人々の時間を豊かにするサービスを作るーーU25起業家に聞く「起業・新基準」/タイミー小川氏

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本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中

20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、最初に登場してくれるのはタイミー代表取締役の小川嶺さんです。2018年8月の公開以降、サービスは急成長しており、今年1月には3億円の資金調達も公表しています。

今回からは前回インタビュイーとして登場してくれたUpstart Ventures、上杉修平さんにインタビュワーとして参加してもらいます(太字の質問は全て上杉氏。執筆・編集:平野武士)。

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小川嶺さん:タイミー代表取締役社長で立教大学経営学部4年生。高校の時からインターンをはじめ、慶応のビジネスコンテストで優勝したことをきっかけにファッションの会社を設立。1年ほど運営してピポットを決意。2019年3月にタイミーの構想を考えつき株式会社タイミーを設立。現在35名のメンバーと共に活動中。リリース7カ月で6万人のユーザー、1000店舗のクライアントを獲得し、2019年8月での全国展開を目指す

人々の時間を豊かにするサービスを作る

お互い学生起業ですが、小川さんは大学生になってから本格的に起業を考えた?

小川:起業したいというモチベーションは高校生の頃です。祖父が実業家だったのですが、僕が18の頃に逝去してしまいました。そのタイミングで、一時は祖父のおかげで名の知れた小川家の名前を復活させたいと思い、起業を志すようになりました。

家系的に起業家一族だったんですね

小川:それがきっかけですね。起業家の本を何冊か読み始め、その中で松下幸之助さんの本を読み、彼のように何年もずっと続くような会社を作りたいと強く思うようになって。

家系的な部分だけで起業のモチベーションを継続させることは難しいと思いますが

小川:タイミーを立ち上げる前に「Recolle」というファッションサービスをやっていたんですが、そこでの失敗がやはり大きいです。当時、共同創業者がいたのですが、とても優秀なみなさんの時間を無駄にしてしまったことをかなり悔やんだんです。

なるほど

小川:そこからです。人々の時間を豊かにするサービスが作りたいと強く思い始めたのは。

死ぬほどのスピード感で突き抜ける

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タイミーをリリースして急拡大していますが、事業をエグゼキューションするにあたって小川さんが大切にしていることって何ですか

小川:タイミーをリリースした時点では競合が三社ほどしかいませんでしたが、現在は十数社になりました。このことで、自分たちの選んだ市場はちゃんと存在しており、市場選択は正しかったと確信を持っています。その上で迷いなく速度感を一気に上げています。

迷いなく走りきることが大切

小川:コーチユナイテッドを創業された有安(伸宏)さんの記事とガイアックスを創業された上田(祐司)さんの言葉の影響が大きいです。

有安さんは「もう一度起業するならVCから調達する?」というトピックの中で「数十年間持ち続ける市場なのか、一気にグロースさせて取りきらなければいけない市場なのかを考え、一気にマーケットシェアを取らないといけない市場なら全力でリスクマネーを調達する」と回答されていて、この意見は自分の背中の後押しになっています。

ガイアックスの上田さんからは極端にいうと「希薄化を気なんか気にするな。成功しないと株なんて紙くずだから。」といったアドバイスを会う度に言っていただいています(笑。

成功してもまだ挑戦し続けて背中で語ってくださる上田社長の言葉は物凄い心に響いています。たぶんスタンスが似てたから響きやすかったんだと思いますが(笑。

株式公開後や事業売却後の成長意欲って参考になりますよね

小川:スタートアップなんて1000社あって1社成功するかどうかの世界です。死ぬほどのスピード感で突き抜けることが重要だと考えています。

もっとクールにできる「課題」を見つける

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タイミーはどういう事業仮説から生まれたのですか

小川:タイミーを始める前にも、ワクラクやショットワークスが存在していて、単発バイトの需要はあったんです。実際に二つのサービスを自分で使って働いてみて、良い部分と悪い部分に気づいたんです。

仮説検証で他社サービス実際に使ったりするの大切ですよね。働いたんだ

小川:働きましたよ(笑。ただ自分のニーズとしては、すぐに働きたくてすぐ着金して欲しいのに、マッチするのに比較的時間がかかる印象がありました。給与の振込自体も比較的時間が必要でした。ここを自分たちならもっとクールにできるんじゃないかと。

