文章の流れで「空気を読んだ」最適な英単語を提案するGrammarly、9000万ドルの資金調達

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ニュースサマリー:AI英文校正サービス「Grammerly」は10日、ベンチャーラウンドにて9,000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGeneral Catalystが参加し、Institutional Venture Partnersmも同ラウンドに参加している。

同社は2009年創業。英文における文法校正の自動化サービスを提供している。AIによる文脈の提案もしてくれるのが特徴で、ChromeやMicrosoft Officeの機能拡張も提供している。同社のプレスリリースによれば、現段階でDAUベース2,000万人以上の利用者を誇るという。法人・機関による導入も進んでおり、2,000を超える導入実績がある。

話題のポイント:創業から今年で10年が経つGrammerlyですが、今回のラウンドが2回目の調達です。2017年に1億1,000万ドル、今回の額が9,000万ドルということなので合計2億ドルの調達に成功しています。

同サービスのビジネスモデルとして、基本的な機能を無料とするフリーミアムモデルを採用しています。有料版はより詳細な表現のチェックを提供してくれています。

有料版はサブスクリプション型で、月・四半期・年間ベースでプランを用意しています。ただ私も米国の大学に在学中の利用ユーザーなのですが、肌感覚としてサブスクリプションのターゲットとなる学生のようなライトユーザーが有料版を利用するイメージがあまりわきません。基本的には法人による売上が多くを占めているのではないでしょうか。

以下は同社が事業を創業してから、現在に至るまでのタイムラインです。右肩上がりでユーザー数は上昇を続けていることがわかります。特に2017年に登場した新サービス「Mobile Keyboard」アプリのリリースを皮切りにユーザー数が上昇を遂げています。

同アプリはGrammerlyの機能がそのまま付属されたスマートフォンのキーボード。文法の校正はもちろんのこと、文章の流れから「空気を読んだ」最適な単語選択をサポートしてくれるのが特徴です。

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Grammerly

同機能は「Tone Detector」と呼ばれ、ブラウザ版にも導入されていますが、今の社会におけるコミュニケーションはスマホを中心に回っているため、そういった層をターゲットしたプロダクトだと感じます。このような絵文字と共に、同じ意味で単語を変えると相手にどのような印象を与えるかなどを分かりやすく教えてくれます。私たちのコミュニケーション能力を校正してくれるサービスであるといえます。

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個人的にはTone Detectorに「個人」を認識して文字の選択を提案してくれる機能が導入されればさらに魅力が上がるように思います。たとえば、政治家がGrammerlyに自身のプロフィールを記入することでGrammerlyは「社会的立ち位置の高い」影響力のある人物と判断し、Twitter投稿前に「トーンが間違ってますよ」と教えてくれる未来が訪れるかもしれません。

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