ニュースをフォローすると何が起こるのかーー未知のニュースと過去記事を掘り下げられる「kamelio(カメリオ)」正式公開

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白ヤギが開発したニュースを追いかけてくれる「カメ」アプリ。中身は本物だ。

白ヤギコーポレーションは2月18日、気になるテーマに関するニュースをレコメンドしてくれるアプリ「カメリオ」を正式公開した。iOS7以降に対応しており利用は無料。ログインにはfacebookやTwitterなどのソーシャルアカウントが必要になる。

レコメンドのGunosy、ソーシャルな話題を提供してくれるSmartNews、専門家による経済ニュースキュレーションを全面に押し出すNewsPicks、王者ヤフーニュースに対抗のLINEニュースなど、スマートフォンシフトした後のニュースカテゴリは血みどろの戦場と化している。

「手のひら」の時間争奪戦に参戦するカメリオ運営の白ヤギは、MOVIDA JAPANのアクセラレーションプログラムに採択されたチームで、DemoDayの際にはBizlioという名称で発表していた。

彼らはこの競合揃いの戦場で生き残ることができるのか。ポイントとなりそうなのが、彼らの武器である「フォロー」の考え方と高い技術力だ。

フォローとタイムラインで新しいニュースの掘り下げ方を提示

まず、カメリオにソーシャルアカウントでログインすると、キーワードを「指定」するよう指示される。自分の興味があるキーワードをひとつ入れるとサジェストで項目が現れるのでそこからひとつ選択すればその関連するニュースがプレビューされる。(フリーワードは不可)

ちなみにカテゴリのキーワードはWikipediaを参照しているそうで、彼らがクロールしているニュースソースは4000サイトに上る。ただし、ソースについてはソーシャル上を経てやってくるものもあるので、実際の記事数には際限がない状況だそうだ。

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ここで、右上の「フォロー」を選択すればこのキーワードの選択が終了となる。キーワードを追加したい場合は繰り返し操作してもよいし、選択したニュースカテゴリの下部分にレコメンドされるキーワードを選択してもOKだ。私は後者でどんどんキーワードを追加していった。

なお、このリストに表示される赤い印はこのテーマが平均的な話題評価よりも盛り上がっている(周辺でバズが起こっているなど)場合のものだ。こういった関連度の高さやソーシャルでのバズを評価、それらにランダムも一部いれてリストしている。

私の状況ではレコメンドの精度は悪くなかった。

白ヤギコーポレーションChief Scientistの柴田暁氏によれば、テスト段階で7000人の一般人からお気に入りテーマの収集を実施、アルゴリズムを設定したところ、一番人気の話題がふなっしーになったということだった。これには柴田氏も「若干偏りがありましたね」と苦笑していた。

さらにこのカメリオの興味深い機能がタイムラインだ。

ニュースを閲覧するページの右上にタイムラインアイコンが設定されており、ここを選択すると、このニュースに関連した過去記事をメディアにまたがって表示してくれるのだ。つまり話題を過去に遡ることができるのである。

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知らないことへの「気付き」とビジネスの可能性

柴田氏はカメリオの可能性が気付きにあるという。

「気になることって実はあまり自分では気づいてないことが多いんですよ。その気づきを与えたい。音楽だったらあるアーティストの新作が出れば教えてくれる。常に読んでるわけじゃない話題もフォローしておくことでいつもついていけるんです」(柴田氏)。

私たちは通常、情報を取得する際に検索を使う。最低限必要なのは検索すべき「キーワード」だ。逆に言えば、これを知らない限り新しい世界を知ることはない。

スマートフォンにおけるこの世界の先駆者はもちろんGunosyだ。さらに彼らはニュースアプリという枠を越えて、人と情報のマッチング、つまり広告モデルにおいて高い精度の結果を出している。

カメリオもまたその可能性を秘めたサービスといえよう。

懸念点は当然ながらこの出遅れ感だ。どれだけ高度な技術のレコメンドエンジン、アルゴリズムがあったとしても、ユーザーが使わなければその先の可能性もビジネスも夢と消える。

この点に関してはどこまで踏ん張るかにかかっているだろう。後発ながら台風の目となりうるだろうか。

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