なるほど時間軸だ。いつでも働ける、だけじゃなくて「すぐ」の価値観に気が付いた

小川:それでタイミーを創業したんです。プレスを打つようになってからは、予想以上にメディアの方々に反響をいただきました。。人手不足という社会問題と繋げてタイミーがフィーチャーされるようになって。正直、ここまで盛り上がるとは僕自身予想していませんでした。

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難しかった部分は

小川:店舗様はタイミーを何もフォローしなくても使っていただけるわけじゃないんですよね。想像以上にお店の方々への利用方法やユースケースの説明に時間が必要だと理解しました。実際に店舗側のマニュアル作りから一緒にやったりもしましたし。

逆に予想通りドンピシャだったものは

小川:リリース時に作ったペルソナが初期のユーザーとほとんど合っていたことですね。これは自分が欲しいものを作ったからだと思っています。逆にサービスリリース時に不安だったのが、居酒屋でいきなり単発で働きに行くのは、自分だけ知らない環境に飛び込むということです。

確かに、タイミーだと本当に飛び込みみたいな働き方になりますよね

小川:実はここに心理的障壁あるんじゃないかと思っていましたが、これは杞憂に終わりました。実際にタイミーを通してすでに80回以上働いているユーザーもいて、不安は完全に解消されています。あと、転職活動中に使うユーザーもいて、当初とは違ったユーザー層のニーズにも気づきだしてます。

事業仮説で大切なポイントってどこでした

小川:自分が欲しいと思うかどうか、そしてそこに描ける未来がデカイかどうか。この辺りが重要だと思いますね。

社会の課題を解決して、インパクトを最大化する

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先ほどお祖父さんや有安さん、上田さんのお名前が出てましたが、小川さんにとって起業家のロールモデル的存在ってどなたかいらっしゃいますか

小川:サイバーエージェントの藤田(晋)さんです。AbemaTVに1000億円投資し、当時は懐疑的な人もいらっしゃったかもしれませんが、今見てみると当たり始めています。気づいたときには誰も追随できないという状況です。

自分だけが信じている未来を実現しようと思い、実際に実現している姿には本当に憧れます。また、藤田さんは人を惹きつける力がとても強く、その点も魅力に感じています。

今ってメンターみたいな方はいるんですか

小川:BUYMA(エニグモ)の須田(将啓)さんです。世界初と日本初しかやらないという哲学を持っていて、新しいアイデアには怖さもある一方で、それを実行していることは尊敬しています。実はタイミーを始める前、須田さんに3つアイデアを持って行って相談しました。そこでタイミーが一番良いと言われ、後押しされて創業したぐらい、その言葉には背中を押されています。

最後の質問は小川さんにとっての結果です。起業家として今時点でもいいので、結果の考え方を教えてください

小川:人手不足で早稲田近くの老舗の飲食店が閉店した事例があるんです。在学生だけでなく、OBOGからもとても人気だったのにも関わらず、閉店することになってしまい、多くの人が悲しみました。

このような事例はかなり存在します。都内だけでなく高齢化が進む地方はより顕著です。本当にもったいないと思うし、日本の財産が失われていくことに憤りを感じています。

働き方や少子高齢化の問題は随分と解決されずに持ち越しが続いてますからね

小川:はい。タイミーを通じてこの課題を解決したい。それがまず目指す結果ですね。また、会社のことでいうとユニコーン企業を目指したいです。そこまで本気で目指したい。やるからには社会的インパクトを最大化したいと考えています。

ところで今ってチーム絶賛採用中なんでしたっけ

小川:次のユニコーン企業に入りたい方、日本の課題を解決したい方、どんなモチベーションであれタイミーが好きな方は絶賛採用中です。また、20・21年卒向けの就活イベントも開催しますのでそちらも参加いただければ。

長時間ありがとうございました

お知らせ:取材に応じてくれたタイミー小川さんも登壇するイベントを4月25日に開催します。同社にご興味ある方はこちらからご参加ください。

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