昨年秋クラウドファンディングで2500万円を調達し注目を集めたウェアラブルトランシーバー「BONX」。今回新たに大きく製品を改良して、グローバル向けにIndiegogoでキャンペーンを開始した。開始から1日弱で既に4万5000ドル、目標額の45パーセントに達しており、好調な滑り出しだ。
「アウトドアスポーツ中でもリアルタイムなコミュニケーションを可能にする」というミッションの元、BONXのアイデアは誕生した。スノーボードやスキー、サイクリングなどといったアウトドアアクティビティ中でも、ポケット内のスマホと片耳に装着したBONXをつなげておけば、3G/LTE回線を通して仲間と会話をすることができる。
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前回クラウドファンディングサイトのGREEN FUNDING Labでは2500万という多額の資金を調達したあと、2700台を支援者に出荷した。その後に一般発売を予定していたが、その前に一度製品のクオリティを上げようという結論に至り、一般発売は見送っている状況だ。
そして、今回製品の改良ができたタイミングでindiegogoでキャンペーンをローンチするという流れになった。
前回から大きく変わった点は主にハードウェアだ。まず、耳に入れる部分の突起をより深くした。
前回のバージョンは安全性を考えて外の音も聴こえるように耳に入れる部分を浅くしたものの、「音が抜けてしまう」という問題がありました。今回は密閉性も増しつつ、外の音も聴こえるようなバランスが取れるような作りにしました。
CEOの宮坂貴大氏はこのように説明する。また、基本の形状は大きく変えていないものの、中の部品はほぼすべて新たにし、ファームウェアのチューニングも行うなど大幅な改善を実行した。
また、エクストリームな環境で使うユーザーのフィードバックを元に、耳にかけるループの一部をスポンジにすることで風の音を遮るという風切り音対策も施したという。
ユーザーからの「意外な反応」
やはり一度国内でクラウドファンディングキャンペーンを実施した結果、得られたユーザーコミュニティの力は大きかったようで、様々な細かいフィードバックが今回の改善につながっていった。
ユーザーからの「意外な反応」は使い心地に限らず、用途についてもあった。たとえば、意外に好評だったのは釣りをやる人たちだったとのこと。これまでは、離れた場所で一人一人が釣ってから、しばらくして集まって情報や結果をシェアするという形だったのが、BONXを使うことでリアルタイムで「今日はこういう仕掛けが良いみたいだ」というような情報が仲間内でシェアできるようになったという感想もあったそうだ。
実際にローンチしたことで得られた気づきが反映された今回の新BONX。海外のフィードバックを経て、また今後どのように事業が進化していくのかが楽しみだ。また、今年の秋をめどに一般販売の開始を計画している。
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