上場後の資金調達を支援する会社が登場、愛知県で日本版「Station F」設立に向けキックオフ【Canvas 4月号(4月2日〜4月8日)】

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上場後の資金調達を支援する会社が登場、愛知県で日本版「Station F」設立に向けキックオフ

今週の話題(4月2日〜4月8日):元マイネットCFO嶺井氏率いるグロース・キャピタル、上場後の資金調達と成長を支援する新パッケージをローンチシリコンバレー発のラーメン自販機「Yo-Kai Express」が東京駅に進出、Suica決済から数十秒であつあつラーメンが食べられる愛知県、日本版「Station F」を目指す「STATION Ai」に向けキックオフイベントを開催

新パッケージを説明するグロース・キャピタルの創業者で代表取締役 CEO の嶺井政人氏(右)。左は、グロース・パートナーの一人であるマーケットリバー代表取締役の市川祐子氏。
Image credit: Masaru Ikeda

東証は市場区分を再編、コーポレートガバナンス・コードを改訂しました。これは企業に対して、上場してもその地位に甘んじることなく、適切に成長し続けることを求めるための方策の一つと言えます。一方で、上場以外の方法で大型資金が調達できるようになり、上場には従来より大きな意味が求められるようになっています。グロース・キャピタルのように、上場してからの資金調達を支援する会社のニーズも高まるでしょう。

日本での事業戦略を説明する Yo-Kai Express CEO の Andy Lin (林志鴻)氏
Image credit: Masaru Ikeda

アメリカからは Yo-Kai Express が進出しました。2016年に創業した、ラーメン自販機をはじめとするフードテックスタートアップです。ラーメンや食産業では日本の方がアメリカの数歩先を行っていますが、食事できないと考えられていた場所で食事できるようにするアプローチは、台湾出身の創業者の食に対する貪欲さを感じずにはいられません。飲食店、コンビニ飯、フードデリバリ、ファストフード、そしてラーメン自販機。食べたい時の、腹具合と懐具合と相談しながら、うまく使い分けたいものです。

「PRE-STATION Ai」の FY22 バッチに採択されたスタートアップの皆さんと、愛知県知事 大村秀章氏(中央最前列右)、STATION Ai 代表取締役社長兼 CEO 佐橋宏隆氏(中央最前列左)。撮影のためマスクを外しています。
Image credit: Masaru Ikeda

世界的にも有名なパリのスタートアップハブ「Station F」ですが、その日本版ともいうべき「STATION Ai」が愛知県に2024年に完成します。大阪・福岡・札幌・沖縄などについては、ローカルスタートアップシーンの情報を取り上げてきたのですが、名古屋の情報が今ひとつカバーできていなかったので、足を伸ばしてきました。STATION Ai はローカルスタートアップハブとしては後発ですが、その分、各地の先行例のノウハウを〝いいとこ取り〟し、いいものはそのままマネる、という潔さが見事です。2年後が楽しみです。

今週の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

ダークストア展開のOniGO、シードラウンドで7.2億円を調達——UTEC、サムライインキュベート、PnPJから(4月8日)

  • OniGO は、シードラウンドで7.2億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)で、サムライインキュベートと Plug and Play Japan(PnPJ)が参加した。今回のシードラウンドでの調達を受けて、OniGO の創業以来の累積調達額は約11.8億円となった。

英語学習アプリ「レシピー」展開のポリグロッツ、みずほキャピタルやインソースらから1億円を調達(4月7日)

  • ポリグロッツは、みずほキャピタルや企業研修大手のインソース(東証:6200)らから1億円を調達したと発表した。ラウンドステージ、および、2社以外の投資家については不明。これは同社にとって、ポリグロッツにとっては、シードラウンド(1回目2回目)、シリーズ A ラウンド(1回目2回目)、シリーズ B ラウンド、昨年8月に実施したインソースからの資金調達に続くものだ。

コロナ禍のミドルマネジメント層研修に需要増、コーチングのmentoがWiLから3.3億円調達(4月6日)

  • mento は、第三者割当増資の実施による資金調達を公表している。引受先になったのはWiL(World Innovation Lab)のファンドで、ラウンドはシリーズA。調達した資金は3億3,000万円。資金はセールス、エンジニア、プロダクトマネージャーを中心とする人材・組織強化に投じられる。

介護ワークシェアリング「カイスケ」運営のカイテク、3.7億円を調達——契約介護施設1万事業所を目指す(4月6日)

  • カイテクは、直近のラウンドで3億7,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、はたらく FUND、三菱 UFJ キャピタル、SMBC ベンチャーキャピタル、プラス。プラスは前回シードラウンドに続くフォローオンでの出資。プラスは、社内カンパニーのジョインテックスが介護・福祉施設向けサービス「スマート介護」を運営、これらの施設にチャネルを持つ。

リモートワーク環境整備のサブスク「リモートHQ」運営、Coral Capitalなどから2億円を調達(4月6日)

  • HQ(エイチキュー)は、Coral Capital と名前非開示の個人投資家から約2億円を調達したことを明らかにした。ラウンドは不明。HQ にとっては初の外部からの資金調達となる。

500万人が参加する通話コミュ「Yay!(イェイ)」16億円調達、NFT発行で新たなトークンエコノミー構築へ(4月6日)

