Web開発者向けローコードSaaS「FRONT-END.AI」運営、プレシリーズAで1億円を調達——ANOBAKA、East V、DNX Vらから

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Tsunagu.AI のメンバー。中央が CEO の森隆晃氏。
Image credit: Tsunagu.AI

Web エンジニア向けローコードサービス「FRONT-END.AI」を開発・運営する Tsunagu.AI は3日、プレシリーズ A ラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ANOBAKA、East Ventures、DNX Ventures、NOW、日本スタートアップ支援協会、名前非開示の個人投資家複数。Tsunagu.AI にとっては、2019年2月に NOW とディップ(東証:2379)から数千万円を調達したシードラウンドFGN ABBALab ファンドからのシードラウンド調達に続くものとなる。NOW はシードラウンド、DNX Ventures はシードのエクステンションラウンドに続くフォローオン。

Tsunagu.AI は、ネットイヤーグループ、メンバーズを経て、グッドパッチで UX デザイン支援業務に従事していた森隆晃氏(現 CEO)らにより2017年に設立。Web サイトを開発する工程を半自動化する AI サービス FRONT-END.AI を開発している。Web サイト開発ではデザイナーがカンプを作り、それをエンジニアが解析しコーディングするというプロセスをとるが、ここを半自動化することでコスト圧縮と作業のスピードアップを提供する。

Web 制作会社などでは、ランディングページなどを内製化するに当たって、HTML や CSS をコーディングするだけの人材を社内に置いておくことはできず、また、エンジニアにそれだけの作業をさせるわけにもいかない。FROEND-END.AI を使えば、ユーザがページデザイン全体のデザインカンプ(jpg または png 形式)と素材をアップロードするだけで、HTML 構造やデザイン要素を分析。分析結果から自動コーディングすることで、Web サイト開発の初期工程を大幅に削減することができる。

「FRONT-END.AI」
Image credit: Tsunagu.AI

Tsunagu.AI が強みとするのは、森氏をはじめとする UX を強みとするデザイナやエンジニア、そして、画像を解析し HTML や CSS のコーディングを実現する機械学習技術とアルゴリズムだ。Web サイトにおいては、画像が複数オーバーラップして、一部が欠落して表示されていたり、隠れて見えなくなったりするケースがあり、一般的な AI はカンプと素材を同じ画像として認識できない場合がある。Tsunagu.AI は特徴点を見つける独自アルゴリズムで、この問題の解決に成功しているという。

2019年4月のクローズドβ版ローンチ以降、現在は大小さまざまな広告代理店や Web 制作会社など約30社ほどがサービスを利用しているという。これまでは、ランディングページなど CMS で作成されていないページのコーディング自動化にフォーカスしてきたが、今後は、コードの記述方法や CSS の命名規則など各社毎の内部ルールにも対応できるエンタープライズ版の開発に着手し、最終的にはデザイン分析可能な自動 CMS としてのサービス提供を目指す。

Tsunagu.AI は2018年、NVIDIA Inception Program に採択。2019年には、ICC サミット京都でスタートアップ・カタパルトのファイナリストB Dash Camp 2019 Fukuoka の「Pitch Arena」でさくらインターネット賞を獲得した。明日開催予定の AI スタートアップと本郷近辺の活性化を目指したスタートアップイベント「HONGO AI 2020」にも登壇を予定している。

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