
Image credit: Infcurion
各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオン・グループは15日、銀行ウォレットをはじめとして、金融機関向けの BaaS(Banking as a Service)提供で NTT データと資本業務提携を締結したと発表した。日経クロステックによると、NTT データからインフキュリオン・グループへの出資額は1億円程度。
インフキュリオン・グループは先月にも、同社の BaaS の構成要素の一つである「ウォレットステーション」を新生銀行グループに提供することを明らかにしている。NTT データは、全銀システムや ANSER システムの運用で全国の金融機関と密接に連携しており、今回の資本業務提携により、インフキュリオン・グループの BaaS の金融機関への導入が加速すると見られる。
インフキュリオン・グループは2016年、SBI インベストメントが運営する「FinTech ファンド」から資金調達し、新会社ネストエッグを設立。ネストエッグは銀行の更新系 API 機能を実装した自動貯金サービス「finbee(フィンビー)」をローンチした。
2018年、銀行のデジタルトランスフォーメーションを支援する新会社インフキュリオンデジタルを設立。QR コードを用いた銀行のモバイル決済サービスなどと連携し、ユーザが希望に応じて、即時または1週間単位で最大4週間後まで、銀行口座の引き落とし時期を選べる新サービス「SLiDE(スライド)」を提供している。
インフキュリオン・グループでは、これら finbee や SLiDE などを組み合わせ、さまざまな機能を銀行や提携企業のニーズに合わせてカスタマイズし、BaaS として提供する。

画面中程の「Wallet Station」の領域がインフキュリオン・グループが提供する機能。
Image credit: NTT Data
NTT データは昨年、ベルリン拠点の BaaS スタートアップ Mambu と技術検証を実施しており、金融機関向けクラウドサービス「OpenCanvas」を通じて本格サービスを提供することを明らかにしている。インフォキュリオン・グループが提供する BaaS と、Mambu が提供する BaaS を、NTT データがどのように使い分けるかについて詳細は不明。
BaaS の分野では、ロンドンの Railsbank が先週、グローバル・ブレインから資金調達し、年内の日本市場参入を示唆したのは記憶に新しい。ソニー銀行はシステム基盤の AWS 移行にあたり、勘定系システムに富士通の「FUJITSU Banking as a Service(FBaaS)」の採用検討を明らかにしている。海外では、アメリカの Green Dot や Plaid、イギリスの Dozens、ドイツの solarisBank といったスタートアップが頭角を表しているほか、Standard & Chartered Bank も先月、「nexus」という BaaS 基盤をインドネシア向けにローンチした。
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