地方独自の課題解決や研究開発で世界に発信を!全国Startup Day in 関東

by Eguchi Shintaro Eguchi Shintaro on 2014.11.11

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部と開催してきた同イベントは、今回は関東(東京除く)エリアによるスタートアップたちのピッチが、埼玉・大宮で行われた。

ここでは、まずは賞を受賞したサービスを紹介する。

テコ:電動バイクTeco

オリジナル開発の専用リチウムバッテリーをもとに、電動式の業務用バイクの販売を行っている。現在、多くのビジネスバイクがスーパーカブなどのものを利用しており、オプション品などによる装着でハイブリッド化ができ、電動にスイッチすることもできる。企業の利用用途にあわせて車両設計を行うなど、ニーズにあわせた車両の提案を実施。

海外製品の体制を確立し、販売網の充実を図る。

C&T:緊急通報アプリ、スマート医療通訳

代表の瀧澤氏自身が、かつて心筋梗塞で倒れ、九死に一生を得たことから、医療の実際の現場においていかに人の命を救うことができるのか、を自問自答したという。もともとインベーダーゲームなどの開発やシステムエンジニアとして働いていた経験からサービスを開発した。

遠隔医療通訳の仕組みをサービス化したのが、「スマート医療通訳」だ。スマホで通訳のコールサービスを使い、海外などでも自身の病態を伝えることができる。あわせて、医療通訳育成セミナー教育なども行い、医学の基礎知識を学ぶ場を提供。難解な医療に関する単語や知識などを勉強した人が、自宅でテレビ電話などで通訳ができるような仕組みを作っていくという。

現在、開発に取り組んでいる途中で、年内にはリリース予定。多言語対応など誰もが利用できるサービスを目指す。

インゲージ:Re:lation

企業のクレーム対応によるコストが増大している。クレーム対応による機会損失を防ぐため、既存のメールシステムだけではなく、顧客とのリレーションをうまく行う方法として開発したのが、Re:lationだ。

Re:lationは、複数のメンバーがそれぞれのIDでメールにアクセスでき、担当者の振り分け機能によって対応漏れを防ぐことができる。また、各送信者とのやりとりをすべてタイムライン表示化することで、特定のトピックのみならず過去にまでさかのぼってやりとりを確認することができる。また、TwitterなどのSNS上のアクティブサポートも行い、炎上対策にも対応することができるという。問い合わせやクレーム対応に取ったしたメールサービスだ。

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また、今回受賞は逃したが、登壇したスタートアップは、以下のとおりだ。

みんなの思い出.com
普段の園児たちの様子をプロのカメラマンや保育士が撮影した写真を即日購入ができるサイト。保育士がアップしたものを現像・仕分けを社内で内製化し、サイト掲載を行う。すでに2年間で400箇所の保育園と契約しており、保育園の要望に対して一件毎にカスタマイズを行い、サービスの質を向上させている。

everevo、EventCreate
イベント管理のeverevoを運営しており、everevoはすで登録ユーザ10万件を超えている。そこからビジネス向けに特化した、参加フォームサービスがEventCreateだ。名簿管理やVIP来場確認など、ビジネスイベントの現場におけるホスピタリティを向上させるための機能が備わっている。

fukule
服作りのパターンのデータ提供や裁縫用の資材販売、ミシン・洋裁道具のレンタルなどを販売するサイト。パターンを必要としている人たちに対してさまざまなパターンを提供し、そのパターンで作ったものをfukule内にアップロード。外部SNSによる拡散などから実際の服が購入されたときには、ポイントの付与を行うなど作り手をサポートする仕組みを用意している。

Leddy 
元ブロガーが立ち上げたウェブメディア。日本のブランドやメーカー、工場の価値を伝えるライフスタイル情報を発信する。

pococa! 
スタンプ、ポイント、グループスタンプ設定を導入できるO2Oプラットフォームサービス。O2Oによって売上があがって初めて広告費が発生する成功保証型のサービス。

インフォキューブLAFLA
O2Oの位置情報解析エンジン。GPSとiBeaconなどを使い、リアルにマップに位置をプロットする。まずは工場や商業施設におけるスタッフ導線の最適化を図るためのサービスを提供するなど、クライアント毎にカスタマイズを行ってサービスを提供する。

iPhone Trick Cover、くるみる 
金型メーカーで、2年前にヌンチャク型iPhoneケースの開発資金調達をCAMPFIREにプロジェクトを掲載したところ、100万円以上を集めた実績をもつ。現在は、iPhoneを使った3D-360°フォトスタイルサービス「くるみる」などを開発している。

全国Startup Dayのこれまでを振り返って

これまで、大阪や札幌、中部などさまざまな起業家のプレゼンを見てきたサムライインキュベートやトーマツベンチャーサポート、さらに審査員やパネルディスカッションに登壇したVCの方々に、これまでの全国Startup Dayについて話を伺った。

彼らがまず答えたのは、地方でも面白いサービス開発に取り組んでいる人は多い、という点だ。

独自の研究開発やその地域ならではの課題解決のために取り組んだサービスをきっかけに、新しい事業の可能性へと展開できるというものだ。特に、地方の大学の研究室や高専などは優秀な人材の宝庫でもある。そうした人たちとの距離が近いことは、優位性を保つひとつのきっかけとなる。また、福岡市のように行政が率先して支援を行う自治体など、産官学がうまく連動しあうことができれば、起業家に対してさまざまなチャンスを与えることができるのではないだろうか。

地方都市において中規模な市場がある分野では、競合優位性がなかったり東京のプチタイムマシン経営で利益を上げることができてしまうことが、急成長を妨げたりサービス開発のリサーチ不足にもつながったりすると指摘する。東京や都市部、世界で起きている出来事や情報に触れ、徹底的にリサーチするクセを付けながら、自分たちの優位性を確立することを常に考えておく必要がある。

東京は、人の多さが生み出す多様性とスピード感が特徴といえる。反対に、地方は密度の濃いネットワークと独自のアイデアを醸成し、かつ、短期ではなく長期的な視点で取り組むことに向いているのでは、という。そのためにも、普段から起業家やエンジニア、デザイナーなどが集いコミュニティを作り上げ、互いにサポートしあう関係を作ることが必要だ。東京は、普段からベンチャーコミュニティ内におけるやりとりが活発で、かつスピード感があることによってブラッシュアップを図ったり事業の創発、コラボレーションを生んだりする機会を作り出している。東京に限らず、地方でも起業家コミュニティ、スタートアップコミュニティを作り上げていくことが重要なのだ。

全国Startup Dayは、残り九州、中四国、東北、そして3月には全国でグランプリに輝いた起業家たちによるファイナルプレゼンが行われる。全国のさまざまなスタートアップたちが互いに切磋琢磨しあい、成長していく様子を引き続き追いかけていきたい。

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