パリで醸造する日本酒D2Cブランド「WAKAZE」、3.3億円を調達し欧州全域と北米進出へ

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「WAKAZE」
Image credit: Wakaze

日本酒醸造スタートアップの WAKAZE は9日、シリーズ A ラウンドで3.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジャフコ グループ(東証:8595)、ニッセイ・キャピタル、マクアケ(東証:4479)、MAKOTO キャピタル。WAKAZE にとって、2019年6月に実施したプレシリーズ A ラウンド(当時はシリーズ A ラウンドと報じた)に続くもの。マクアケにとっては、今年初めに発表した「Makuake Story Brand Fund(組成・登記されたものではなく通称)」からの βace に続く2号目の出資。

WAKAZE は、クラフト日本酒や D2C の波を日本酒の世界に引き起こそうとするスタートアップ。フランス政府の奨学金給費生として École Centrale Paris に留学経験があり、以前はボストンコンサルティング・グループで経営戦略コンサルタントをしていた稲川琢磨氏らにより2016年に設立された。東京・三軒茶屋、山形県鶴岡市などで新種の日本酒醸造レシピを開発するほか、2019年11月にはパリ郊外に醸造所「KURA GRAND PARIS(クラ・グラン・パリ)」を設立し、フランス向けに日本酒を現地醸造している。

WAKAZE 代表取締役の稲川琢磨氏
Image credit: Wakaze

フランスでは、2020年2月から WAKAZE の販売を開始し飲食店50店舗ほどに供給されていたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの影響で需要はほぼゼロにまで激減。オンライン販売へのシフトを図ったところ需要が伸び始め、その需要に応えるべく醸造所の稼働を元に戻しリブランドを行ったところ、順調な販売成長を見せているという。フランス国内500店舗と7カ国に展開するワインショップチェーン「NICOLAS(ニコラ)」と協業しており、今回の調達はそのための生産能力拡大のためでもある。

地産地消ということで NICOLAS での WAKAZE の人気は高く、設備投資によって生産量を秋くらいには3倍程度に増やしていく。たくさん作っている品種でお客様をつかみ、珍しい品種でリピーターを増やしていくという戦略がうまく行っている。(稲川氏)

「KURA GRAND PARIS(クラ・グラン・パリ)」での日本酒の仕込み風景
Image credit: Wakaze

今後はフランス以外にイギリスやドイツにも販売・営業エリアを拡大、アメリカについても、アーリーアダプタやアジア系住民の多い西海岸から攻めていきたい、と、稲川氏の鼻息は荒い。WAKAZE では今回調達した資金を使って、フランスと日本の両国で日本酒の作り手、マーケティング、カスタマーサポート、経営管理などの人材確保を強化する

今回の投資家のうち、MAKOTO キャピタルは仙台市に拠点を置き、主に東北出身のスタートアップや起業家などに出資をしている。WAKAZE が山形県鶴岡市に本社を置いており、仙台市のスタートアップイベント「SENDAI for Startups(SFS)」での出会いがきっかけになったという。マクアケ(当時、サイバーエージェント・クラウドファンディング)は2017年の SFS に参加しており、この際の同社代表取締役の中山亮太郎氏との出会いが、その後のクラウドファンディングや今回の出資に繋がったとみられる。

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