
Image credit: Masaru Ikeda
本稿は、6月28〜30日に開催されている、IVS 2023 KYOTO の一部。
毎年(ほぼ)2回開催の恒例となったスタートアップカンファレンス「IVS」が始まった。アジアにおけるスタートアップカンファレンスとしては最大規模の1万人に達する見込みだ。これまで、アジアでは香港で開催されていた RISE が1.5万〜1.6万人規模だったが、ここ数年は、中国情勢や会場確保が難しいなどの理由から開催されておらず、IVS が事実上、アジアでは最大規模ということになりそうだ。

IVS 2023 KYOTO のオープニングで登壇した IVS 代表取締役の島川敏明氏によれば、2007年に NILS(CNET Japan が主催していた New Industry Leaders Summit)を引き継ぐ形でスタートした IVS(当初は Infinity Venture Summit)は今回を含め通算で30回目を迎えるが、2021年の那須の回までは招待制の700〜800人程度のイベントだったという。昨年那覇の回で ウェb3 のカンファレンス「IVS Crypto」を併催したことで人数が2,000人規模に拡大、これを機に招待制を外しオープン化した。
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IVS のオープン化の動きは、岸田政権の看板政策の一つ「スタートアップ育成5か年計画」に呼応したものだという。政府はスタートアップに対する年間投資額を2027年度に10兆円規模に拡大するとしているが、この受け皿となる投資ビークルや、なにより、エコシステムのメインプレーヤーであるスタートアップや起業家がさらに多く育っている必要がある。IVS は一見、祭りのような様相を呈しているが、島川氏はこれからの3日間をビジネス機会として捉え、ディールを成立させることに注力してほしいと参加者に訴えた。

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とはいえ、スタートアップカンファレンスにお祭り的要素はつきものだ。おそらく IVS では初めてとなる屋台村も併設されていて、参加者は腹の減り具合を心配せずに会場内を行脚できる。個人的には、先週、今年のイベントがパリで開催されたスタートアップカンファレンス「Viva Technology」に似た印象を受けた。複数のセッションが同時進行するカンファレンスでは、どこかに一つメインステージが設置されることが多いが、今回の IVS にはメインステージがなく decentralized な発想を感じ取ることができる。

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海外のスタートアップカンファレンスでは一般的なサイドイベントだが、今回の IVS では、国内では珍しく150件のサイドイベントが開催されることが明らかになっている(IVS が主催に関与していないため、正確なサイドイベントの数は不明)。BRIDGE は親会社の PR TIMES と協力し、Startup! PR WEEK ステージを展開しており、ここではスタートアップ約50社が新サービスなどを発表する予定で、この模様は、BRIDGE のほか、他社メディアなどでも取り上げられることが期待される。

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