eスポーツスタートアップに投資しているのは誰か?

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.11.25

Stephen Hays 氏は Deep Space Ventures のマネージングパートナーである。同社はベンチャーキャピタルファンドであり、e スポーツと B2B SaaS のアーリーステージの投資に特化している。


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ポーランド・カトヴィツェで行われた ESL e スポーツ大会の Counter-Strike: Global Offensive 決勝戦.
Image Credit: ESL

以前にも『The Birth of a Venture Capital Investment Thesis(ベンチャーキャピタル投資理論の誕生)』と『Why Invest in Esports(e スポーツに投資する理由)』の記事で書いてきた通り、e スポーツ市場は巨大で、ユーザのエンゲージメントが非常に高く、そして天文学的なペースで成長している。この業界で優れたアイデアを持った素晴らしい設立者にとって、アーリーステージの投資家たちに並ならぬリターンを生み出すビジネスを構築する絶好の機会だ。

では、e スポーツのスタートアップには具体的に誰が投資しているのだろうか?この質問の答えを見出すために投資家のリストをまとめたところ、驚くような発見がいくつかあった。

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複数の e スポーツに投資している e スポーツ投資家は16%にすぎない

e スポーツのスタートアップへの投資家として、ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、アクセラレータ、企業(戦略投資家)など388組を見つけることができた。これら388の投資主体のうち、ほとんど(327組、つまり84%)はe スポーツへの投資を1度だけ行っている。アーリーステージの投資家が何らかの理由でメインのビジネス以外の領域に投資し、1度限りの取引で手を引く場合は数多い。そのため、1度限りの投資家は真の「e スポーツ投資家」とは呼べないだろう。

リストに挙げた投資家の16%(388組のうち61組)は、2社以上の e スポーツのスタートアップに投資している。これらの投資家の中には、注目に値するものもかなりある(リストの完全版は私のサイトに掲載している)。複数の e スポーツのスタートアップに投資している投資家には、エンジェル投資家とアクセラレータも含まれる(500 StartupsY Combinator などの著名アクセラレータも見られる)。多くの場合、エンジェル投資家は大手ベンチャーキャピタルのパートナーである。ラウンドの額が膨らみ、最小投資額がエンジェルの出資可能額を超えた段階で、ベンチャーキャピタルが出資を引き受けることになる。

投資家の出身地域は?

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e スポーツの投資家の出身地域は?

この領域の投資家がどの地域の出身かを調べてみたが、結果はそう驚くべきものではなかった。カリフォルニア出身の投資家が多くを占め、次いでニューヨーク、そしてヨーロッパとなっている。なお、e スポーツ市場では中国、韓国、日本などが大きな割合を占めるため、筆者はアジア地域がより大きな存在感を示すと予想していた。

388もの投資家がこの領域に存在するという事実は大変なインパクトがあり、誰も彼もが e スポーツの分野に乗り出しているようにも思える。しかし私が目にするラウンドの中には、時として応募者過多であったり、競争が激しすぎたりするように感じられるものもある。最も、現時点では、この分野は投資家たちにとって多くの機会を秘めているというのが私の見解だ。(特にアーリーステージのスタートアップへの投資と、業界の知識を備えた投資家らにとってはおそらく好機だろう。)この領域に定期的な投資を行っている機関投資家がまだ存在しないためだ。

最も活発にeスポーツに投資しているベンチャーキャピタルは?

e スポーツに2度以上投資している投資家61組のうち、45組はベンチャーキャピタルだ。(残りの16組はエンジェルまたは戦略投資家である。)アクティブな投資家(e スポーツに2度以上投資している投資家)のリストをこちらに用意した。スタートアップ設立者や興味を持った方は、ぜひ参考にしていただきたい。もし欠落している企業があれば、連絡いただければリストを更新する予定だ。リストの作成は単調な作業だったため、何社か洩れている可能性は大いにある。(連絡先は記事末尾を参照いただきたい。)

最もアクティブなベンチャーキャピタルのリストは以下に掲載しているが、他にも e スポーツのスタートアップへの投資家について、Crunchbase で見つけることのできたプロファイルをまとめている(リンクはこちら)。リストの閲覧にはおそらく Crunchbase のアカウントが必要になる。

今後の展望

e スポーツの領域には、過去12〜18ヶ月ほどで投資家が集まってきている。業界のスタートアップや小さなチームなどに投資を行った投資家が400近いことを見れば明らかだ。これを受け、この領域のスタートアップは劇的に増加している。去年の今頃を振り返れば、資金調達を行っているアーリーステージのスタートアップは12社に満たなかった。本稿を執筆している週だけでも30社以上を新たに発見し、業界の「最新状況」をまとめたこのリストに追加している。今まさに資金を調達しようとしている企業は、おそらくそれ以上多く存在することだろう。

業界に流れ込む潤沢な資金は、諸刃の剣だ。一方では業界の立場や私たちの主張、そして早期からの投資の正当性を立証するものとなる。しかし他方で、出資者を見つけやすくなることから、ますます多くの会社の設立を促すバブルを生むことにもなる。スタートアップが生き抜き、そして成長できる確率の低さはご存知のことだろう。これは、この領域に進出する多くの投資家が資金を失うことを意味する。アーリーステージの e スポーツへの投資家を見つけることが私の仕事だが、ここ12ヶ月ではるかに難しくなっている。ますます多くの案件から厳選する必要が出てきており、また、取り扱われる資金の量も天井知らずの勢いで上昇しているためだ。

とはいえ、今回作成した投資家リストが、アーリーステージのアイデアをピッチしようと考えている設立者らにとって有益なものとなることを筆者は願っている。投資側の人間たちは皆、来たる巨大な e スポーツビジネスに取り組むべく、こうした設立者らと手を組みたいと切望しているのだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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