ソーシャル語学学習のLang-8がサイバーエージェント・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資を実施

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ついにこのニュースを書く日がやってきたことを嬉しく思う。あるスタートアップが次のステージに進む。

ソーシャル語学学習サービスを世界219の国と地域で展開するLang-8は1月20日、サイバーエージェント・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。金額や払込日などの詳細は非公開としている。

Lang-8は現在73万人のユーザーがアカウント登録をしており、ユーザーの7割が海外からの利用となっている。Lang-8代表取締役の喜洋洋氏によれば、現在テスト中のスマートフォン向け新サービス開発に資金投入し、現在3名体制の運営チームに加え、新たに3名ほどの開発人材を追加して体制強化する予定だそうだ。

喜氏(彼をよく知る仲間たちは親しみを込めて下の名前のヤンヤンで呼んでいるのでこの呼び方はなんだかくすぐったいが)は京都大学の学生時代にLang-8の原型となるアイデアを思い付きスタートアップした「元」学生起業家だ。

一方で、産みの苦しみは相当つらく、この日がやってくるまで7年という時間を要した。彼の道のりについてはこのインタビューで書かせてもらった。しっかりと人々が納得できる数字を作るのがどれほど大変か、続けることの意味や本当にやりたいこととはなにか。彼には多くを学ばせてもらっている。

もうひとつ、今回の新しいステージを語る上で、彼を思う起業家仲間の存在を無視はできない。

「調達にあたっては、多くの方にアドバイスをもらいました。特にけんすうさん(nanapi代表取締役の古川健介氏)や松本さん(コミュニティファクトリー代表取締役の松本龍祐氏)、小林さん(連続起業家、元ノボット代表取締役の小林清剛氏)、原田さん(Peatix Inc.CEOの原田卓氏)などにはいろいろ教えて頂きました。

ただ、少ない人数で調達している時って、あまりよい反応が得られないと「もういいや、自分で作って結果出した方が早いや」って思いがちだったんです」(喜氏)。

資金調達している頃の彼とは度々話をしていたので、この頃の様子がよくわかる。彼は、学生起業してからずっと少ない人数で頑張ってきたので、なんでも自分でやってしまう癖がついていた。そういう生い立ちがそういう思考にさせたとも思える。

転機はやはり今、参加してくれている2人のメンバーだろう。Lang-8が徐々に成長して少人数であれば運営費を稼げるようになったことも大きいと思う。喜氏はこう続けた。

「去年の7月頃に調達を再開したんです。今までと違って手応えはありました。そして9月頃にクラウドワークスの吉田さん(代表取締役の吉田浩一郎氏)と話した時、彼は調達にあたっては全てのベンチャーキャピタルなどを回ったと教えてもらい、これまでの考え方を少し変えたんです。

Qiitaの横井さん(Increments取締役の横井孝典氏)のアドバイスも私を変えてくれました。私、どちらかというと数字やロジックを大切にしたいので、根拠や仮定を説明してたんです。けど、彼に言わせれば、そんなんじゃない、もっと自信を持って話をするんだって言われて」(喜氏)。

喜氏と話をすると、運営しているサービスは壮大なのに、最低限を見積ろうとするきらいがあった。少ないメンバーで運営しつづけてきたのもその現れだ。でも、本当に世界観を変えるようなサービスはそれでは生まれない。

周りの友人や先輩起業家が彼を思い、アドバイスを出し続けた結果この日がやってきたと思うと、日本の起業環境の成長を感じないわけにいかない。

今回のリリースではまだ触れられないが、彼らが現在準備している新サービスはLang-8の正当進化といってよいものだ。実際に私も見せてもらっているが、コンセプトがよいだけに楽しみでもある。またこの件についてはお伝えできるタイミングで書かせていただこう。

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