藤田ファンドが知育領域にも出資、スマートエデュケーションが約5.5億円を資金調達

by Junya Mori Junya Mori on 2014.2.17

知育アプリの開発を行うスマートエデュケーションが、2014年2月12日付で、サイバーエージェントとインフィニティ・ベンチャーズの2社を引き受け先とし、約5.5億の第三者割当増資を実施したことを本日発表した

スマートエデュケーションは、シリーズBでは3.5億円を調達しており、それ以来の資金調達となる。サイバーエージェントは前回のラウンドでも出資を行っている。

知育とスマートデバイスの市場を開拓してきた同社の動きについては、昨年10月に本誌でも紹介した。その際に触れた同社が提供するアプリのコンテンツ課金から月額課金へのシフトについてや、海外展開も順調に進んでいる。

そのスマートエデュケーションに出資を決めたのが「藤田ファンド」だ。

”藤田ファンド”が出資

昨年10月1日より、サイバーエージェントは本社内に「投資事業本部」を設置し、ミドル・レイターステージを対象に出資を行っている。スマートエデュケーション代表の池谷大吾氏は今回の出資について、

スマートエデュケーションのアプリを利用しているユーザの属性は、アメーバのユーザ属性に近い。そのため事業面のシナジーはゆくゆく出していけると考えています。

それ以上に、企業づくりの面が大きいと考えています。サイバーエージェントは、株主も従業員も顧客も満足してる会社。スマートエデュケーションもそうした企業にしていくためのアドバイスがもらえることが大きいですね。

と語っている。元・シーエー・モバイルであり、サイバーエージェントグループの出身である池谷氏は、藤田晋氏の存在についてこのように語ってくれた。

弊社への出資は、藤田さんだからこそできる出資だと考えています。市場も応援してくれるし、良い領域ではありますが、大きく儲かる領域ではありません。その領域に取り組む私たちに対して、「5〜10年後きっと伸びるから頑張れ」と言ってもらえるのは励みになります。

海外展開が順調なアプリたち

昨年海外向けに立ち上げたアプリのブランド「Gocco」は、海外での数字を伸ばしている。海外での数字が伸びたこともありスマートエデュケーションが提供するアプリの累計ダウンロード数は、現在640万ダウンロードとなっており、700万ダウンロードも間近だという。2014年中には国内と海外のダウンロード数の比率は半々、累計ダウンロード数は1000万になることを見込んでいる。

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Google PlayやApp Storeからフィーチャーされ、ギアが変わってきました。最近出した「Gocco Fire Truck」はランキングでも上位に食い込んでいます。

これまでは日本テイストだと言われ、世界には受け入れられませんでしたが、世界に向けたブランドGoccoを立ち上げ、世界テイストに合わせたアプリは成果がでています。

この調子でいけば、スウェーデン拠点の「Toca Boca」など、他のプレイヤーに一気に追いつけるのではと考えています。

こちらはAppleからフィーチャーされ人気となっているアプリ「Gocco Fire Truck」の映像だ。



現在、同社が提供する海外向けのアプリはアプリ内課金でマネタイズを実施している。今後、これを国内と同様に月額課金制にシフトさせていく方針だ。これがうまくいけばダウンロード数でも、売上でも数字が大きく伸びることも考えられる。

業界のパイオニアとして

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スマートエデュケーションは、ただアプリを開発して提供しているだけではない。昨年11月には教育関係者らと策定した「乳幼児の適切なスマートデバイス利用に関する「5つのポイント」」を発表するなど、乳幼児のアプリ利用の適正な環境整備にも注力している。

乳幼児のスマートデバイス利用について、よくお問い合わせをいただきます。人は突然親になります。初めて親になると、どうやって育てたらいいのかわからず、不安の中で過ごすことになります。積極的に提言を出していくことで、母親の方々が迷ったときに見てもらう場所を作っていきたいと考えています。

教育カリキュラムの共同開発

スマートエデュケーションが提供している知育アプリ「おやこでスマほん」は、今年の1月には約250か所の幼児教室にiPad教材として導入されることが発表されている。

同社はスマートデバイスと知育アプリを、絵本などの位置づけに持っていき、教育を変えたいと考えているという。

将来的には1人1台デバイスを持ち、それを活用して教育が行われるようにしていきたいと考えています。お絵かきアプリなどは自分が描きたいものを描くためにはルールを理解し、その通りに絵を描いていく必要があります。これはプログラミングやロジカルシンキングの要素と変わりません。

デジタルクリエイションのカリキュラムを整備し、子どもたちにお絵かきアプリを通じた教育を提供することで、ITを武器に、ITでモノづくりが可能な子どもたちを育てていきたいと思っています。

子どもたちは絵を描き、それをシェアすることで違う国の子どもからの反応にも触れることが可能になる。

コミュニケーションをとるのに、国境なんか関係ないんです。そう子どものころに体験してもらいたい。私たちは「地球人を育てる」、そういうつもりでやっていきます。

そう池谷氏は語る。教育カリキュラムの開発はマニュアル作りと効果検証を2014年かけて行い、2015年から販売を実施する予定だという。

目指すビジョンに向けて一つ一つのことを実現させてきたスマートエデュケーション。今回の出資を受け、さらにその動きは加速していく。

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