IfWeRanTheWorld CEO Cindy Gallop女史「競争を伴う協業こそが、これからのビジネスのあり方」

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

IfWeRanTheWorld(目標を定めて、ソーシャルに目標達成を支援するサービス)とMakeLoveNotPorn(ポルノと実社会の違いを教えてくれるサイト)のCEOであるCindy Gallopが、彼女の事業と広告分野の今後について語ってくれた。

Michael Bayのことを知っているだろうか?もちろん知っているだろう。e27は、アルマゲドンやパールハーバー、トランスフォーマーを手がけ、映画内で物を爆破することにかけては好評のこの伝説的とも言える監督と出会う機会をいまだ得ていない。

そのかわり、私たちはビジネス界のMichael Bayとも言われるCindy GallopDigital Mattersでお目にかかれる機会に恵まれた。Cindy GallopはIfWeRanTheWorldMakeLoveNotPornのCEOで、多くのカンファレンスやイベントで講演を行っており、広告業界でその名を馳せている。

TEDに掲載されている彼女のプロフィールを見ると、Cindy Gallopはリスクを負って広告業界に入り、それ以来リスクを背負うことをやめていない、と書いてある。彼女はイギリスで劇場の広報として働き始め、観客に「彼女ならエスキモーにさえ、氷を売ることができる」と言われ、広告業界への転職を勧められるまでこの仕事を続けた。4年後、ヨーロッパで急成長しているBartle Bogle Hegarty(BBH)に入社し、1998年には単身でアメリカに渡りBBHのアメリカ支社を設立した。アメリカに渡った4年後、BBHアメリカ支社はAdweekのEastern Agency of the Yearを受賞した。BBHで成功を収めた後、Gallopは新しい何かを始めるため、2005年に同社の会長職を辞任した。現在もコンサルタントとしてブランディングや広告の仕事をしているが、それとは別に独自の魅力的なプロジェクトも進めている。

Digital Mattersでの彼女の講演に感銘を受けたので、彼女が講演で話したポイントについて詳細が知りたいと思い、メールで話を聞いてみた。

「競争を伴う協業」についてもっと聞かせて下さい。またスタートアップとメディア業界がそれをどのように活用すれば前に進むことができるのでしょうか?

現在、多くの業界が「競争を伴う協業」をしています。それは、業界の誰もが同じ業界の他のすべての企業と競争しているということです。しかも、業界の皆がやっていることと全く同じことをして。私はビジネスの将来は「競争を伴う協業」だと信じています。この新しいビジネスのかたちは情報公開そのもので、企業がすることはすべてインターネット上で公表されることになります。この新しい情報公開という手法においては、企業は自社の事業内容を、世の中や同業他社に対してもっとオープンにしなければなりません。情報公開をおこない、ソリューションを共有し、市場の成長を促せば、市場全体を構築するチャンスが得られるだけでなく、ブランドや企業の社内には、自らの競争力を高めなければならないという、価値観や哲学をもたらされるようになります。そうすれば「上げ潮は、船をみな持ち上げる」という環境で、皆が繁栄することができるのです。

将来のビジネスモデルは、ユーザや消費者らと行動を共有して、ブランド/企業を活性化することだと話されていましたが、スタートアップやブランドは、これをふまえて、どのようにアプローチすればいいのでしょうか?

非常に簡単です。ブランドやスタートアップが、象徴しているものを明確にすればいいのです。何を信じているのか? 何が大事なのか? それらの価値をユーザや消費者に明確に伝えるのです。「自分達は何がしたいのか、自分達がユーザや消費者と一緒にやりたいことは何か」を自問してみて下さい。その価値観に従って行動し、何か消費者のためになること、社会や自らのブランドや企業のためになることをすべく、共に行動してくれるようユーザや消費者に呼びかけるのです。その行動は、あなたの価値観や、あなたの仕事の本質から生まれてくるものです。そうして、あなたの利益が増えれば、他の誰もがより多くの恩恵を受け、逆に他の誰もがより多くの恩恵を受ければ、あなたの利益も増えるということです。価値の共有+行動の共有=利益なのです。

IfWeRanTheWorldは、2年前のローンチ以来どのように成長しているのでしょうか?

ゆっくりと成長しています。まず、ベータ版として、テック分野で俗に「MVP(必要最低限の機能を備えたプロダクト)」といわれるものを2年前にローンチし、実際のテストと並行して開発を続け、実験として、少数精鋭のチームとともにブートストラップの作業をしています。また、IfWeRanTheWorldは、将来のマーケティング・プラットフォームとして私がデザインしていて、ブランドや企業ユーザの事業提案で推進させるビジネスモデルを取り入れています。講演で述べた理由の通り、昔ながらの企業に新しいシステム・プラットフォームを売り込むのは、時間を要するプロセスなのです。しかし、それを理解してくれる企業が増えてきています。現在では「良いビジネスをするために、ビジネスを上手くする」ことが、将来のビジネス像であると考える人が増えています。

マイクロアクション(ひとつひとつの行動)や、人々に行動してもらう上での最大の課題は、人々が適切なモチベーションを見出すことだと思います。IfWeRanTheWorldはどのようにこの問題を乗り越えたのでしょうか?

私は、IfWeRanTheWorldを「エモーショナル・ソフトウェア」と呼んでいます。これはテクノロジーと心理学を合わせたものです。つまりは、テクノロジーに、人の心理的な洞察や感情の変化など多くの要素を組み合わせたものです。私たちは行動を起こすことをものすごく魅力的なものにし、「行動ブランディング」を作ろうと思っています。「行動ブランディング」とは、「自らの行動に基づいて、自分の価値を測る」という、自己認識や自己表現のことです。ソーシャルで、魅力のあるものだと思います。個人向けの「行動ブランディング」も、ブランドや企業のための法人向け「行動ブランディング」も、あなたが価値観を持ち、それに基づいて行動していることをユーザや社会に示すことができます。すなわち、自分の発言に責任を持つということです。

iabrancetvCindy Gallopの講演Intervention Cindy Gallop MasterClass 15-11-11をチェックできる。

IfWeRanTheWorldとあなたの今後について聞かせてください。

進行中のIfWeRanTheWorldにはいくつか面白い展開が見られると思いますが、まだ公表する段階ではありません。開発とユーザ適応を加速化させる必要を感じています。また、一緒に行動ブランディングをやっていきたいブランドや企業を、引き続き探していきたいと考えています。独立慈善団体としてではなく、社会責任・将来成長・採算性を追求するビジネス組織として。すべてが変化した今日において、ビジネスの将来を再設計する役割の一端を担いたいと思っています。それが私とIfWeRanTheWorld の願いです。

【via e27】 @E27sg

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