  • ナナメウエは、SBIインベストメントをリード投資家とするシリーズBの資金調達ラウンド実施を報告している。第三者割当増資と融資による調達で、ラウンドに参加したのはFFGベンチャービジネスパートナーズ、アカツキ、Headline Asia、Infinity Ventures Crypto、DG Daiwa Ventures、90s Management、スカイランドベンチャーズおよび 名称非公開の個人投資家複数名。
  • これに金融機関からの融資を合わせて調達した資金は合計で約16億円。同社は昨年2月にも5.5億円の資金調達(株式および金融機関融資)を公表しており、その際に増資を引き受けたのはシード向けファンドのNOWとTLM、および氏名非公開の個人投資家となっていた。

ネコの見守りデバイス&サービス開発のRABO、13.2億円をシリーズB調達(4月6日)

  • RABO は、シリーズ B ラウンドで約13.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ユニ・チャーム(東証:8113)、MPower Partners、STRIVE、 XTech Ventures、DG Ventures、Headline Asia。STRIVE と XTech Ventures は前回シリーズ A ラウンドに続くフォローオン。今回のラウンドを受けて、RABO の累計調達額は21.7億円に達した。また、ユニ・チャームとは、トイレ製品開発、フード開発、海外展開事業などで協業する。

救急外来向け患者情報記録システム開発のTXP Medical、シリーズBで伊藤忠とUTECから15億円を調達(4月6日)

  • TXP Medical は、シリーズ B ラウンドで伊藤忠商事(東証:8001)と東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)から約15億円を調達したことを明らかにした。UTEC はシリーズ A ラウンドに続くフォローオン。

社内日報共有ツールのgamba、企業向けSaaS大手のrakumoが買収へ(4月2日)

  • gamba は、企業向け SaaS 大手 rakumo(東証:4060)により買収され完全子会社となることが発表された。3月30日に株式譲渡契約が締結され、6月30日から rakumo の傘下に入る。gamba は rakumo から役員の派遣を受け入れる予定。

介護サービスマッチング「みーつけあ」、パーソルイノベーションが買収(4月2日)

  • みーつけあは、パーソルホールディングス(東証:2181)傘下のグループ企業でパーソルイノベーションに子会社化されたことを明らかにした。買収金額や買収後の株主構成は不明。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

時価総額1,000億米ドルに達したことが明らかになった、世界で人気を集める中国発ファストファッションEC「SHEIN」。
Image credit: Shein

世界で人気を集める中国発ファストファッションEC「SHEIN」、時価総額1,000億米ドルでプレIPO調達へ(4月5日)

  • 世界で人気を集める中国発オンラインファストファッション SHEIN が、約1,000億米ドルの時価総額で約10億米ドルの資金調達を検討していると、関係者が Bloomberg に語った。昨年、SHEIN は時価総額を数十億米ドルと回答していたが、当時は IPO の計画はないとしていた。しかし今年に入り、同社はアメリカでの IPO 計画を復活させたと報じられている。

香港の仮想通貨・ソーシャル投資プラットフォーム「Kikitrade」、600万米ドルを調達(4月5日)

  • 香港に拠点を置く仮想通貨とソーシャル投資のプラットフォーム「Kikitrade」は、AppWorks(之初創投)と Media Asia(寰亜伝媒)が共同リードした新たな資金調達ラウンドで600万米ドルを調達した。このラウンドには、Audeo Ventures や既存の株主を含む投資家も参加した。

台湾のEVスクーター開発Gogoro(睿能)、米SPAC上場で3.35億米ドル調達へ(4月5日)

  • 台湾に本社を置く、電動スクーターとバッテリ交換ステーションメーカーの Gogoro(睿能)は、白紙委任会社の Poema Global Holdings(Poema Global)との合併により、Nasdaq に上場すると発表した。Gogoro は、この合併により3億3,500万米ドルの資金調達を目指している。

がん治療薬開発Selecxineが33億円調達、スマート物流WeKeepが包装材社買収など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(4月3日)

  • 免疫抗がん治療薬「SLC-3010」を開発する Selecxine(셀렉신) が、シリーズ B ラウンドで330億ウォン(約33億円)を調達した。創業から4年で累積調達額は600億ウォン(約60億円)。同社は、自己抗体開発プラットフォームをもとに免疫調節サイトカインと、多様な免疫調節受容体をターゲットとした免疫治療用抗体開発を専門としている。
  • スマート物流の WeKeep(위킵)がエコフレンドリーな包装材製造企業 Hansun(한선)と The Minam(더 미남)を買収した。Hansun は環境にやさしいテープ用ボックス除箱を製作してOPPテープを1000余りのイコマース企業に納品を進めており、The Minam ははナチュラルパッケージブランドで独自のパッケージング技術を導入し、紙緩衝剤など環境にやさしい包装材を製造流通する企業だ。

ARメガネNreal(優奈柯恩)、Alibaba(阿里巴巴)らから6,000万米ドル調達など——中国スタートアップシーン週間振り返り(4月2日)

  • 中国の AR(拡張現実)メガネメーカー Nreal(優奈柯恩)の3月30日の声明によると、Alibaba(阿里巴巴)は Nreal が6,000万米ドルを調達したシリーズ C+ ラウンドで、同ラウンドをリードした。今回のラウンドで、Nreal が過去12カ月間に受けた出資総額は2億米ドルに達した。

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