114社が参加した過去最大のYコンビネータのバッチ、参加チームの傾向は?

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Above: GiveMeTap founder Edwin Broni-Mensah pitches the crowd at YC Demo Day, March 2015. Image Credit: Dylan Tweney/VentureBeat
上:2015年3月のYCデモデイにてピッチをするGiveMeTapの設立者Edwin Broni-Mensah
Image Credit: Dylan Tweney/VentureBeat

世界で最も影響力を持つインキュベータであるYコンビネータ(YC)は、年に2度、最新の企業が参加するバッチによるデモデイを開催している。

今年は、過去最大規模のバッチとなる114社が参加し、各社がエンジェル投資家、VC、法人ビジネス開発者、そして起業家たちとのビジネス機会を得るためにそれぞれ数分間ピッチを行った。

それはまるで世界有数のエリート大学の卒業式のようだ。今年、YCパートナーで卒業生でもあるSam Altman氏がオーディエンスに語ったところによると、同社が出資したのは全応募企業のうち2%未満だったという。

また、全ての企業は長い期間を要する法的文書作成に際し、最重要事項を決める前に設立者と投資家の間で迅速な合意がなされるよう、「Handshakeディール(握手契約締結)プロトコル」スタイルが用いられている。

しかし114社の企業というのは、巨大なプログラムだ(1年前のYCの約2倍の規模だ)。今回のバッチは、これまでにYCに参加した企業842社のかなりの割合を占めている。

今年はあまりにも参加者が多かったので、「デモデイ」は実質2日間開催された。

YCに受け入れられる割合がわずか2%とあって、入れるだけでもすごいことである。起業家たちは厳しい審査プロセスを通過したことを認識しているが、今回参加した470人の多くは間違いなく今をときめく起業家たちと出会えることになる。YCプログラムの期間中に何を学び、何をしたかはあまり関係がない。実際、YCは他のインキュベータと比較して放任主義のアプローチを採用しているのは明らかなようだ。つまり、著名な起業家や投資家から毎週レクチャーを催すなど多くのリソースは提供しているが、最終的には、いかに自社を動機付け、製品を開発し、次のラウンドに向けて魅力を高めるかは多かれ少なかれ各社に任せている。

それでも、YCがピッチの成功に向けてこうした企業を上手く指導してきたことは明らかだろう。多くの企業は、驚異的な予測年間成長率(もちろん、当月の収入ベース)、4倍増という成長率(たとえ実際のユーザ数が今は数千であっても)を、そして中には収益性についてまで大きく宣伝をして、そのトラクションについて言及している。

もしバブルが起きているのであれば、これらの企業は少なくとも避け難い結末に向けて、自社をどのように位置づけるか理解しているはずだ。

今回のバッチについての追加情報は以下の通り:

  • 参加国は18ヶ国
  • 25社は共同設立者に女性を含む
  • 9社は共同設立者に黒人を含む
  • 6社は共同設立者にヒスパニックを含む
  • 設立者の平均年齢は30.27歳
  • 20社は消費者向けビジネス中心
  • 20社は法人向けビジネス中心
  • 18社はバイオ産業
  • 14社は電子市場
  • 13社はベンチャー系テック企業
Above: Y Combinator Winter 2015 stats Image Credit: Y Combinator
上:2015年冬バッチのYコンビネータ統計情報
Image Credit: Y Combinator

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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