SNSを使った営業&マーケ自動化のChatBook、プレシリーズAで1億円を調達——ダニエル斎藤氏がCROとして参画、国内外でアップセルを強化

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左から:COO Eugene Hong (洪維珒)氏、共同創業者で CTO のFei Yang(楊菲) 氏、
創業者で代表取締役の小島舞子氏、CRO として参画した Daniel Saito 氏
Image credit: ChatBook

チャットボットを使った企業向けマーケティング自動化ソリューション「ChatBook」を提供するチャットブックは17日、プレシリーズ A ラウンドで1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、マネックスベンチャーズ、三井住友海上キャピタル、VOYAGE VENTURES、East Ventures など。チャットブックにとっては2018年2月に実施したシードラウンドでの資金調達に続くもの。East Ventures は、シードラウンドに続くフォローオンでの出資参加となる。

また、このタイミングで、ダニエル斎藤氏が CRO(Chief Revenue Officer=最高売上責任者)として同社の経営陣に加わることが明らかになった。斎藤氏は、リムネットや MySQL 日本法人の創業者として知られ、2015年5月までは、日本人起業家によるビッグデータスタートアップ FlyData のバイスプレジデントとしてグローバルセールスを担当していた人物だ。斎藤氏はカスタマサクセスの充実を図るほか、当面は国内企業におけるアップセル(既ユーザ企業の他部署展開)、将来は海外へのサービス展開に注力する。

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セールスパーソンの業務効率化にコミット

ChatBook
Image credit: ChatBook

ChatBook は Facebook Messenger のチャットボットを使った見込み客を誘引し CRM と連携して営業活動へと繋げられるプラットフォーム。国内にもチャットボットを使ったマーケティングの仕組みは複数存在するが、例えば、C 向けの EC 誘引などに強い「fanp」や B 向けのさまざまなチャットボットが構築可能な「hachidori」とは対照的に、Chatbook は B 向けの足の長い、硬めのビジネスソリューションの営業活動と親和性が高いようだ。

そんなサービスの性格を証明するかのように、ChatBook は Salesforce の SFA との連携Marketo Engage との連携を実現させている。チャットボットとのやり取りから流入してきた見込客とのアポどりを自動化させるため Google Calendar とも連携。来月以降には Slack や Zoho などとの連携も図っていくという。

営業担当者は顧客に向けた提案資料を作るのに時間を使いたいが、実際には、アポを取らなきゃとか、リマインダーを送らなきゃとか、本来以外のところにエネルギーを使ってしまっている。ChatBook を使うことで、営業担当者がコミュニケーションに使っていた時間を50%削減できた、という結果が得られている。(CEO 小島氏)

チャットボットで変わる電話営業の位置づけ

Image credit: 123RF

数年前までは、入社したばかりの若手社員の体当たり営業と言えば、飛び込み営業か、ひたすらイエローページで電話しまくるとか、そんなスタイルも散見されたが、テクノロジーの発達によって、このようなスタイルも鳴りを潜めつつあるように思える。むやみにローラー作戦で営業展開するよりも、見込み客にアプローチした方が圧倒的に効率がいいからだ。お客にとっても、全く想像だにしない相手から営業の電話をもらって面くらい、それまでの思考を中断されるのは愉快なものではない。

チャットボットからインバウンドで入ってきた問い合わせに、営業担当者が合間を置かずに電話すると、その見事なまでの連携プレイに、お客さんからは電話をくれたことに感謝さえ示されるくらい。話のアイスブレイクにもなる。電話営業はネガティブに評価されることもあったが、チャットボット→電話という流れで営業対応することで、電話営業はむしろポジティブに評価されつつある。(中略)

一方、営業する企業側でも取引先でも無い相手に電話をかけまくるという行為は、担当させられる若手社員にとっても心理的ハードルが高かった。チャットボットでの流入から希望のあった見込み客の電話するという流れになるので、担当する社員も心理的に安全と感じるケースが多い。(小島氏)

結果的として、若手社員をはじめ営業担当者の仕事のしやすさにつながり、社員の定着率の向上や離職率の低下も期待できるというわけだ。世の中にフリーダイヤル(アメリカでいう toll-free number)が出てきたときにテレマーケティングの手法が大きく広がり、周辺ビジネスが多く生まれた。チャットボットが営業活動に広く利用されるようになることで、テレマーケティングやそこから派生したインサイドセールスのやり方も、また改めて大きく変化しそうな気がする。

チャットブックでは、これまでに ChatBook を通じて100万件以上(取扱ったチャットのやり取りの数)の営業データを収集しており、これらをビッグデータ的に分析することで、シナリオ整理やスコアリング技術を通じたセールスレコメンドエンジンの開発、チャットによるタイミングやインターバルを考慮した顧客確度判定機能の精査、各種 CRM との連携開発などを加速するとしている。

<参考文献>