モビリティとデータの未来へーーテラモーターズがスマホと連携する新型車を発表

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テラモーターズはアジア市場向けに一般向けおよびハイエンドの電気バイクを製造しているベンチャー企業だ。読者の方の中には、「テラモーターズとアジアの電動バイクの展望」と題した記事を覚えている方もいるかもしれない。

2010年4月に徳重徹氏によって設立された同スタートアップは、新たにスマートフォンと連携した新型車種「A4000i」の記者発表を実施した。

発表された新型車種、「A4000i」は、iPhoneとつながる機能を搭載したもの。電動バイクにスマートフォンを取り付けることで、燃費性能、走行経路、消費電力などが表示されるようになり、日本市場では特に宅配業者を中心に提供、配送の効率化を図ることが可能になる。テラモーターズでは、日本市場においては今後高齢社会になっていくにつれて、配送業が広がりを見せると考えており、この新型車種を用いて配送の効率化を可能にすることの需要があると見ている。

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「A4000i」は、現在のところiPhoneのみでの提供を予定している。これはプロダクトに対するイメージを重視しているからで、アジアの人々にとってテラモーターズの電動バイクを所持することがステータスだと思ってもらえるようなブランディングを意識しているからだという。日本での販売価格は45万円ほどを予定しており、アジアでも同程度の値段での販売を健闘している。これはアジア地域の人々にとっても、決して安くはない金額。テラモーターズは価格の競争ではなく、ブランディングによって販売をしていく方針だ。

中長期的には、スマートフォンを通じてデータを収集し、そのデータをビッグデータを扱うことを専門とした業者と連携しながら、新しいサービスを提供していくことを考えているという。ナビゲーション機能は現在のところ検討中で、先に機能を限定した状態で新型車を利用してもらってデータを収集し、情報が蓄積したところでそのデータを活用して新たなサービスを提供していきたいと考えている。

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GoogleによるiPhone、Android用の無料カーナビアプリを提供するイスラエルのスタートアップWazeの買収トヨタのビッグデータ公開など、モビリティとデータの融合の動きは加速している。

「A4000i」は、現在プロトタイプの段階、2013年の冬から量産化を予定している。2015年までに10万台を販売することを目標としており、現在はアジアの代理店を募集中だ。

EVベンチャーの先駆者といえば、テスラモーターズが思い浮かぶ。テラモーターズは、「今後アジアの市場において電動バイクにおけるテスラのようなポジションをとっていきたい」と語った。

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