オンラインファッションD2C「Zilingo」、シリーズCラウンドで5,400万米ドルを調達——東南アジアのECサイト調達額トップ10にランクイン

by Tech in Asia Tech in Asia on 2018.4.8

Zilingo チーム. 共同設立者 Dhruv Kapoor 氏(左から2人目)、Ankiti Bose 氏(右から3人目)
Photo credit: Zilingo

ここ数年、東南アジアで誕生した e コマースサイトの一群の中で、ブランド認知、越境リーチ、ベンチャーファンディングを実現し、Alibaba や Amazon といった巨人企業に現実的に挑めるようになった企業はほんの一握りにすぎない。この階級に仲間入りした企業が生まれたようである。

南アジアと東南アジア一帯で消費者と中小独立系ファッションデザイナーを結び付けているオンラインマーケットプレイスの Zilingo は、ベルギーの投資企業 Sofina のほか、ドイツのメディア系コングロマリット Hubert Burda Media のベンチャー部門 Burda Principal Investments、アメリカを拠点とする VC 企業 Sequoia Capital のインドファンドが共同でリードするシリーズ C ラウンドで5,400万米ドルを確保した。

わずか7ヶ月前には、同スタートアップはシリーズ B ラウンドで1,700万米ドルを調達したばかりだ。Sequoia India のマネー人ディレクター Shailendra Singh 氏によれば、今回の直近ラウンドは、前回のシリーズ B ラウンドがクローズした数週間後には最終化した。

Zilingo 共同設立者兼 CEO の Ankiti Bose 氏が Tech in Asia に語ったところでは、新たな資金は、同社が主要な成長目標としているインドネシアでの事業展開の加速に活用される。さらにフィリピンなど他の有望な東南アジア市場への進出も目指すという。

この計画には、私たちが現在操業している ASEAN 市場に加えて、カンボジアやバングラデシュでの供給拠点拡大も含まれています。

また、小売店向けのディスカバリー、レコメンデーション、決済、アナリティクスといった分野に関連する最新サービス機能の開発にも投資されるだろう、と Bose 氏は述べた。

トップ10入り

この1年で収益が10倍に成長したとされる Zilingo はすでに、販売者に対し付加価値のある一連のサービスを提供しており、カタログ作成、マーケティングから物流、運転資金の調達に至る業務の手助けを行っている。

今回のシリーズ C ラウンドにより、同社がこれまでに調達した資金は8,200万米ドルとなった。主要な競合である Zalora が調達した2億3,800万米ドルには遠く及ばないものの、Tech in Asia のデータによると、今回の案件により Zilingo は、この地域で最も資金を集めた上位20のスタートアップに入っている。その総額は、シンガポールの総合 e コマースポータル Qoo10に相当する。

今回の調達を受けて、Zilingo は東南アジアで E コマースポータル領域で調達額9位、ファッション専門領域では、Rocket Internet が支援するスタートアップ Zalora に続いて調達額2位となった。

東南アジアにおける、E コマースポータル資金調達額上位10位

競合に不足はない

Zilingo が東南アジアで存在を増す上、潜在的競合に不足は無いだろう。競合のトップに君臨するのは Zalora だろう。Zalora はドイツのベンチャービルダー Rocket Internet が2012年に設立した、東南アジアに特化したファッション E コマースサイトだ。しかし、トップに君臨する Zalora のポジションは難攻不落のものではない。この数年間で、多額の損失を報告し、営業展開していた市場のいくつかからは撤退している。

2016年4月、Rocket Internet は Zalora のベトナムとタイの事業を売却したことを確認した。タイ事業については、タイの Central Group にわずか1,000万米ドルで売却されたことを示唆する報道もあった。Zalora は2017年2月、フィリピン部門の株式の49%を現地のコングロマリット Ayala に売却する一方、同時にインドネシア事業の切り離しの噂については否定していた。

撤退しているようにも見えるが、これらの動きは Zalora のバランスシートにはプラスの影響を与えているようだ。Rocket Internet の2016年度の最新年次報告によれば、Zalora はその年の売上を25.8%増加させており、その結果、EBITDA 損失を1年前の1億1,100万米ドルから6,780万米ドルへと圧縮に成功している。さらに、Zalora はフィリピン事業が現在では黒字化し、他市場でも近いうちに黒字化が見込まれるとしている。

