CES 2017での新発表に向けた布石?——EHang(億航)が人を運べる自動飛行ドローン「EHang184」の指令センターを建設し、飛行テストを開始

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EHang(億航)の人を運べる自動飛行ドローン「EHang 184」は、2016年の CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で話題を呼んだ。今年の CES への準備として、Ehang は世界初と言われる自動運転ヘリコプタードローンについて、いくつかのアップデイトを発表した。

同社から公開された動画では、8つのローターを備えたドローンが、離陸、着陸、ホバリング、曲技飛行、高度回復、垂直上昇といった一連のテストを完了した。EHang の発表によれば、この自動飛行のテストは現在、重量負荷をかけた状態で、4G ネットワークを使ってテストされている。

このドローンの技術スペックについては明らかにしなかった CES でのデビュー時とは異なり、今回はハードウェアやソフトウェア、さらに、この一年でどのように進化してきたかの情報をリリースしている。

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EHang は、改善を重ねた第3世代プロペラが空力効率を10〜15%向上させ、プロペラの回転から生じる雑音を大きく減少させた。これまでのバージョンは、飛行の早い立ち上がりと抗力を下げることに特化していた。

Ehang 184 に現在搭載されているバッテリー管理システム(BMS)は、温度、容量、電圧など、すべてのバッテリーセルのパラメータをモニターする産業用のソリューションだ。

このドローンが乗客が操作することを許していない点から考えて、補助システムが乗客の安全を保つ上で重要な役割を担っている。EHang は EHang184 用の特別フライト指令センターの建設を完了している。中国・広州にあるこのセンターは、上空の交通情報や EHang184 のさまざまなフライトデータをモニターすることになる。

EHang は次のように説明している。

指令センターの存在により、空中を飛ぶ乗客がリアルタイムで地上とリアルタイムの映像・音声通話ができるほか、上空を飛ぶすべての EHang184 からリアルタイムでフライトセンサーデータを受信できる。このしくみによって、乗客はフライトの間、緊張せずに地上のスタッフと一対一で交信でき、リアルタイムのフライト状況を理解することができるだろう。

EHang は、最近生じた一連の挫折の中で、顧客や投資家からの信頼を取り戻すべく、これらすべての情報を開示することとなった。ネバダ州ではすでに承認が得られているのにアメリカでまだ一度もテスト飛行を実施できていないニュースのほか、レイオフ財政的問題など、EHang の健康状態については、さまざまな憶測を招いてきた。

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中国・広州に建設された、EHang184 用のフライト指令センター

EHang184 が最初に発表されたとき、標準的なサイズの消費者向けのドローンよりも視認性を上げるために EHang184 を利用しているとして憶測を呼んだ。今回のアップデイトから、我々が以前考えていたよりも同社が真剣に EHang184 に取り組んでいるであろうことがわかる。

しかしながら、EHang 184 のリリース日は未定だ。ここまで見てきたことから言えるのは、ビデオではなく実際のデモ飛行を見るまでには、まだしばらく待つ必要があるということだ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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