Red Hat が Linux ユーザをサポートしてきたように、Acquia は Drupal ウェブサイトのユーザに商用サポートを提供してきた。Drupal が世に出た16年前から、Acquia の影響力は広がり続け、現在ではイノベータが次世代ウェブの礎を築くのを魅了したいと考えるようになった。分野としては、会話型コンピューティング、位置ベースコンピューティング、contextual experiences(文脈に応じて最適化された体験を提供する)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)などだ。
Acquia Labs は2016年11月1日〜3日、ボストンの Park Plaza Hotel で開催される年次カンファレンス「Acquia Engage」に出展する。Dries Buytaert 氏と Preston So 氏は、テック業界におけるトレンドやこの数十年間の変化に対する洞察を語る予定だ。より具体的に言えば、二人は、企業がデジタルを使って消費者にリーチする方法が変化していく分野や、ブラウザを使わないデジタル体験のような新しいデジタルトレンドにおける専門家である。
Bits x Bites は食料業界にあって、あらゆる側面からこの問題に切り込みたいと考えている。Matilda 氏は、Yimishiji のようなオンラインマーケットから都市部に住む消費者向けの栽培キット、中国人のタンパク質摂取法を変えようとしている粉末コオロギのメーカーまで、ありとあらゆる食関連のスタートアップに目を向けているという。
このようなスタートアップはプラットフォーム、コミュニティ、成長への手助けを求めています。Bits x Bites を設立したのはそうした理由からです。(Matilda 氏)
Bits x Bites は今月、初のアクセラレータ用クラスに向けた申請を受け付け始めた(バッチは中国の新年直後である2月開始)。また、アクセラレータのプログラムを必要とせず、ただ VC からの資金提供を求める食関連テック企業からのピッチも受け付けている。詳細については英語と中国語で書かれている同社ウェブサイトを参照してほしい。
ただ、もし本当に関心があるなら、質の高いピッチをできるだけ早く始めるのがよいだろう。Matilda 氏によると、Bits x Bites は申請受付前であってもフードテックのスタートアップから日常的に質問やピッチを受けているという。
資金、食料そして未来
Bits x Bites は VC としては興味深いポジションにいる。主たる目標は金銭的なリターンとは直接関係がない。このアクセラレータが基本的に求めているのは中国における食の問題の解決だ。また、もっと簡単にスケールできる業界でベンチャー投資をするのに比べて食品業界にて得られるリターンは希望とかけ離れてしまうことも承知している。しかし同時に、Bits x Bites はリターンを上げることの重要性を捨てたわけではない。
大失敗に終わったために関わったリサーチャーは全員解雇されたか異動されたと思われる Microsoft のチャットボット「Tay」については全てを忘れてほしい。Tay は、実際には Microsoft の自然言語処理アルゴリズムの試験的試みであり、このチャットボットは試験に合格しなかっただけなのだ。 さらに、Tay は Microsoft の人工知能の腕前を証明するものとして意図されてはいなかった。…
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大失敗に終わったために関わったリサーチャーは全員解雇されたか異動されたと思われる Microsoft のチャットボット「Tay」については全てを忘れてほしい。Tay は、実際には Microsoft の自然言語処理アルゴリズムの試験的試みであり、このチャットボットは試験に合格しなかっただけなのだ。
ではその仕組みを紹介しよう。Microsoft の MyAnalytics は、ユーザの Outlook やスケジュールを絶えず分析している。ユーザがいつ誰とどの会議に出席するのか、メールの返信にどれくらいの時間を費やすのかなどを把握し、また、プロジェクトで重要な人物を選択したり、彼らとのやり取りを彼らが Outlook ユーザかどうかにかかわらず追跡したりしてくれる。例えば、マーケティングチームの Bob との会議に毎週 3~4回出席しているとしよう。MyAnalytics は、ユーザの時間の使い方に関していくつか判断することができる。例えばユーザが通常、会議の最後の15分をメール処理に費やしていることを発見したり、ユーザが Bob と同じマーケティングチームにいるのなら彼と時間を折半して会議のいくつかを辞退する方が合理的だということなどを教えてくれたりする。
これは、ロボット掃除機や、私が個人的に気に入っている最も強力なチャットボット Ozlo(今いる町で飲食店を見つけてくれる)などに組み込まれているのとは異なるタイプの人工知能だ。Apple の Siri、Amazon の Alexa、Google の新しい Allo メッセージングアプリの Assistant とは全く違うものであり、人間のフリをしているものではない。とは言っても MyAnalytics が機械学習を使用しているのは事実で、ユーザの行動や時間の使い方を理解し、Food For Thought というダッシュボードインターフェイスセクションを通じてユーザによりスマートな仕事の仕方を推奨してくれる。
これこそが Microsoft(および同社 CEO の Satya Nadella 氏)が描く未来だと思う。ユーザにより良い経路を見つけてくれるヒューマノイド Cortana ではなく、現実的、実用的、技術的で骨の折れる作業をしてくれる奥深く埋め込まれた人工知能なのだ。この人工知能と対話をすることもなくユーザは恩恵を受けることができる。
この仕組みに関する最も興味深い例のひとつに、メールに関連するものが挙げられる。MyAnalytics はユーザの e メール、返信にかかる時間、そしてやり取りしている人々の応答時間(彼らが Microsoft サービスを利用していなくとも)全てをスキャンし、毎週メールの処理に費やす時間の目標値を設定してメールのやり取りをより頻繁に(または少なく)することを提案してくれる。この種の人工知能は Microsoft 製品に根付いているので機械学習はバックグラウンドで行われ、ダッシュボードインターフェイスやコードベースの全体に広がっていく。つまり、機械学習がより良い働き方を見つけてくれればユーザは仕事への取り組み方を変える必要があるということだ。
この他にも Microsoft 製品の中に機械学習が織り込まれている例が多数ある。今秋発売される Microsoft Word の新バージョンでは、Editor がユーザのテキストを常にスキャンし、より少ない単語数と受動態をそこまで使わない文章の書き方を提案するという。PowerPoint では、ユーザの画像をスキャンし、画像の色を調整するだけでなく、スライド全体を際立たせるグラフィックデザインを使用する。また、顔を検知し、顔が画像の中央にくるようにトリミングしてくれる。Microsoft Sway では、「コーヒーの最高の淹れ方」というようなシンプルなフレーズを入力すると、そのフレーズに基づいた画像と見出し付きのパンフレットを作成してくれる。これらはどれも決して難しい技術ではないが、非常に便利で大量の時間を節約してくれる。つまりこれは、大衆のための人工知能 である。
さて、MyAnalytics ダッシュボードに話を戻すと、将来的な機能強化の可能性が大いにあるため、私は現在のところ Google Docs の代わりに Word を使用している。Microsoft は将来的な計画についてはコメントしていないが、Microsoft Edge でユーザの閲覧傾向をモニターし、ユーザが必要な情報を提供するサイトをより早くより高い性能で提案してくれるようになるだろう。ユーザがビジネス文書を作成する頻度やそれらの文書をメールで送信した時に送信先の人々が実際に読んでいるのかどうかについて「学習」したり、また、毎週の Skype 会議ではビデオ会議よりも多くの参加者を集める傾向にあることや出席者が会議中にはメールをチェックしないことなどをダッシュボードが把握したりなど、ユーザが日々うまく仕事できるよう先回りして手助けしてくれるだろう。