テラモーターズとアジアの電動バイクの展望

Tech in Asia by Tech in Asia on 2013.3.13

【原文】

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筆者は、長編ドキュメンタリー「Revenge of the Electric Car」という番組が大好きだ。この番組はTeslaの取り組みにも見られるような、電気自動車の再起をテーマにしている。だから、林信吾氏に会った時、私は本当に嬉しかった。同氏はテラモーターズ・ベトナムの代表取締役社長だ。

テラモーターズはアジア市場向けに一般向けおよびハイエンドの電気バイクを製造している。そのほとんどが日本とフィリピン向けで、最近ではベトナム向けにも製造をしている。

同社は2010年4月に徳重徹氏によって設立された。徳重氏はシリコンバレーで働いた後、ソニーやヤマハなどの大手テクノロジー製造企業が海外展開したように、グローバルな展開のできるスタートアップを築くという夢を抱いて日本に帰国した。

同氏は、事業開始に800万ドルを準備し、林氏のように若くてエネルギッシュな人材や、ホンダ、スズキ、ヤマハから経験豊かなエンジニアを雇った。また、Appleの元バイスプレジデントや、ソニーのCEO、GoogleジャパンのCEO、McKinsey社のパートナーなどの株主を集めた。これらの人が周りにいれば、テラモータズが破産することはないだろう。

だが、成功をもたらす本当の要素は情熱だ。徳重氏は、わずか15人の社員でごったがえす、東京の小さなオフィスを案内しながらこう語った。

「私たちは大きなオフィスにお金を費やすかわりに、バイクの開発にそのお金を投入しています。」

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林氏は、以前そのオフィスの床で寝ていたと言う。そして、同チームは一生懸命に営業に取り組んだ。その甲斐あって、テラモーターズは2011年までに日本の電気バイク市場を牽引するようになり、2012年までには市場の40%を確保していた。15人の社員について?彼らによって月1000台の電気バイクを生産している。

そして、2012年の中頃までに、徳重氏は2人の社員をフィリピンとベトナムに派遣した。

フィリピンでは、フィリピン政府とともに取り組んで、今後の5年間で10万台のバイクを生産することを目指している。フィリピン当局は5年前、たくさんの排気ガスを出すトゥクトゥクに取って代わることを期待して、新しくて安価な中国製の電気バイクを導入した。だが数か月も経たないうちに、中国製の電気バイクは壊れてしまった。そこで、テラモーターズがフィリピン政府のために質の良い三輪自動車を作ろうと、同市場に参入しつつあるのだ。林氏はベトナムの例を取り上げ、同社が今年9月にベトナムで工場を開設する予定であることを述べた。

「ベトナムでも、中国製の電気バイクで同じようなことが起こりました。2006年、電気バイクの販売は大きく伸びました。中国製電気バイクは300ドルから500ドルと安いのです。ですが消費者は、ほとんどが学生ですが、バッテリーが古くなり、それらの電気バイクでは2人乗りが安全ではないことに気付いたのです。消費者がバッテリーの切れたバイクをそのまま使い続ければ、数か月後にはただの自転車となります。」

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そういったことから、テラモーターズは「ハイエンドな電気バイク市場に参入し、価格帯の低い市場を避ける」という戦略を最初にとったのだ。

「当社がベトナム市場に参入したのは、ベトナムの人たちはバイクが大好きだからです。中国はリスクが大きすぎるし、インドネシアは大きすぎます。タイでは需要が車に移行しつつあります。また、ベトナム人はスクーターやバイクに多額のお金をかけます。ヴェスパ(Vespa)が生まれた国イタリアでは、イタリア人の同僚がベトナム人がバイクに3,000~5,000ドルも費やすと聞いて驚いていました。

ベトナムでは、良いバイクを持つことがステータスの象徴となります。ですから、当社がベトナム参入する時には、裕福なセレブをターゲットにした5,000ドルくらいの高価で豪華な電気バイクを市場に出そうと思ったのです。そして私たちは、電気バイクに関する消費者の認識も変えなければなりません。」

林氏は、それによってベトナムの顧客が躊躇することはないと自信満々だ。最終的には、同氏の言う通りだろう。

「ガソリンの価格が高くなっていますし、ベトナム人は新しいテクノロジーに非常に高い関心をもっています。経済状態が悪くても、当社は大きな市場をつかむことができると思っています。」

そして、同氏がどうしてそう思うのか私には理解ができる。最初の電気バイクは途中で充電することなく、最大で60キロの走行が可能で、デザインも美しく、どんなコンセントでも充電ができる。そして、ドライバーはスマートフォンをバイクのダッシュボードに接続して、スピードやバッテリーの消耗、その他の関連データを追跡することができる。

テラモータズがその次に市場に導入するのは安価なモデルで、価格帯はおよそ1,500~3,000ドル、1回の充電で40キロの走行が可能なバイクだ。これらの2つのモデルは遠出をする必要のない都会に住む人をターゲットにしている。もし遠出をしたいと思ったら?と尋ねると、林氏は次のように答えた。

「そうですね、当社はバッテリー技術を高めようと常に取り組んでいます。また、100キロ以上の走行が可能で、価格帯が1,500~2,000ドルほどのハイブリッドバイクを開発することにも目を向けています。そうすれば、町中ではバッテリーを、地方ではガソリンを使ってバイクに乗ることができます。今のところ、ハイブリッドのバイクを販売している会社は1つもありません。」

徳重氏の夢は、日本のハイテク技術を活用して大きなグローバルビジネスを構築すると同時に世の中を変えることだ。同氏はテラモーターズを「電気バイクのiPhone」、もしくは、おそらくもっと適切な表現は「電気バイクのTesla」にしたいと思っている。そして、私はそれに大賛成だ。煙たい街にはもう住みたくない —— 健康に悪いから。そして、アメリカのエネルギー省が現状の5倍のパワーを持つバッテリー開発に1億2,000万ドルを注入していることからも、電気バイクの将来に可能性はあるかもしれない。

中国の広州を訪れた友人が、電気バイクしかない街が中国にはあって、その街の空気はきれいなのだが、電気バイクが自分の方に向かって走ってきていても音が聞こえないのが唯一の問題だと言っていた。そんなことは、私に言わせれば大した問題ではないのが。

情報開示:筆者はTeslaの大ファンで、アル・ゴア氏や世界中の環境保護主義者の取り組みは熱心にチェックをしている。なので、私が少し熱狂的すぎた感があった場合はどうか許してほしい。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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