Tesla、現地生産「Model 3」の販売などをめぐり中国で10件以上の訴訟に直面

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中国現地生産の Model 3
Image credit: Tesla

先日上海市の裁判所で発表された情報によると、アメリカの電気自動車(EV)メーカー Tesla は、中国国内で個人からの民事訴訟が少なくとも8件、販売契約に関する紛争をめぐる集団訴訟を2件起こされている。

重要視すべき理由:Tesla は、中国製の Model 3を出荷してからわずか5ヶ月にも関わらず、透明性の欠如、頻繁な価格変更、販売情報の詐称疑惑などを要因に訴訟を起こされるほど、批判に晒されている。

上海市の裁判所システムが公開した情報によると、Tesla の販売サービス子会社に対する民事訴訟は、2020年5月19日から来月にかけて2つの地方裁判所で合計10件の審理が行われる。

詳細情報:上海浦東新区の地方裁判所は、5月19日からの1ヶ月間で、Tesla の完全子会社である特斯拉(上海)有限公司を相手に、個人8名が起こした民事訴訟の審理を行っている。

  • 一方、同社に電子機器を販売する地元の零細企業2社は、販売契約に関する問題を理由に、Tesla の中国販売事業を個別に民事で訴えている。
  • 原告の1人は15日、TechNode(動点科技)からの問い合わせに対し、詳細は明かさなかったが集団訴訟であるという事実だけを認めた。
  • Tesla にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
  • ある中国メディアは原告の会社担当者の話を引用し、主張されている集団訴訟はおそらく Tesla の中国製 Model 3 の値下げに関連していると報じている。
  • 先月初め、Zhang(張)氏という名前の女性顧客が、値下げの予定を知らされていなかったため、新車購入時に3万人民元(約45万3,000円)の追加料金を支払うことになったと訴えた。
  • Zhang 氏は4月上旬に支払を終えたとき、営業担当者は近い将来に値下げをしないと約束したという。しかし、購入から2週間後の5月1日、Tesla は現地生産の Model3 の10%の値下げを発表し、最安モデルの補助金適応後価格を30万3,550人民元(約458万円)から27万1,550人民元(約410万円)に引き下げた。
  • Tesla の最近の値下げは、EV 補助金に関する政府の最新の要件を満たすために取られた措置だった。同社が利益率を維持するために約5,000人民元の価格を引き上げたちょうど1週間後、補助金制度は変更された。したがって、現在の補助金制度下では、Model 3 への適応補助金は減少している。

背景:現在おそらくもっと多くの苦情が Tesla に寄せられていることだろう。先月600人以上の消費者が、同社の営業担当者が6月に販売開始予定の高性能な長距離モデルの発売日を隠しつつ、一方で初版の Model 3 の購入を煽ったと主張し、共同声明を発表している。

  • 11日、Fu 氏と名乗る Tesla オーナーに質問を行ったところ、Tesla が満足のいく解決策を未だ提供していないことを理由に、多くの Tesla オーナーで団結し訴訟を起こす予定であると述べた。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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