は、類似分野の徹底的な理解、洗剤や食品などの消費者向け商品に見られる重複例(ユーザセグメントは重なっているが、対象顧客が異なっているケース)、それまでの努力を讃えるような過去の記録の活用に、グロースハックを使う上での成功のカギについて、フォーカスして話を進めた。浅野氏は、言葉に頼らずに UX をデザインするインターフェイス・レベルの説明に注力し、ユーザを惹きつける UI の色や画像の使い方について語った。二人とも、グロースハック戦略を練る上で、ぱっと見の印象が決め手となるという点で意見が一致した。

SMILABLE の澁谷洋介氏や、(FINOLAB の初期入居スタートアップの一社である)カレンシーポートの杉井靖典氏ら参加者は、セミナーや会場に大変満足していた。しかし、杉井氏は、FINOLAB の周辺により多くの店ができれば、エンジニアを魅了できるのに…とも語っていた。FINOLAB の活動を担当する電通プランニングマネージャーの蓮村俊彰氏は、FINOLAB を近い将来のグローバルな金融センターへの布石とすることが計画であり、可能であれば、近隣エリアの企業のビジネス活動も進化させたいと語った。蓮村氏によれば、このグロースハックのセミナーは、今年さらに数回開催されるそうだ。

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