ユーザが旅行計画を作成し、同じ旅に参加する仲間を集められるサービス「trippiece(トリッピース)」は今日、海外から日本を訪問しようとする外国人ユーザ向けの英語版サイトをローンチしたと発表した。2011年のサービス開始以来、海外へ渡航する日本人を対象としてきた trippiece だが、英語版のローンチにより世界展開を狙う。

英語版ローンチに先立ち、今年1月にはシンガポール法人を設立。日系企業での勤務経験のある Shuying Yao 氏を現地スタッフに起用し、アジア各国でのユーザ・コミュニティのエンゲージメントや、マーケティング活動を推進してゆく。なお、現在のところ、英語以外のアジア各国言語でのサービス提供は予定していない。
trippiece ではユーザが旅の計画を作り、その計画に賛同した他のユーザが集まるしくみだ。したがって、この種のインターネット・サービスでは、立ち上がりの段階で、いわゆる〝にわたま問題〟が付きまとう。旅の計画が無ければユーザは集まらないし、ユーザが集まらなければ計画も増えてゆかない。
trippiece の設立者でCEOである石田言行(いあん)氏は、日本語版の立ち上げの際に〝にわたま問題〟の辛酸を舐めていて、この経験を踏まえて英語版では対策を講じているという。
旅の質を向上させるため、英語版では日本在住の外国人を中心に、我々の選んだユーザに日本の旅を企画してもらおうと思っています。彼らが旅を牽引すれば、旅に参加する外国人ユーザは言葉の問題も心配する必要が無いでしょう。
しかし、最初はなかなかユーザ任せだけでは、コミュニティが形成されません。英語版ローンチの段階では、弊社主導のものも含め、約30件の旅の計画を掲出する予定です。KPI として何人のユーザがサインアップしてくれるかは意識しておらず、むしろ、英語版ローンチから半年以内に trippiece を使って1,000人のユーザが旅をしてくれることが目標です。
この分野には、あそびゅー、Voyagin、PlayLife、Trip など実に数多くのサービスが存在する。比較的古参とも言える trippiece の強みは何だろうか。
trippiece がユニークなのは、ユーザ体験のきっかけそのものを作っているという点です。その結果、他サイトでは、旅やレクリエーションが複数回に渡って提供され売上を出すモデルでしょうが、trippiece では旅は一回こっきりです。つまり、旅そのものというより、旅を通じてユーザのソーシャルグラフの形成をお手伝いしているのです。
結果として、trippiece の日本語版では、ユーザから自発的に「ダイビング部」などのコミュニティが自己増殖している。具体的に統計があるわけではないが、同じ旅に参加したユーザ同士がカップルになったケースも少なくないだろう。
日本では、政府や地方自治体が MICE の需要開拓に力を入れ始めており、2020年のオリンピックを前に訪日客年間2,000万人の達成が目標に掲げられている。その一翼を担うべく、trippiece では英語版立ち上げから一年後までに、サービス利用により訪日ユーザ1万人の達成を目標に掲げている。
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