この黒字化を継続させるには、個人的な理由で来月辞任予定の Zalora Group CEO Parker Gundersen 氏から、その任を引き継ぐことができる能力豊かなリーダーを Zalora は任命することが求められる。

事業者サービス

依然として堅調な Zalora に加え、タイの Pomelo Fashion、シンガポールのレーベル Love Bonito、インドネシアの Sale Stock など、Zilingo には競合となる、垂直統合されたプライベートレーベルのプラットフォームが複数存在する。

Rocket Internet が作った(Zalora 以外のもう一つのサイトである)Lazada のほか、 ShopeeQoo10 のような、より一般的かつカテゴリ横断の E コマースポータルから提示された課題もある。C2C マーケットプレイスの Carousell は、ファッション分野を含め短時間バイヤー/セラーのコミュニティの確立に注力し、Zilingo の領域へと侵しつつある。

それにもかかわらず、Bose 氏はこの部分にビジネス機会を見出しているようだ。

東南アジアにある大型の水平型マーケットプレイスにとって、ファッションが貢献しているのは全体売上の15〜20%ほど。我々にとって、ビジネス機会とやるべきことは明確だ。我々は、ファッションやライフスタイル分野で信用を築いており、それを勝ち取りたい。この業界には、収益性の優れたマージンと高い売上成長が期待できるからだ。

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Zilingo 共同創業者兼 CEO の Ankiti Bose 氏
Photo credit: Zilingo

Zilingo がこれらの競合他社と差別化し、優位性を保てる理由はそのビジネスモデルにある。そのビジネスモデルとは潜在顧客層を拡大するために、インディーズデザイナーからママパパ店まで、個人商店や小規模なファッション企業との協業に特化している点だ。Zilingo のセラーセンターは、こういったベンダーが自社製品をオンラインで販売できるよう、必要な言語と通貨でさまざまなサービスを提供している。

Zilingo は在庫管理、物流管理、支払管理、アナリティクス、トレンド予測などのサービスのホストを直接提供するほか、金融、保険、カタログ作成、コンテンツ、ソーシャルメディアなど、必要なニーズを満たすサードパーティのサービスにも事業者をマッチングしている。

Zilingo は、これらのサービスの多くを事業者に有料で提供し売上を上げている。Bose 氏は、これらのサービスがサードパーティのプロバイダから提供されているため、Zilingo としてはほとんど設備投資がゼロであると説明した。セラーセンターを使う事業者は、Zilingo のマーケットプレイス上で商品を販売する約束をする必要はない。つまり、これは Zilingo にとって、(Zilingo 以外の)競合プラットフォームで商品を販売する事業者と協業する可能性があることを意味している。

Bose 氏によれば、現在10,000以上の事業者が Zilingo のセラーセンターを使っているとのことだ。

これこそ、我々が他のオンラインファッション企業とは異なる点だ。そして、多くの点で相互補完にもなる。我々は事業者のエコシステム全体を進化させているだ。(Bose 氏)

B2B に賭ける

Zilingo は、事業者向けのサービスだけでは差別化には不十分と認識し、最近になって、ブランド大手との協業を展望した動きを見せている。昨年ローンチした Zilingo AsiaMall は、アジアのデザイナーによる衣料品を世界中のブリック・アンド・モルタルストアや小売チェーンに販売することを狙った、B2B の卸売事業だ。

B2B への賭けは賢明だったようだ。Bose 氏は、AsiaMall がZilingo の総売上の40%以上を占め、営業利益ベースで黒字化していることを報告している。

AsiaMall のコンセプトは、セラーの主な関心事が調達であることがわかったときに生まれた。彼らは複数の仲介人に騙されたり、税関や関税の複雑さを解決しようとする問題に直面していた。

我々はその上流に立って、セラーが調達する上での最良の機会を提供し、その後、本格的な B2B ビジネスに挑戦した。現在、Zilingo.com のセラーにもなり得るメーカー、サプライヤー、卸売業者、小規模事業者から供給を受けている。

前述した投資家に加え、Zilingo には Amadeus Capital Partners、Beenext、Beenos、デジタルガレージ、Susquehanna International Group(海納国際集団)、Venturra Capital、Wavemaker Partners、さらに、アメリカのベテランベンチャーキャピタリスト Tim Draper 氏や、IDG Ventures India Advisors の Manik Arora 氏が出資している。

状況は現在も進展中だ。最新情報を確認してほしい。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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