1000億円超評価の認証PF「IDaaS」って何?ーーAuth0が1億ドルを調達しユニコーンに仲間入り

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ピックアップAuth0 Closes $103M in Funding, Passes $1B Valuation

ニュースサマリー:IDaaS(ID as a Service)として認証プラットホームを提供するAuth0は5月20日、シリーズEラウンドで約1億ドルの資金調達を公表している。資金を投入したのは、Sapphire VenturesやK9 Ventures、Telstra Venturesなどのベンチャー・キャピタル。今回の資金調達で同社の企業価値は10億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。

資金調達の目的は、主に海外展開とそれに伴うサービスのグロースが狙い。ワシントン、シドニー、ブエノス・アイレス、ロンドン、東京といった地域にもオフィスを拡大しており、さらにグローバルな舞台での成長を目論む。同社の共同創業者兼CEOのEugenio Paceは、Auth0のブログで「企業によるデータ流出などの事件を許してはいけません。今回の投資は、アイデンティティ管理が投資に値するという重要な指標となったはずです」とコメントしている。

話題のポイント:マーケットリサーチ機関ADROITによれば、グローバルなIDマネジメントサービス(IDaaS)の2017年の市場規模は12.5億ドル以上に及び、今後はさらに成長が加速する成長市場です。

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Global Identity and Access Management-as-a-Service (IDaaS) Market Size 2017 by Vertical

このマーケットで成長しているのが「IDaaS」のAuth0です。本稿では彼らがどのようなサービスなのかを解説します。

ユースケースとしては、例えば中〜大規模プロジェクトで、企業又はエンタープライズサービスが機密データや独自ツールに対するアクセス権限を利用者一人一人にカスタマイズして付与したい場合などに用いられます。

従来、利用者は各データやツールにアクセスする際はそれぞれに対しアカウントやパスワードを持ってそれを記憶する必要があり、これはとても面倒でした。

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しかし、Auth0でアカウントを作成すれば、どんなファイル・データにアクセスする場合でも、Auth0で定めた単一のパスワード、又はAuth0内に記録した認証プロバイダ(GoogleアカウントやFacebookアカウント)の情報を参照させるだけで済みます。

またそれ以外のケースでも、iOSやウェブのアプリ、IoT製品に組み込むことも可能です。ユーザー認証・許可、セキュリティの組み込みに用いることができます。

上記2つの例に共通している点は、Auth0認証を組み込む側はセキュリティ向上を、利用側(ユーザー)は利便性を獲得できるという点です。Auth0はカスタマイズも様々可能で、シングルサインオン、パスワードレス、二段階認証などに対応している点も特徴的です。

ID・認証系は普段あまり注目されない領域ですが、データ・セキュリティのリスクが高まり、かつ認証・権限付与に関してさらに利便性が求められる現代には欠かせない技術になります。(執筆:渡邉草太

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