
まもなくイタリアでスタートアップの夢が大きく広がるかもしれない。同国の最も野心的なインキュベータプログラムの一つがこの度、新しい契約の合意に至った。
ヴェネツィア郊外の農家に拠点を置くインキュベータ H-Farm は、「H-Campus」を設立してコンセプトを拡大する目的で1億500万米ドルを調達したと発表した。プレスリリースによると、2018年に H-Campus が完成した暁には、3,000人の学生、教員、起業家を擁することになる。
H-Farm の中核となるインキュベータプログラムは2005年に設立され、以来、7つの建物で86のスタートアップを育んできた。現在 H-Farm は1万4,000平方メートルの建物スペースと12ヘクタールの公園を有する。将来はさらに31ヘクタールの土地と2万6,000平方メートルの新しい建物が追加される予定だ。
今回調達した資金により、H-Farm はより多様な人々の需要に応えられるよう設計された、これまでよりも大規模な教育関連設備を追加する予定だという。資金は Finint Investments SGR が運営する不動産ファンドが出資し、一部は Cattolica Assicurazioni、CDP Investimenti SGR が管理する FIA2ファンド、そして H-Farm の設立者が所有する Ca ‘Tron Real Estate によって支払いが保証される予定である。
H-Farm は声明で次のように述べている。
今回の投資は私たちがイノベーションに向けて真に取り組んでいく姿勢を示すものです。その取り組みとして設立される新たな国際的拠点は、学生、専門家、起業家、マネージャーがデジタル社会への変革を成し遂げるための道しるべとなるのです。彼らは今日起こりうる様々な変化を理解、予測し、知見にあふれた主人公となるでしょう。
キャンパスは土地の10%に相当し、残りは公園として残される。キャンパスには、教室、大会議室、レストラン、会議室、寮、スポーツ施設などが設けられる予定だ。
H-Campus は建築設計事務所 ZAA(Zanon Architetti Associati)によって目下設計中である。図書館の設計は Richard Rogers 氏によって進められている。
H-Campus はこの種の施設としては最新で最大規模のプロジェクトと言えるだろう。パリでは、世界最大級のスタートアップキャンパスと自認する Station F がわずか数週間以内にオープンする予定だ。ヘルシンキ市は、古い病院の複合施設を Maria 0-1というスタートアップキャンパスに変える計画に着手したばかりである。
これら2つの都市部でのプロジェクトとは対照的に、H-Campus はより農村的な雰囲気を醸し出している。ヴェネツィア地方を訪れる別の理由を探しているとすれば、良い機会となりそうだ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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