オーストラリア発、期待のクラウドソーシングサービス5選

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オーストラリアのクラウドソーシングハブは一時的なものではなく、驚異的なスピードで成長している。いくつかその例を紹介しよう。

Alec Lynch氏は、ロゴ、ウェブサイト、印刷およびグラフィックデザインのサービスを提供しているオンラインマーケットプレイスDesignCrowd.com.auの設立者兼CEOだ。同マーケットプレイスは世界中のフリーランスグラフィックデザイナーやデザインスタジオへアクセスを提供している。

ここ数年で、オーストラリアはグローバルなクラウドソーシング拠点となった。この拠点は、オーストラリアの未来学者であるRoss Dawson氏によって2010年に定められた。それ以来、オーストラリアのクラウドソーシングは確かな実績とともに成長を続けている。

オーストラリアのグローバルクラウドソーシングハブの基盤は、世界で展開している多くのオーストラリア発クラウドソーシングサービスによって築かれた。数年前、クラウドソーシングサービス10社が「オーストラリアのクラウドソーシング界の星」として認識された。これにはEnvato, FlippaやDesignCrowd(私が運営している)があり、1~2つはいなくなった(Redbubbleなど)。

こうした企業はオーストラリアをグローバルなクラウドソーシングのハブにするのに貢献した一方、新たなオーストラリアのクラウドソーシングサービスがこの3年で多くローンチされ、トラクションを獲得しつつある。この記事では、5つの有望なオーストラリア発クラウドソーシングサービスを紹介し、これら企業のイノベーションについて少しお伝えすることにしよう。

#1 – Flightfox

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Flightfoxは2012年にTodd Sullivan氏とLauren McLeod氏により設立され、旅行業界に変化をもたらしている。Flightfoxはクラウドソーシングモデルを利用し、Flightfoxは旅行のエキスパートに最良の旅行手配書を提供させることによって、顧客の時間と費用を節約している。ムンバイからブエノスアイレスまでビジネスクラスで飛び、翌月にはBangkok経由で戻りたい、そして予算が限られているといった場合、「トラベルコンテスト」として旅行プランを同サイト上に投稿するだけで、旅行のエキスパートたちが希望に沿った最適な旅程を提出してくれる。

#2 – Airtasker

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Airtaskerは、あなたの人生をアウトソースしてくれる。クリーニングの引き取り、部屋のペインティング、IKEAの家具の組み立て、あるいは毎週の生活品の買い物といったちょっとした仕事を必要とする人と、その人に代わってそれらの仕事を引き受けてくれる人とを結びつけてくれるローカルなマーケットプレイスだ。

同マーケットプレイスは先日取引額100万米ドルに達し、プロジェクトに取り組む人を1000人まで雇えるビジネス向けサービスをローンチしたばかりだ。

#3 – Pozible

crowdsourcing Pozible

Pozibleはクラウドファンディングサービスだ(ご存じない方のために、クラウドファンディングは本質的には一種のクラウドソーシングであり、プロジェクトオーナーが財務目標を設定し、資金提供者に対しリクエストを提示してプロジェクトへの出資を募る)。クラウドファンディングは、見ず知らずの人々が小口の寄付でプロジェクトに資金提供できるようにすることで、資金調達プロセスを民主的にした。

Pozibleは、クリエイティブなプロジェクトのクラウドファンディングに焦点を当てている。同マーケットプレイスは映画制作者、アーティストやその他クリエイティブな人々から自分たちのアイデアに着手するための資金提供を求めている人まで、あらゆる人々を惹きつけている。Pozibleは3年前のローンチから4000件近くのプロジェクトを主催している。

#4 – Kaggle

crowdsourcing Kaggle

新参ではないものの、クラウドソーシングのオリジナルスターのラインナップから決して外せないのがKaggleで、データサイエンティストの世界最大のコミュニティだ。Kaggleの共同設立者兼CEO、そしてカイトサーファーチャンピオンでもあるAnthony Goldbloom氏は、2011年にKhosla VenturesからシリーズAラウンドで1100万米ドルを調達した。

ビッグデータの時代にKaggleの設立者たちは、企業や政府が毎日生み出し収集している莫大な量のデータを活用したいというニーズに対応してきた。大学内外のデータおたくの貴重な集団、統計学者、クオンツ、プログラマーその他データ分析の専門家のチームが期限までのソリューション提供を競い合い、富(賞金がある)と栄光(Kaggleのユーザランキングアップ)を勝ち取るのだ。

Kaggleは私たちがネットを速くつなげるのに役立っている一方、一種のユーモアを忘れていない。ブログのタイトルは「フリーハンチ(ただの直感)はない」である。

#5 – ImageBrief

crowdsourcing ImageBrief

ImageBriefはリクエストに基づいた写真のクラウドソーシングを提供している。ImageBriefは、Square PegのPaul Bassat氏やJustin Liberman氏などの著名な投資家から総額で220万米ドルの資金を調達しており、また最近ニューヨークに本社を移転したばかりだ。

写真家が写真をアップロードしてタグ付けすることで、巨大な写真のライブラリーが人為的に作られ、そこには写真をストックする典型的なプラットフォームの検索機能よりも格段に改善された検索機能が備わっている。リアルランゲージサーチ(キーとなる言葉で検索)と、リクエストシステム(「白人女性が山をハイキングしている」)を利用することで、顧客が探している画像の検索精度を高めることができる。

既存の画像で適当なものが見つからない場合は、ImageBriefに写真を提供しているフリーランスの写真家に予算に合うようコンペ形式で制作依頼をすることができる。出版・メディア企業はImageBriefを通じて使用されていないデジタル資産(既存の在庫)を現金化することができる。

クラウドソーシングに勢いがつくにつれ、さらに多くのオーストラリア発のプラットフォームが登場してきている。注目に値するクラウドソーシングには、カスタム動画マーケットプレイスのBrand Honee、WordPressのカスタマイズを行うTweaky、コミュニティ主導による社会変革プロジェクトのStart Some Goodなどがある。

上記オーストラリアのクラウドソーシング界の新星に加えて、オーストラリアの中小企業は本モデルを採用しており、多くのオーストラリアの大企業も現在クラウドソーシングに取り組んでいるKevin Rudd前首相さえも、彼の復帰選挙のためにTシャツ制作をクラウドソーシングした

オーストラリアのクラウドソーシングハブは一時的な成功ではなく、信じられないほどの速さで成長している。おそらく2020年までに、私たちはAirtaskerで生活全てをクラウドソーシングし、政治家もTシャツ以上のことをクラウドソーシングし、オーストラリアは確実にクラウドソーシングの世界的なリーダーになるだろう。

(画像クレジット:Shutterstock

【via e27】 @E27sg

【原文】

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