Gunosyは単なるニュースアグリゲーターではないーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(前半)

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2013.11.5

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ニュース系テクノロジー・スタートアップの戦いが熱い。各プレーヤーはそれぞれの特徴を打ち出しつつ、経営戦略でも経験者の投入が相次ぐなど、徐々に大人の戦いへとステージを移しつつある。

そしてこの「手のひらの中の覇権争い」を牽引するのがSmartNewsとGunosyだ。起業から売却、個人投資家と歩みを進め、そして今また起業の現場に戻ってきたGunosy共同代表の木村新司氏にGunosyの本質、新たに開始した広告事業、そして起業家としての「次の狙い」を聞いた。(聞き手:筆者、話は全て木村氏)

「現場」復帰

TB:まずはスタートアップの現場におかえりなさい。

ちょっとずつ忙しくなってきてますね。大きな組織へ規模を拡大してどんなことができるのか、経験できたことはよかったです。

TB:Gunosyの共同代表になりましたね。

実はGunosyがリリースされた日に使い始めてすぐに「これは他のレコメンドテクノロジーと違う」って気が付いたんです。それでfacebook経由で福島さんを紹介してもらって食事に行きました。

で、最初に会って話した内容は「名前を変えよう」だったんですけどね(笑。

CVRが平均10%ーー始まったGunosy Adsとコンセプト

TB:Gunosy Adsへの反響が大きかったですね

想像以上でしたね。CTRもそうですがCVRも従来型のアドネットワークに比較して10倍ぐらいのパフォーマンスなんじゃないかな。facebookがもしかしたら近い数字になる可能性もありますけど、今後はボリュームもしっかりと出るようにしようとさらに改良を重ねますよ。

TB:木村さんが考えるGunosyの広告とはどういうものでしょうか。

スマホ・メディアでの広告っていうのは「邪魔」だったりするじゃないですか。今回のGunosy Adsというのはスマホ広告に対する課題へのひとつの答えだと考えてます。

広告はやはりコンテンツの一部になるのがベストだと思うんですね。それで、その前提としてどうやってコンテンツと人が出会うべきか、という問題があるんです。音楽、書籍、情報、ありとあらゆるものがデジタル化する時代に、この狭い画面と人がどうやって効率的に出会うべきか。そのためにはやはり技術が必要なんです。

TB:アトランティスでもアド・テクノロジーについて取り組まれてきましたが、そういったものとGunosyでの取り組みではどういう違いがあるのでしょうか。

Gunosyはディマンド側(注:広告主側、枠を買う人)とメディア側のちょうど中間点に存在して、メディアの代わりにユーザーの情報を切り分けてディマンド側に教えてあげることができるんです。

DSPもSSPもまだまだ発展途上です。現時点でディマンドサイドは安く効率的な購入が可能になってきました。一方でメディア側は読者の属性データを十分に出せてないため、ただただ効率よく切り取られていくばかりになってしまっている。

(今回のGunosy Adsの高パフォーマンスは)本来はSSPがDSPにもっとしっかりと情報を出せば「安く買われる」ということがなくなるんだ、という証明のようなものだと思ってます。

メディアの提供するニュースから人の興味が理解できる立ち位置ですから、ニュースサイトを持っているメディアに代わって最適な広告表示をしたり、という可能性はありますね。

TB:従来アトランティスでは第三者配信でメディアに最適な広告表示を提供していたわけです。今度はスキームを変えて、積極的に情報の再構築をすることで最適な広告の表示を可能にしました。ただ、それだとユーザーとの会話が必要になってきますね。

(このスキームが成立するためには)Gunosyがユーザーのために働いているという信頼感が重要と思っています。適当な広告を適当に表示する、というのでは関係は構築できません。ひとりひとりのユーザーに対してプログラムがコンシェルジュとして働いているか、生活のための情報を提供しているか、そこが重要になると考えてます。

Gunosyとは一体なんなのか

TB:Gunosyって一体何者なんですかね?

Gunosyが現れたのは時代の流れなんです。PCにさわってた頃、それは家やオフィスといった場所にいる時間でした。今はどうでしょう、スマートフォンがあれば場所に縛られずずっとインターネットに接続ができるようになってしまったんです。

家やオフィスといった場所でのインターネット接続は主に目的がありました。つまり検索です。

しかし、そこから解放されて圧倒的に長時間繋がるようになってしまったため「目的のないネット接続」という新しい時間が生まれたんですね。

TB:なるほど。

Gunosy(グノシー)

そこで成長したのがソーシャルです。でもこれは人的で効率が悪い。重複した情報がスパムのように流れてきます。この次なんです。「目的がないけど興味がある」、そういう未知の情報が必要とされるようになったんです。

みんなはタイムラインで時間を潰しているようにみえて、この目的がないけど興味がある情報を探しているんです。その文脈でもっと効率のよいエンジンが必要になった。それがGunosyです。

なので、ニュースアグリゲーションというのは違ってて、目的のない時に、Googleのように人と情報を繋ぐ存在、それが答えになるんだと思います。

TB:ディレクトリ構造からクエリ検索、Amazonのようなレコメンド、そしてソーシャル、その次、というイメージ。

イメージとしてはGoogleよりはYahoo!だと思っています。ディレクトリ構造ではユーザーは無目的な時間を持っていても探すことはやはりできない。どうやって表に情報を出してタイムラインを作るか、ということになるんですが、当然並べればいいってもんでもない。数や絞り込み、コントロールが必要になるんです。

TB:Yahoo!の最適化というのは大きなキーワードですね。

(国内のヤフーも)やると思いますよ。今は事業的な課題から移せないのかもしれませんが、米国のYahoo!はすでにタイムラインを導入してますしね。ただ、推薦という意味ではいかにユーザーデータを持っているかということが重要になりますよね。ゆるいソーシャルグラフがないとつまらなかったりしますし。

ーー競合との戦い、起業の現場に復帰した木村氏の想いとは。後半は明日公開。

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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