Singtel の子会社でデジタルマーケティングを扱う Amobee が、アメリカを拠点とするマーケティングアナリティクス企業の Turn を3億1,000万米ドルで買収すると発表した。
同社を買収することで Amobee はあらゆるフォーマットでのプログラマティック広告やメディア購買、またデータマネジメント機能を有することになる。
Amobee の CEO、Kim Perell 氏は公式のプレスリリースで次のように語った。
今回、買収を行ったことによって Amobee は世界でも有数の独立系バイサイドマーケティングテクノロジーブロバイダーとなります。また、当社のデータ分析や顧客理解能力が強化され、当社の将来的な成長に向けた強力な基盤となります。
Turn のデータマネジメントプラットフォームの高度なアナリティクスを利用することで、マーケターは様々な広告フォーマットやプラットフォームにおける顧客とのやり取りへの理解を深めることが可能になる。さらに、同プラットフォームはあらゆるメディアのデジタル広告をリアルタイムで購入できるプログラマティックバイイング機能も提供する。
Singtel が2012年に3億2,100万米ドルで買収した Amobee は、顧客行動に関するインサイトを提供し、マーケターがより良いターゲティング広告キャンペーンを打てるようにしている。同社の広告 API は Facebook や Instagram、Snap、Twitter、Pinterest といった人気ソーシャルメディアプラットフォームに統合されている。
Singtel のデジタル部門 Group Digital Life の CEO、Samba Natarajan 氏は次のように話している。
Turn の戦略的買収は、急速に台頭するデジタル広告市場における Amobee の技術的な優位性を強化し、また世界のデジタルマーケティングの主要プレイヤーへの成長を推し進めてくれます。さらに、Amobee が今後アメリカを超えてアジア太平洋へと拡大していくための基盤となります。アジア太平洋で Singtel グループが抱える顧客数は22か国で約6億4,000万人です。
今回の買収は、あとは規制機関の承認と完了条件満了を待つばかりで、2017年上半期には完結する見通しだ。
Amobee は過去数年にわたって次々と買収を行ってきた。2012年には3D 広告テック企業の Adjitsu(買収額非公開)を、翌年の2013年にはリアルタイム入札(RTB)プラットフォームの Gradient X(詳細な取引条件は非公開)、そして2014年には Adconion と Kontera というアドテク関連スタートアップ2社をそれぞれ2億3,500万米ドルと1億5,000万米ドルで買収している。
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