精神状態を改善してくれる微生物製品を開発、台湾Bened Biomedical(益福生医)が日本市場参入へ

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Image credit: Bened Biomedical(益福生医)

メンタルプロバイオティクス技術と製品の開発に注力する Bened Biomedical(益福生医)は22日、Trans-Pacific Technology Fund(TPTF、華美科技創業投資基金)と JAFCO Asia がリードしたシリーズ A ラウンドで、総額1,000万米ドル超を調達したと発表した。

Bened Biomedical はこれらベンチャーキャピタルの支援により、国際市場での急速な拡大、アメリカでの自社ブランド製品の発売、そしって FDA(アメリカ食品医薬品局)への生医療製品の申請に必要な事前臨床試験の完了を見込んでいる。

メンタルプロバイオティクスとは?

TPTF のマネージングパートナー林和源氏(上写真の左から2番目)によると、彼が初めてメンタルプロバイオティクスを知ったのは、TPTF のポートフォリオ企業で北米の微生物叢解析大手 Finch Therapeutics を通じてだったそうだ。このチームの研究・特許は、主に気分を改善する微生物を指す「メンタルプロバイオティクス」というプロバイオティクスの分野でユニークなものである。

TPTF は、北米で自閉症、ADHD(注意欠如・多動症)、パーキンソン病などのグループを対象とした疾患用特殊栄養食品「Medical Food」の開発を支援するほか、将来的には精神科用プロバイオティクスの微生物製剤の開発を支援することを期待している。

JAFCO Asia のグループマネージングディレクター林宇璋(上写真の右から2番目)は、Bened Biomedical 創業者の Ying-Chieh Tsai(蔡英傑)教授(上写真の中央)の研究開発力と、CEO Frankie Cheng(鄭勝徳)氏(上写真の左から1番目)の多国籍経営の経験により、次のヘルスケアユニコーンを再現できる可能性は十分にあると述べている。

JAFCO Asia は次のように述べている。

グループのリソースと蔡教授の日本のプロバイオティクス業界でのこれでまでの評判を組み合わせ、Bened Biomedical が日本に進出し、日本の健康食品業界における台湾のトップブランドとなることを期待している。

アメリカ疾病保健市場への参入

2015年の設立以来、Bened Biomedical は年平均88%近い売上高成長率を達成し、プロバイオティクス製品を世界40カ国以上に展開している。

Bened Biomedical CEO の Cheng 氏は、同社が市場で急速に成長しているのは、製品開発の独自性とビジネスモデルの成功の証であるが、スタートアップが国際市場で競争力を維持するには、依然として十分な資本と優れた外部リソースが必要であると述べた。 そのために、今回のシリーズ A ラウンドでは投資家を招き、潤沢な資金を提供するだけでなく、国際市場に向けて新しいアイデア、新しいパートナー、新しいマーケティング戦略を会社にもたらすことを求めたという。

Bened Biomedical は、TPTF の支援を受け、本年第3四半期にアメリカ FDA に準拠した医療用食品を発売し、自社 D2Cブランドを展開する予定だ。また、FDA の承認と業界のベンチャーキャピタル2社のリソースを活用することで、このモデルを日本を含む他国でも再現し、5年以内に売上高を15倍にすることを目標としている。

現在、Bened Biomedical のグループ傘下には、台湾内外に恵生研生物科技(台湾)、益福生物新薬(台湾)、Bened Life(アメリカ)、聯亜益生生物科技(上海)の4社があり、自社ブランドのプロバイオティクスの研究開発、新薬開発、グローバル ODM、販売などを中心に事業を行っている。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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