シンガポールを拠点とする食品イノベーション企業 Alchemy Foodtech は22日、上場企業の Thai President Foods、Pine Venture Partners、Sour Sally Group の投資部門である Selera Kapital などから300万ドルを調達したと発表した。世界的なシーフードリーダーである Thai Union、Fuchsia Venture Capital、Heritas Capital、SEEDS Capital などの既存投資家もフォローオン出資した。

声明によると、新たな資金は、国内および海外の市場における Alchemy Foodtech の次の段階の開発を引き続き支援するとのことだ。Alchemy Foodtech の CEO Alan Phua 氏は次のように述べている。

今回の資金調達により、中国での成長を追求し、新しい中国オフィスを支援するとともに、代理店や B2B パートナーを通じて、タイ、インドネシア、韓国、日本、アメリカなど他の国にも進出できるようになった。

同社は現在、各国の多国籍企業（MNC）と協力し、より良い健康食品を提供するために取り組んでいる。

Alchemy Foodtech は、シンガポールを拠点とするディープテック企業で、食品からの糖の影響を低減し、糖の摂取量を減らすことで、世界がより良い精製炭水化物を食べることを支援する「Make Carbs Good」をミッションに掲げている企業だ。

Pine Venture Partners CEO の Hyuk-Tae Kwon 氏は、次のように述べている。

Alchemy Foodtech の世界市場拡大を支援できることを嬉しく思う。アジアをはじめ世界各地で、より健康的な代替食品に対する強い需要があり、Alchemy のチームはこの機会を捉えるのに適した能力と実績を持っていると考えている。

声明によると、成人の3人に1人以上が太り過ぎで、10人に1人が糖尿病を患っていることから、より健康的な食品への需要が世界的に高まっている。

Alchemy Foodtech は、過剰な炭水化物や糖分が人々の健康に与える悪影響を軽減する、おいしくてより健康的な食品を提供することで、これらの問題に取り組むことに注力している。

同社は、植物成分をベースに特許取得済のテクノロジープラットフォーム「Alchemy Fibre」を開発し、優れた味と食感を提供しながら、糖分や炭水化物の代替、GI 値の低減を実現している。

炭水化物や糖分の削減に対する関心は高まっており、多くの企業が2030年までに製品に含まれる糖分を削減することを公約している。

世界的に強い需要がある中、 Alchemy Foodtech は、麺類、パン、クッキー、アイスクリーム、ヨーグルト、飲料など幅広い製品で複数の多国籍企業と協力し、2023年前半にこれらの一部を発売する予定だ。

Alchemy Foodtech のイノベーションは非常にタイムリーであり、インスタントラーメンの 「MAMA（編注：Thai President Foods の旗艦商品で、タイの国民食と呼ばれる）」からグループ企業が持つ他のアイテムまで、多くのシナジーを感じた。

当社だけでなく、多くの企業が Alchemy と提携することで、より健康的でおいしい食品をお客様に提供できると思う。

さらに、我々は Alchemy のように、主要な顧客だけでなく社会にポジティブな影響を与えるスタートアップを支援する、タイ初のインパクトインベスターの1つになれることを大変うれしく思っている。（Thai President Foods 投資委員会の May Lerdprapapong 氏）

Alchemy Foodtech の実力は、ラボと研究者の成果で証明されており、研究パートナーにはシンガポール国立大学やシンガポールを代表する研究機関である a*star などがいる。同社の主力製品「Alchemy Fibre For Rice」は、シンガポールのスーパーマーケットや e コマースプラットフォームで販売されているほか、フィリピンやアメリカにも輸出されている。

【via TechNode】 @technodechina

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