中国EC大手、「独身の日」の中間分析を発表——値下げ、ライブストリーミング、AIツールが売上アップに貢献

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Image credit: Alibaba(阿里巴巴), JD.com(京東)

中国の e コマース大手 Alibaba(阿里巴巴)と JD.com(京東)は、今年の「独身の日(光棍節=11月11日)」の売上が好調だったと発表した。昨年の1,580億ドルに迫る売上を記録し、今年も2桁成長が期待されている。Alibaba は Tmall(天猫)とTaobao(淘宝)プラットフォームの成長を強調し、JD.com も販売期間中の商品総量が過去最高だったと発表した。

独身の日はもともと11月11日の24時間限定のオンラインショッピングイベントだったが、数字の日付にちなんで中国の主要な e コマースプラットフォームと実店舗で数週間にわたるプロモーションに拡大した。今年で15周年を迎える Alibaba は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けての、昨年までの規制の影響を受けた売上からの回復を期待している。

消費者マインドの指標とされるこの祭りは、デフレの中での経済の不安定な回復にもかかわらず、今年の売上成長に期待が寄せられている。Alibaba は、独身の日向けに8,000万点の商品を最安値で販売する計画を発表し、これは低価格にディスカウントされた商品を提供する競合に対抗する動きの一環と見られている。

昨年の独身の日の総売上高は1兆1,500億人民元(約24兆円)で、今年も2桁成長が期待されている。ただし、アナリストや業界幹部は、今年の返品率が高くなる可能性があると予想している。Alibaba は、健康・ウェルネスやアウトドア・ライフスタイル製品が好調だった一方で、メイクアップ関連の商品は昨年に比べて苦戦する可能性があると報告している。

「Taobao(淘宝)」と「Tmall(天猫)」、AI ツールが加盟店の準備に貢献

Alibaba(阿里巴巴) キャンパスでのイベント。
Image credit: Alibaba(阿里巴巴)

Alibaba(阿里巴巴)の中国コマース事業である Taobao(淘宝)と Tmall(天猫)は、独身の日に前年比で流通総額(GMV)、注文数、参加加盟店が増加したことを発表した。このキャンペーンでは、お得な商品やライブストリーミングが消費者に人気であり、AI 搭載のツールが加盟店による効率的なマーケティングキャンペーンの実施を支援したと報告された。

Taobao と Tmall の成功は、競争力のある価格設定、多様なコンテンツ提供、そして AI テクノロジーによる戦略に起因しているという。2022年の祭典においても、経済的な課題や新型コロナの影響にもかかわらず、Taobao と Tmall は前年と同等の GMV を達成した。

中国の独身の日は、規模の大小を問わず加盟店にとって極めて重要であり、昨年の GMV は1兆人民元を超え、サイバーウィークの GMV の4倍以上に達したとされている。また、中国国家郵政局は、独身の日の期間中に速達便の取扱量が過去最高を記録したことを発表した。今年の独身の日は、消費者が価値を求める志向が強まり、45%の客が主に価値を求めていると回答した。

多くのブランドが値下げ商品を提供し、ライブストリーミングも導入され、FILA などが専用チャンネルを開設して注文数を伸ばした。Taobao と Tmall は AI を使ったカウントダウンガラやライブストリーミングを通じエンタメ性を豊かにし、消費者の参加を促した。Alibaba Cloud(阿里雲)は AI ツールを提供し、加盟店は15億回以上これを利用して効率的に準備したという。

<参考文献>

JD.com(京東)、Apple 製品、折りたたみスマホの売上が前年比3倍以上に

JD.com(京東)のライブストリーミング販売。
Image credit: JD.com(京東)

JD.com(京東)は2023年の「独身の日」プロモーションで、過去最高の流通総額(GMV)、注文量、ユーザエンゲージメントを達成し、記録を塗り替えたと発表した。JD.com のこの年のプロモーションは、優れた品質と多様性を備えた商品を破格の価格で提供することで、企業のコミットメントを示すだけでなく、中国の消費市場の回復と成長を示した。

プロモーションのハイライトには、中国全土で3億8,000万人以上の視聴者を引きつけた「JD バイヤーによるライブストリーミング」があった。これを契機に、60以上のブランドが10億人民元(約208億円)以上の取引高を達成し、2万ブランド以上の取引高が前年比3倍に増加した。JD.com に新たに参加した店舗の注文量は5倍に増加し、ブランドの成長と消費者へのリーチに影響を与えた。

売上データのハイライトとしては、Apple 製品の取引高が100億人民元(約2,080億円)を超え、折りたたみ画面のスマートフォンの取引量が前年比300%以上増加したことが挙げられる。また、さまざまなカテゴリでの取引高が前年同期比100%以上増加し、特にファッションブランドや新エネルギー自動車関連の商品が顕著な成果を上げた。

<参考文献>

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