
Image credit: HRport
東京に拠点を置く HRport はシードラウンドで HIRAC FUND から資金調達したことを明らかにした。調達額は明らかにされていない。HRport にとっては2019年10月に実施したプレシードラウンドに続くものだ。同社では今回の調達を通じて、HIRAC FUND に出資する企業をはじめ、エンタープライズやミドルベンチャーへの「Worksamples」の導入・拡販の足掛かりとすることを期待している。
HRport は2018年11月に設立(設立当時の社名は tabeco)。2019年8月には、ある会社でアンマッチだった求職者を他社に推薦・紹介できるプラットフォーム「HRport」で、F Ventures のピッチイベント「TORYUMON TOKYO」の最優秀賞を受賞した。HRport 創業者兼代表取締役の森海渡氏によれば、現在、事業の主軸としているのは今年春にβローンチした「Worksamples」だ。
HRport から Worksamples へピボットした理由について、森氏は次のように語ってくれた。
HRport に共感して導入してくれたのは、多くが企業の人事部門。しかし、人事部門は何千人という候補者と面談していて、非常に多忙で、到底、自社でアンマッチだった人材を他社に推薦・紹介する余裕は無いことがわかった。
そこで人事部門の皆さんの選考工数や手間をなんとか削減できないかと考えた。Worksamples は、HRport を提供していた際に発見したユーザのペインから生まれた、選考の仕組みを最大化するプラットフォームだ。

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入社候補者の選考時の入社試験、とりわけ、実践形式に応じた問答からは、候補者の適性を的確に評価できるため、選考プロセスにおける精度が最も高い。しかし、人数が膨大になる選考の最初の段階で入社試験を受けてもらうのは現実的でないため、多くの企業では、例えば、書類選考 → 一〜○次面談 → 実践型入社試験 → 最終選考など、入社試験は選考プロセス全体の後半以降に来ることが多かった。
Worksamples は、依頼された会社毎に採用要件を言語化、事業内容に即して実践型入社試験の内容をフルカスタマイズで作成する。SaaS にしたことで、候補者がいつどこでも、この試験を受けられるようにした。そして、回答内容について独自アルゴリズムを組み込んだ AI と人が採点する。最も選考精度の高い入社試験を、選考プロセス全体の最初にもってくることで効率化するわけだ。
応募者が多いエンタープライズ、選考工数の削減を考えつつも、実践的な目線で候補者を見極めたいミドルベンチャーなどがターゲットだ。従業員数500名以上の企業で高い効果が得られている。今春のβローンチから今まででも、多い企業だと1,200名の候補者に Worksamples を使ってもらうケースがあった。(森氏)
HRport では今回調達した資金を使って、エンジニア、ビジネスデベロッパ、マーケッタなどの人材確保を強化するとしている。
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