社内通貨など価値発行プラットフォーム提供のコミュニティオ、XTech Venturesとセレスから1億円を調達

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コミュニティオの経営メンバーと、今回ラウンドに参加した投資家の皆さん。中央がコミュニティオ代表取締役の嶋田健作氏
Image credit: Communitio

社内通貨をはじめ価値発行プラットフォームを開発・提供するコミュニティオは6日、シードラウンドで1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、XTech Ventures とセレス(東証:3696)。

コミュニティオの前身は、ソーシャルゲーム開発大手オルトプラス(東証:3672)の社内プロジェクトだ。かつてライブドア傘下のデータセンター運営会社データホテル(当時)や NHN テコラスの代表取締役社長を務め、その後オルトプラスの CTO を務めていた嶋田健作氏を筆頭に開発に着手。今年3月、嶋田氏が MBO する形でオルトプラスからスピンアウトし、コミュニティオが設立された。

コミュニティオが手がけるのは、さまざまな価値に対してポイントやコインを発行できるプラットフォームだ。このプラットフォームには独自開発のブロックチェーン技術も採用されており、ブロックチェーンスタートアップへの関与に積極的なセレスが今回出資者に名を連ねていることにもうなづける。「何かしら良いアクション」を促すためのリワードの仕組みとして機能することを想定しており、具体的なユースケースとしては、地域通貨、学内通貨、イベント内通貨、社内通貨などが考えられる。

例えば、社内で同僚が仕事を手伝ってくれたことに対して社内通貨でお返しをしたり、遅くまで残業している同僚に労いの品を渡す感覚で社内通貨をあげたり、などといったシーンが考えられる。このほか、Microsoft Teams や Slack と連携しチーム内のやりとりで特定のポジティブなキーワードが含まれたら通貨を発行したり、SRA の「HEALTHCARE PLAYER」と連携し一定歩数以上歩いた人にポイントを付与したり、Log11 が提供するグロースマネージメントシステムと連携し業務効率の向上努力に応じてポイントを発行したり……など用途はさまざまだ。

オルトプラスで導入されている例。得られた社内通貨はオフィスコンビニで商品購入に使える。
Image credit: Communitio

得られた社内通貨やポイントは、専用アプリを使って、ユーザである企業内に設置されたオフィスコンビニや社員食堂で商品の購入に可能で、インセンティブや福利厚生としての活用が可能。昨年10月に「コミュニティオ」を発表以来、重厚長大型産業の大手企業、広告代理店などから導入の問い合わせが相次いでいるという。

代表の嶋田氏は、企業においては、(従来の給与や福利厚生プログラムに続く)第三の給与として機能する可能性に着目しており、「今後、従業員の精神衛生を支援できる強靭なベネフィットプログラムを作りたい」と意気込みを語ってくれた。そのほかにも、地域通貨の発行を通じた「地域版クラウドワークス」や「地域限定クラウドファンディング」による地方創生など活用範囲は広い。

従業員がピアボーナスを送り合うことのできる「ユニポス」や、アビームコンサルティングやベネフィット・ワンらと組んで企業内通貨の導入を進めるゼロビルバンクなどとコンセプトが重なる部分もある。コミュニティオはプラットフォームであることから、類似サービスや関連するエコシステムなどとも積極的に連携を進めていきたい意向だ。

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