釣果記録アプリの「ANGLERS(アングラーズ)」、500 Startups Japanやイグニスらから数千万円を調達〜サービスモデルの開発を加速へ

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釣り人向けのスマートフォンアプリ「ANGLERS(アングラーズ)」を運営するアングラーズは1日、500 Startups Japan、スマートフォンゲーム開発のイグニス(東証:3689)、非開示の個人投資家から資金調達を実施した。調達規模は公表されていないが、数千万円の中間程度と推定される。調達ステージは、シードラウンドからシリーズAラウンドの中間程度。500 Startups Japan からは、同社が今年4月に発表した「J-KISS型新株予約権方式」のタームシートに則った調達。アングラーズにとっては、2015年12月に実施した、個人投資家の山岸延好氏からのエンジェルラウンド調達に続くものとなる。

アングラーズは2012年10月に設立され(当時の社名は FIXA)、2013年7月に ANGLERS の製品版をリリース。今年6月には、1日に登録される釣果数が1,000件を突破、累積登録釣果数が17万件に達していることを明らかにしていた。直近の11月には、アプリダウンロード数11万件、累積登録釣果数が27万件を突破していることを明らかにしている。

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釣り人が釣果をシェアするサービスは、他にもスウェーデンの「FishBrain」や福岡発の「ツリバカメラ」などが存在するが、アングラーズ COO の藤井紀生氏によれば、ANGLERS の強みを象徴するのは、この「釣果数」という数字なのだという。一般的に、釣り人は、釣りの穴場を他の釣り人に教えることを嫌うので釣果がシェアされにくい。せっかくの穴場が誰かに荒らされたり、魚がいなくなってしまったりする心配を考えれば、これは想像に易い釣り人の心理だ。

どの釣り人向けアプリでも釣果を記録する方法は基本的に同じだが、ANGLERS では、釣果を自慢したり誰かに伝えたりするよりは、自分の釣りスキルの向上や記録をモチベーションとして使うユーザが多いのだという。結果として、ANGLERS はそのユーザ数やダウンロード数に比べ、圧倒的に高い割合で釣果数を集めることに成功している。情報共有のソーシャルメディアとしての機能が加減よく、本当に仲のいい釣り人同士は、ANGLERS 上でクローズなグループを作成し、釣り場をピンポイントで共有しているのだという。

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今回調達した資金を使って、アングラーズでは、釣りのエリアごと・時間ごとに釣果を共有できるしくみを追加。また、ユーザ同士が釣果を売買できる C2C のマーケットプレイスの構築を始めるとしている。

どこで何が釣れるという釣りのニュースは、依然として、釣り宿から発信されるものが多く、情報が偏っている。どういう時間帯にどんなルアーを投げれば釣れるかなど、初めての釣り場に行く人にとっては、その場所の情報が事前に欲しいもの。一方で、釣果には情報の新鮮さが重要。(藤井氏)

現在の ANGLERS の収入源の多くは、大手釣り具メーカーの協賛によるイベントの開催だ。今後は、マネタイゼーション・ストリームの多角化に向け、ANGLERS からシームレスに、船宿や釣り宿に予約が入れられる機能を実装する構想があるとのこと。また、山登り人向けアプリ「YAMAP」が山登り用品のレビューサイト「YAMAP Gears」を運営しているのに似ているが、ANGLERS でも釣り人のための釣り具レビューサイトを立ち上げる計画だ。

モバイルアプリの国際展開についても、その可能性を示唆した。今回、アメリカに母体を持つ 500 Startups Japan を投資家に迎えた背景にも、そんな理由があるのかもしれない。

シマノやダイワなど、世界的な釣り具メーカーはすべて日本の会社。世界で最もユーザ数の多い「FishBrain」でも、ユーザ150万人に対し釣果数70万件程度と、ANGLERS の方が圧倒的に釣果の登録割合が高い。

今までは、インドや中国などでは「食べるために釣る」人が多かったが、「釣ることの楽しみ」を求める人が増えだした。釣りの穴場を人に教えたくないという心理は世界共通のものなので、日本で得たノウハウを持って、世界に向けても何かできるのではないか。(藤井氏)

余談だが、ANGLERS は、前述した「YAMAP」を開発するセフリと同じく、MOVIDA SCHOOL 第2期の卒業生である。「YAMAP」が山を趣味とする人のサービスを志し、「ANGLERS」が海を趣味とする人々のコミュニティを形成しているのは、興味深い偶然である。

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