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シンガポールを拠点とし、植物由来の肉・魚介類を製造する Growthwell Groupは28日、シンガポールの Temasek がリードした資金調達ラウンドで800万米ドルを調達したことを発表した。
このラウンドには、DSG Consumer Partners、Insignia Ventures、Genesis Ventures、Brandify、Credence Capitalの Koh Boon Hwee 会長などが参加している。

1989年に設立された Growthwell は、食品・飲料企業向けに肉製品を排したワンストップソリューションを提供するスタートアップだ。同社は植物由来の代替食品に加え、物流サポートや顧客サービスも提供している。同社は今回の資金調達により、代替タンパク質や将来のフードソリューションの開発、事業加速が可能になると述べている。
同社は成長プランの一環として、2021年第1四半期までにシンガポールに植物性タンパク質の研究開発のための特設技術センターを設立する予定だ。声明によると、同施設にはフードテックアプリケーションや水分押出機能、自動生産ラインを備えており、同地域における生産を拡大することができるとしている。
Growthwell Group のエグゼクティブディレクター Justin Chou 氏は、肉や魚介類に代わる植物性の代替食品に対する世界的な需要増加の波をチャンスと捉えていると話す。マーケットリサーチ会社 Ariztonによると、世界の植物由来肉製品市場は、2020年から年率約9%の成長を遂げ、2025年には70億米ドル以上に達すると予想されている。しかし、アジア市場はほとんどが未開拓のままである。
新型コロナウイルスは、食品サプライチェーンの脆弱性を明らかにした。シンガポールでの工場建設は、食糧の安全保障上の懸念が高まっている昨今、非常にタイムリーかつ適切なソリューションだと考えている。(Justin Chou 氏)

Photo credit: Growthwell Group
同社はまた、今回の調達資金の一部が、イスラエルのフードテックスタートアップ ChickP との資本業務提携に充てられると述べた。ただし財務詳細は明らかにされていない。
この協業では、両社は植物性タンパク質を開発し、植物ベースの乳製品や肉類の代替品として特別に設計された、90%ひよこ豆タンパク質分離製品を発売する。また、Growthwell は現在、アレルゲン、グルテン、乳糖、ホルモンを含まないひよこ豆タンパク質をベースとした魚介類代替品の開発も進めている。
同社は、中国やオーストラリアなどの主要アジア太平洋市場で、ChickP 製品の販売を拡大することを目指している。また、2021年には、ひよこ豆ベースのミルクやアイスクリームなどの新製品の開発にも取り掛かる予定だ。
声明によれば、同社は既に Country Foods をメインの流通パートナーに選出済みだ。
【via Tech in Asia】 @Techinasia
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