アジア各国で AI を活用したマーケティングソリューションなどを提供する AnyMind Group は29日、シリーズ B ラウンドで1,340万米ドルを調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、LINE、未来創生ファンド(スパークス・グループが運営、トヨタ自動車と三井住友銀行が出資)、JAFCO Asia、ドリームインキュベータ。このうち、JAFCO Asia からは昨年4月のシリーズ A ラウンドで1,200万ドルを調達、ドリームインキュベータからも2017年の業務連携発表時に出資を受けているようだ。AnyMind Group の累積調達金額は約2,800万米ドル。
未来創生ファンドなどのファンドからの参加は、純然たる出資を意図している可能性が高いが、LINE の出資背景にはデジタルマーケティング分野での協業がある模様だ。具体的な協業内容は明らかになっていないが、LINE はユーザが増加傾向にある日本以外のアジア地域(台湾、タイ、インドネシア、香港)で、「LINE TODAY」や「LINE TV(日本からは利用不可)」といった新しいメディアチャネルを展開しており、AnyMind Group がアジアに強いことを考慮すると、これらのメディアに AnyMind のソリューションを導入する可能性が推定できる。
3期目を迎える AnyMind はエンジニア(特に Python デベロッパとデータサイエンティスト)の獲得に注力を入れ始めた。これまでベトナムのホーチミンシティに合ったエンジニアリング拠点を、東京とバンコクのオフィスにも設置しエンジニアを増員する。特に、旧ソビエト連邦や東欧諸国の優秀なエンジニアの中には、気候が温暖でマリンスポーツが身近な東南アジアでの就労を希望する人も多いそうで、AnyMind がこれらの地域でのハイヤリング活動を積極化させる。
同社の社員数は現在、グローバルで約330名。東京では新卒採用を開始し、来春新たに10名が入社する予定だ。これまでアジアを中心に展開していた「TalentMind」の日本向けローカライズが完了し、今秋から日本国内での営業活動を開始する。TalentMind はジョブボードをアグリゲートし、採用担当者や面接担当者が人事採用プロセスを一元管理できる SaaS プラットフォームだ。
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