スタートアップにベンチーマーク分析を提供するCompassが、2016年のEコマース向け目標値を提言

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世界のeコマース業界は急速な成長をみせている。2015年には1,000万を超えるeコマースストアが1.8兆米ドルも売り上げた。2016年、この業界は15%ほどさらに成長すると見込まれている。

多くの人の期待に反して、このような成長をもたらしているのは世界中で誕生しているニッチなオンラインストアだ。その多くは、デジタル世界への進出を目指して事業機会を掴もうとしているオフラインの小売店である。ただ市場全体は成長しているとはいえ競争は激しいため、中小プレーヤーは世界的なマーケットプレイスでの競争に向けてオンライン販売とマーケティングにおいて肝となる要素を素早く学ばなければならない。

Compass は2015年6月、最新の「Analyst as a Service」アプリケーションを試していただけるよう複数のeコマース企業向けのゲートウェイを開設した。Compass を利用している企業は1,400社を超えており、これらの企業の2015年における売上合計は25億米ドルだった。

以下、これらの企業がいかにして最も重要な計数実績を残したかについて概観する。 平均的な企業との比較を示すことにより、貴社のビジネスにとって重要な洞察を提供し、2016年が素晴らしい年になるよう計画立案に役立てていただければ幸いである。

※ 貴社のビジネスにカスタマイズされたベンチマークは、Compass.coのダッシュボードで利用できる。全てのベンチマークは販売商品、顧客セグメント、価格等に基づいて決められる。

1. Google Adwords は、コンバージョン率の最も高い顧客獲得チャネルだった

2015年、Google Adwords と Facebook Ads が最もよく利用された顧客獲得チャネルだった。これらの費用は高くつくものの、Google Adwordsと Facebook Adsのコンバージョン率は最も高かった。Google Adwords の方が高く、平均コンバージョン率は1.75%、続くFacebookは1.42%だった。

オンライン事業をスケールさせるのに有料チャネルは最も簡単で信頼できる手段である。ここでの課題はコンバージョン率を高く保つ一方で、獲得一人あたりの費用を低くすることである。そのため、チャネルの専門家を採用することのほか、ヘッドラインや広告イメージからランディングページ、購買フローに至るまであらゆるテストを行うことの重要性を過小評価してはいけない。

新しい手段でしかも実績をあげられるため、最近の獲得チャネルで実験してみたいと思われるかもしれない。その良い例は Instagram や Twitter Ads だ。

2. 平均コンバージョン率は1.4%、最上位企業は3%

2015年におけるウェブサイト訪問から購入取引までの全体的なコンバージョン率は1.4%であったが、最上位の企業は3%であった。購買行動は年間での時期が重要な要素となる(下のグラフを参照)。当然ながらクリスマスのある12月はeコマースにとって最もコンバージョン率が高い時期である。3月と7月は低いが、このような季節変動は業界によって異なることに留意してほしい。

利益を増やすことに関しては、コンバージョン率とは低い場所に実っている果実のようなものだ。収益に対してダイレクトな影響を及ぼすほか、他のマーケティング活動と比較して最適化のための費用が低い。多くのオンライン企業はコンバージョン率最適化の機会を生かしていない。なぜならコンバージョン率の30~100%の改善は達成が容易な場合が多いからだ。この重要な計数の改善方法については、「eコマース企業向けコンバージョン率最適化のROI」についての Compass 記事を参照してほしい。

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3. 平均直帰率は57%、最上位企業は35%

直帰率とは、あるページを訪問したのにそのウェブサイト上で何の行動も起こさず去ってしまったユーザの割合のことである。2015年におけるeコマース企業の平均的な直帰率は57%であった。一方、優良企業は35%だった。

一般的に、高い直帰率はユーザの望むものがなかったことを意味している。ユーザが見つけようとしているものとは違うものを店が提供していたか、そのサイトで好ましくない体験をしたときに起こり得る。直帰率はコンバージョン率にダイレクトに反映するので、ひいては売上にも直接的な影響をもたらす。

当社は、御社で最も直帰率が高いページはどこにあるかを特定し、ユーザが逃げてしまう理由を理解するための品質テストとして Google Analytics などの分析ツールを使用するよう推奨している。様々なデザインやテキスト要素を使って問題のあるページにA/Bテストを試行したらどうだろうか。ユーザが期待しているものに対してどのように対処すればよいかがわかるだろう。

4. 平均的な月間再購買率は9%、最上位企業は16%

間違いなく、顧客がどれほど満足しているかを評価するための最も重要な計数である月間再購買率は2015年におけるオンライン小売店について言えば相対的に高い9%ほどであった。上位企業の再購買率は16%であった。

再購買率とは、どれほどの購入取引が既存顧客からなされたかを示している。新規顧客を獲得するためにはかなりの費用を必要とするケースがあるため、一人一人の顧客からどれほどの売上をあげられるかで収益性は大きく左右される。

オンライン小売店は最初の購買がなされた後、その顧客に再度購入してもらうためにあらゆる働きかけをするのが重要である。その例として加入者向けのオプション提供などが挙げられる。再購買率を高める方法についてもっと知りたい場合は、「いかにして収益性の高いビジネスを構築するか—顧客の生涯価値(LTV)に関する詳しい説明」という Compass 記事を参照してほしい。

2015年、御社の事業はこれまでに述べた計数で平均を上回っていただろうか?どの分野の業績が低調だっただろうか?最高の機会が期待できる分野で改善を行い2016年をスタートさせよう。貴社の目標はベンチマークとなるべきものであり、前月よりも優れた実績を常にあげられるような取り組みをすべきである。

【via Compass】 @startupcompass

【原文】

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