18億円調達の FOLIO、テーマ投資+ロボアドバイザを武器に「誰でも資産運用できるオンライン証券会社」の今春開業を目指す

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2017.2.1

写真:FOLIO 代表取締役の甲斐真一郎氏(昨年3月筆者撮影)

テーマ型投資とロボアドバイザーの組み合わせによる資産運用サービスを現在開発中の FOLIO(フォリオ)は2月1日、第三者割当増資の実施を発表した。引受先となったのはジャフコ、マネックスベンチャーズ、三井住友海上キャピタル、Rakuten FinTech Fund および既存投資家の DCM Ventures、Draper Nexus の6社で、調達金額は総額18億円。株式比率や払込日などの詳細は非公開で、2016年3月に実施したシードラウンド(約3億円)に続いての調達となる。同社では今春リリース予定のプロダクト開発に関わる人材採用やマーケティング等の費用に充てるとしている。

さて、昨年よりステルスで準備が進んできた新たなオンライン証券の姿形がようやく見えてきた。

同社は外資系証券会社のトレーダーだった甲斐真一郎氏らが、高度な金融リテラシを必要とする資産運用をテクノロジーの力でより身近にしたいと2015年12月に創業したいわゆるフィンテック系スタートアップ。FOLIO が取り組んでいるのはテーマ型の個別株投資とロボットアドバイザーによる資産運用の2点で、それぞれに第一種金融商品取引業と投資運用業の事業免許が必要となる。

甲斐氏の説明によると現在は登録申請が受理された状態で、登録が完了すれば今春にはオンライン証券会社としてサービスインできる見通し。報じている日経によれば、金融商品取引法の登録制に移行して以来約10年ぶりの国内株式を扱うネット証券誕生になるという、なかなか痺れる案件だ。

現在開発中の FOLIO 画面イメージ

現在開発中の証券プラットフォームを実際に拝見印象を一言で言うと、とにかくかんたん。ユーザーはずらりと並んだテーマから気になるものをカートに追加するだけで投資ができてしまう。上級者は購入時に個別株の購入比率を変更することもできる。

テーマ型投資の概念自体は特に目新しいものではないが、例えば「自動運転」や「東京オリンピック」といった時事に左右されやすい話題でも、各企業の業績など各種データを元にした独自アルゴリズムでさっと主要な有望銘柄を選定し、即時的に提示ができるようになっていた。

甲斐氏の説明では「アルゴリズム6割、人の手4割」ということで最終的には人の手でチューニングするとのことだったが、それでもトレンドの移ろいやすいテーマを量産できる仕組みは「今っぽい」印象があり、また、テーマを一般から募集するような参加型の手法はこれまでにない新たな世界観を生み出しそうだ。

なお、投資はひとつのテーマに対して10万円から開始することができる。

このようにして自分の趣味にあった投資を楽しめる一方、完全にお任せで資産運用してくれるのがロボ・アドバイザーだ。個別株への投資よりもリスクを抑えた形で投資リターンを期待することができるプロ水準の運用を提供してくれるということで、このテーマ型の投資とロボット運用の二つのバランス、さらにそれを視覚的に実現してくれるユーザーインターフェースがこの FOLIO の特徴と言えるだろう。

「投資が簡単であることはもちろん大切なのですが、同時に熱量のようなものがなければやはり金融についての知識や意識って上がっていかないと思うんです。全部おまかせよりは、みんなで楽しみながら世の中の金融リテラシを上げられる、そういう証券会社を作りたいと考えています」(甲斐氏)。

簡単に楽しみながら資産運用ができるというビジョンが明確な一方で、やはり投資は投資であり元本割れリスクは当然ながら伴ってくる。テーマ設定によっては射幸心を煽るような場面にも遭遇しかねない。この点について甲斐氏は「相当に慎重に考えている」とした上で、社内コンプライアンス等の整備を重要視していると話していた。

今年は本当にフィンテック関連が面白い。日本の岩盤と言われるタンス預金をテクノロジーの力で動かすことができるのか。まずは彼らの無事の開業を祈ることにしよう。

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