Orange Fab Asiaが239チームを輩出し9年間の歴史に幕、デモデイ最終回には日韓台から15チームが参加

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Orange Japan「Orange Fab Asia」運営責任者 西川浩司氏

<28日17時更新> ※印部(赤字)を追記。

Orange Fab Asia は、フランスのテレコム大手 Orange がアジア地域で展開するスタートアップ・アクセラレータだ。2014年に開始され(募集は2013年から)、足掛け9年にわたって運営されてきた。Orange 本社の再編計画に伴い Orange Japan は閉鎖が決まり、26日には最後となる Orange Fab Asia のデモデイが開催された。東京・新宿で開催されたスタートアップには、最終シーズンに参加したスタートアップはもとより、過去シーズンから招かれたスタートアップなど15チームがピッチした。

Orange Fab Asia は2014年に東京からスタートし、のちにソウル、台湾のプログラムも加わった。通算で41回に及んだデモデイを通じて、日本のみならず、韓国や台湾のスタートアップを含め、これまでに239のチームを輩出してきた。一般的なアクセラレータが、一定の株式持分と引き換えに初期資金を提供するのと対照的に、Orange Fab Asia は採択スタートアップを海外のカンファレンスへ招待するなど、グローバルなスタートアップシーンへの露出機会を多く提供することでユニークな存在感を呈してきた。

Orange Fab Asia の過去シーズンについては、これまでに BRIDGE で数回以上にわたり取り上げている。IPO を果たすスタートアップは現れないままプログラムを閉じることにはなるが、バリュエーションを上げたり、資金を調達したりといった目的とは違った軸で、国際思考が強く多様な目標を掲げるスタートアップが多かったことは特徴の一つと言える。スタートアップが特徴的であるので、それらを率いる起業家たちもまた個性派揃いだった。輩出された「Orange Family」の今後の活躍に期待したい。

日本の sMedio とトビラシステムズ、韓国の NEOFECT は IPO を果たしたが、プログラム開始前に IPO の準備段階に入っていた

デモデイに登壇したスタートアップを以下に紹介する。

AironWorks(東京16期)

AironWorks は、フィッシングやビジネスメール詐欺などのハッカー攻撃から企業を守るために、ウェブやダークウェブのデータをリアルタイム補正・解析し、リアルなサイバーセキュリティシミュレーションを行う製品を開発した。イスラエル「Unit 8200」出身のハッカーが開発した技術をコアとし、独自アルゴリズムでリアルな攻撃を生成し、組織のサイバーセキュリティを強化する。

Think-i/씽크아이 (ソウル15期)

Think I の「Dashcam」は、ドライバを事故から守るための統合ソリューションだ。ADAS、DMS、FMS、従来のダッシュカム機能をサポートしているDMS(Driver Monitoring System)は、眠気、喫煙、前方不注意、携帯電話の使用など、ドライバーのさまざまな注意力散漫を継続的に監視する。

Uniigym/優力勁聯(台北12期)

Uniigym は、クラウドと AI(人工知能)をベースとした、家族やコミュニティのための 5G AI インタラクティブフィットネス&ゲームサービスプラットフォームだ。AI & AR(拡張現実)トレーナーで、いつでもどこでもエクササイズできる。

uHoo(東京16期)

uHoo は最も包括的な空気品質モニタリング製品で、少なくとも13のパラメータを測定し、携帯電話やコンピュータでリアルタイムに表示することができる。また、過去の傾向も見ることができ、ソフトウェアが環境を改善するためのヒントを与えてくれる。

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GDF Lab/지디에프랩(ソウル14期)

GDFLab は、低解像度の画像や動画を超解像度にアップスケールし、元の画質をそのままに、ノイズや歪みを削除できるディープラーニングを用いたAIアップスケーリングソリューションとサービスを提供している。

Nuwa Robotics/女媧創造(台北12期)

Nuwa Lobotics は、ノーコードツールやロボットプラットフォームとともに、コミュニケーションロボットからサービスロボットまであらゆるロボットを提供するメーカー。また、OEM/ODM/JDM によるロボットのカスタマイズも可能だ。

Dots for(東京16期)

Dots for は、無線技術により、アフリカの各村に1,000ドル以下の超低コストで無線 LAN インフラを構築している。この超低コストにより、村のエンドユーザにとっては週3ドルという手頃な価格で、かつ営利企業としての持続可能な活動を実現している。

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Bitglim/빛글림 (ソウル14期)

Bitglim は、使われていないデジタルディスプレイを新しいキャンバスに変身させる。数回クリックするだけで、あなたのテレビやモニターがアニメーションアートを展示するためのスペースになる。

SpoLive(東京16期)

SpoLive は、スポーツ団体がワンストップでファンエンゲージメントの強化、試合記録の管理、効率的な情報発信、マネタイズを実現するスポーツ DMP 組み込み型 D2C プラットフォームだ。

Holotch(東京15期)

Holotch は、ホログラムのストリーミング技術を民主化する。ホログラムは、VR/ARとして写実的な等身大の映像で、まるで目の前にいるような他者との関わりを可能にする。我々は、リアルタイムで低遅延のホログラムストリーミング技術を発明した。

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Attuned(東京14期)

Attuned は、コミュニケーション、モラル、チームの有効性、生産性を向上させるために、従業員一人ひとりの内発的なモチベーションに基づいた洞察とアクションを生成する。Attuned は、エンゲージメントの枠を超え、仕事をより有意義なものにする力をマネージャーに与える。

Eaglys(東京13期)

Eaglys は、セキュアコンピューティングシステムの構築を通じて、すべてのデータが安全に利用できる社会の実現を目指している。顧客のデータやプライバシーを保護することで顧客の価値を創造すると同時に、顧客がアクセスできない、あるいは大幅に編集されたデータを安全に交換・処理できるようにする。

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Zukunft Works/未来製作所(台北ゲストプレゼンター)

Zukunft Works の使命は、VTuber がファンとの共同ライブを行うために最も効率的なソフトウェアツールを提供することだ。同社の現在の製品である「VTLive」は、VTuber が収益化するためのバックステージとして、最高のパフォーマンス配信クラウドベースシステムに進化していくだろう。

FutuRocket(東京ゲストプレゼンター)

FutuRocket の「ManaCam」は、スペースがどのように使われているかを把握するための、シンプルで使い勝手の良い AI カメラだ。また、解析ダッシュボードをデバイスと一緒に提供している。

Empath(東京11期)

Empath は、言語に関係なく、音声からリアルタイムに感情を識別することができる Emotion AI だ。音声の複数の物理的特性を分析することで、喜び、穏やかさ、怒り、悲しみ、エネルギーポイントの5つの感情を検出することができる。

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