カード番号入力とおさらば、VISAの「Click to Pay」

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Image Credit: VISA

ピックアップParticipation in Visa Token Service Hits Major Milestone as Digital Commerce Expands

ニュースサマリー:決済大手「VISA」は1月14日、同社が提供するVisa Token Service (VTS)におけるeコマース取引高が合計1兆ドルを記録する予定であることを発表した。同サービスは消費者の個人情報を保護しつつ、デジタル決済のプロセスをトークン化させる取り組みである。16桁のカード番号や有効期限、セキュリティコードをトークンにして決済を簡素化させる。

VTSでは主に3つのツールを提供する。トランザクションに必要なトークンの生成から管理までできる「Visa Token Vault」、トークンのマネジメントを可能とする「Token Management Tools」、不正利用時にトランザクションの管理が可能な「Visa Risk Manager」の3つで構成される。

同社プレスリリースによれば、1月21日より北米におけるオンライン決済の新機能「Click to Pay with VISA」が現在Visa Checkoutを利用する店舗向けにリリースされる。同機能により消費者は、カード情報を入力することなく商品を購入することができる。

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Photo by energepic.com on Pexels.com

話題のポイント:Adobeが公開した「2019 Holiday Shopping Trend」によれば、2019年の11月1日から12月31日までのeコマース市場は1438億ドル(2018年は1260億ドル)の取引高を記録したことが示されています。また、オンラインショッピングが最も1日で多くなる日の一つ、サイバーマンデーでは昨年比で19.7%の伸びとなる94億ドルを記録したとしています。こうした点から、eコマース市場はまだまだ成長段階であることがわかるでしょう。

今までVISAはオンライン決済手段としてVISA Checkoutを提供しています。しかし、毎回クレジットカードの16桁番号やCVCの入力のためにカードをわざわざ取り出して確認する必要性がありました。もちろん、Chromeなどにカード情報を保存していれば自動入力されますが、それでも新規利用のサイトだったり、有効期限、CVCの入力が求められることが多くあり、体験面ではやや改善したいところです。

今回VISAがVisa Checkoutを廃止して切り替えを実施する『Click to Pay』は、従来フローの更なる短縮化に成功してます。クリックのみで16桁の番号や、その他購入に必要な縦長フォームの入力をショートカットすることができるようになります。

また、Visa Token Serviceは『EMVCo Tokenization Specificification 』と呼ばれるオンライン決済におけるトークンの仕様やシステムの要件に準拠しています。同スタンダードは、Europay、 MasterCard、Visaによって制定されており、トークン決済以外にもコンタクトレスやQRコード決済の標準も定めています。

そのため、Click to PayでもVisa Token Service(VTS)が利用されることになるでしょう。以下が、Visaによるトークン決済の仕組みを現したものになります。

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上図からもわかるように、Step4にて消費者のカード番号をトークン化(unique digital identifier)をさせることでカード情報が特定されない仕組みを作り出すことに成功しています。

さて、Visaは先日ブロックチェーンスタートアップの「Plaid」を買収するなどして、新しい技術を大きく活用した決済インフラのアップグレードを目指していることが明らかになりました。ちなみにブロックチェーンを利用したペイメントインフラでいえば、既にB2B領域で事業展開を開始しています。

Diagram showing how Visa B2B Connect works: Company A, arrow pointing right,  Bank A in Australia, Visa B2B Connect circle connecting Bank A to Bank B in Japan, arrow pointing  right, Company B.

B2B向けサービスは「Visa B2B Connect Network」と呼ばれ、ブロックチェーンを一部に利用し、国際的な決済プラットフォームとしての役割を担っています。取引の透明性や安全性が特徴として挙げられていますが、最も注目されていた点は直接取引が可能となる点です。

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従来、国際取引を行う際はSWIFTを利用したコルレス銀行(Correspondent Bank:仲介銀行)を通した形での送金が一般的でした。VISAのB2B Connect Networkでは、上図で言うOriginating BankとBeneficiary Bankを中継なしで直接つなげることを実現しています。Visa以外にもこうした事例は数多く登場しており、国際送金スタートアップ「TransferWise」が分かりやすい事例でしょう。

Image Credit: McKinsey

VisaはPlaidの買収以降も積極的にフィンテック企業とタッグを組み始めており、15日にはオンライン決済における独自のセキュリティー技術を提供する「Very Good Security」へ出資を決めています

McKinseyが2018年に公開したデータによれば、グローバルの資金移動は年々増加傾向にあり、2023年までに前年比で平均6%の成長率が見込まれると示しています。

このように、VISAではB2B、B2Cに関わらずシームレスな送金、決済の体験をアップデートしている様子が伺えます。今回の「Click to Pay with VISA」の施策が拡大すれば、消費者からビジネスまで、世界的なお金の流れよりスムーズになりそうです。

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