トークノートが経営陣を一新、国内ネット創世記のベテランたちがスタートアップに参画する「理由」とは

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.1.8

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トークノートの新経営陣/左から小池温男氏、取締役の湯浅巌氏と安藤滋氏

人材の流動性はスタートアップ・エコシステムにとって歓迎すべき話題だ。

企業向けにコミュニケーション・プラットフォームを提供するトークノートの経営陣が新年早々に一新され、2015年1月から新たに同社取締役に湯浅巌氏と安藤滋氏の二人が就任することになったという。同社代表取締役の小池温男氏が本誌に教えてくれた。

湯浅氏は2001年に創業期のオプトに入社、長年同社のネットマーケティングに関して戦略立案に携わった人物。2010年にオプトを退職した後は、サイジニアやオプトとCCCの合弁ベンチャーを経て2014年7月からトークノートに参加している。

一方、安藤氏は2006年のスタートトゥデイ入社後、同社上場までの間、経理や上場準備などの業務に携わった人物。トークノートには2014年1月から参加しており、二人とも2000年頃のネット企業創業期に立ち会ったベテランと言えるだろう。

興味深かったのは新任の二人ともここ1年ほどに入社した人材で、その経緯についても人材採用サイトや、関係事業者からの紹介と至って「普通の話」なところにある。

通常、スタートアップにハイレイヤーの人材が参加する場合、よほどのことがない限り、結構なリスクが付きまとう。例えば給与の大幅ダウンだったり、勤務時間の関係ない生活だったり、安定とは縁のない経営状態だったりと、とにかくそのコースは荒れている。逆に、その分、夢のある話があるからやってくるわけなのだが。

この辺りの話はマネーフォワードの人材獲得に関する話題とも被るところがある。

つまり、そういう「空気の薄い」状況に参加するにはよほどのこと、例えば創業者とずっと同級生だったとか、前職で上司部下だったとか、人間的なつながり、ストーリーを持っていないとなかなかその荒れたコースを共に走りきることはできないのだ。

そういう意味で湯浅氏、安藤氏の二人がこの「荒れたコース」に戻ってきた理由がなかなか味わい深いものと感じられた。

二人とも現在でこそネット系大企業と言われる場所の出身だが、彼らが参加した当時はやはりスタートアップと変わりがない。「当時の経営陣が伸びてる姿を見てきた」という安藤氏は、今度は自分が経営陣として挑戦したくなったのだと、トークノートに参加した理由を話していた。

湯浅氏もやはり話を聞いていると、オプト創業期からの勢いを今のトークノート、小池氏に重ねているように思えた。

つまり、国内ネット業界内の人材と新興企業の勃興にある程度の層ができた結果、それらが循環し始めていると捉えることもできるのだ。これこそまさにエコシステム、というと大袈裟かもしれないが。

1990年頃から始まったネットバブル、日本のインターネットサービス創世記に立ち上がった企業に20代で入った人材は、ちょうど今、30代から40代の中心的な現役世代といえる。この辺りの層が安住の椅子を蹴って、また創業期のステージに戻ってきていると考えると、スタートアップにとっては大きなチャンスと言えるかもしれない。

Rettyのように大企業を卒業した人材がエンジェル的に創業期を支援する、というパターンも大切だが、今回のトークノートのように、一見すると地味に思える「即戦力」の業界内人事異動というのは、実はもっと注目されていいのではないかと感じた。

トークノートは創業した2010年4月以降、ずっと小池氏のワントップで経営を続けてきた。今回の陣容拡大が彼らの成長にどう影響を与えるのか。そちらももちろん注目したい。

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