自由診療向けSaaS「medicalforce」運営、6億円をシリーズA調達——ALL STAR SAAS FUNDとANRIから

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メディカルフォースのコアチームと、今回ラウンドに参加した投資家の皆さん
Image credit: medicalforce

自由診療向け SaaS「medicalforce」を開発・運営するメディカルフォースは24日、シリーズ A ラウンドで6億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ALL STAR SAAS FUND と ANRI。メディカルフォースにとっては、今年2月に発表したプレシリーズ Aラウンド(DNX Ventures や ANRI などから1億円を調達)に続くものだ。

メディカルフォースは2020年11月、SaaS 型人材サービスのスタートアップなどを経てフリーランスでセールスやマーケティングシステムの導入支援に従事していた大嶋翼氏(現 CEO)や、「終活ねっと」を創業し DMM.com に売却後マーケティングや開発のコンサルティングに従事していた組田隆亮氏(現 COO)らにより設立された。

コロナ禍のマスク着用でダウンタイムの負担が軽減されるなどの理由から、美容医療が一大ブームだ。クリニックが増え競争が激化する中、生き残りには差別化を図ることが急務になっている。待ち時間が長い、予約が取りにくいなどの課題を解決すれば顧客満足度は高まるものの、クリニックは患者の予約に対し、施術の部屋・スタッフ・機材の3つのスケジュールを揃えるという難題を伴う。

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複数の条件が絡み合うこともあって、多くのクリニックでは、診療予約、カルテ管理、会計処理に複数のシステムを導入していて、互いに情報連携が取れていることもあれば、取れていないこともしばしばだ。その顕著な例として、複数の施術を同じ日に続けて受けた際に、後の施術を担当する看護師が、前の施術のことを全く知らない、といったケースに出くわすことがある。こんな時、患者はクリニックの対応に不安を感じてしまうだろう。

昨年3月のローンチから1年以上を経て、medicalforce の導入店舗は110軒を超えた。全国主要都市にチェーン展開している、有名クリニックも採用していることから、そのニーズの高さはわかる。保険医療と違って自由医療は値付けをはじめビジネスフォーマットは自由なので、それに合わせるシステムを組むため、彼らの中にはフルスクラッチでシステムを内製してきたクリニックもある。

medicalforce には現在、予約、問診、カルテ、会計、経営管理ダッシュボード、CRM(リマインド・ステップ配信)などの機能を搭載、クリニックの経営や集患の強化に活用できる。メディカルフォースでは今後、無人レジとの連携や BI ツールとの連携などさらに機能を強化し、2023年末までに自由医療デジタルツール分野のトップシェア確保を目指す。

メディカルフォースのチームメンバーは現在14人。今回調達した資金を使って、プロダクト開発やセールス・マーケティング・PR を強化し、年内に50人、来年には90人体制を目指す。

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