#AEA2017: アジア各国から21社が集まったピッチイベントで、ソーラー農業灌漑システムを開発するインドのClaro Energyが優勝【ゲスト寄稿】

by ゲストライター ゲストライター on 2017.11.2

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら。本稿における写真は主催者提供。


ツアーの様子

第6回を迎えたアジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)2017 が10月25日から27日にわたり、東京大学柏の葉キャンパスに面した KOIL で開催された。アジアの15カ国・地域から21のテクノロジースタートアップが3日間のイベントに参加した。

農業向けのソーラー灌漑システムを提供するインドの Claro Energy が今年の1位を受賞、シンガポールの画像ソフトウェア企業 ViSenze が2位が聴衆賞を、また、スマートシティプログラムを提供するロシアのエンジニアリングソリューションプロバイダ Webgears WGT は、3位に入賞した。

1位を受賞した Claro Energy(インド)

Claro Energy は、当初はインド亜大陸、のちに世界中の農業灌漑業界をディスラプトする狙いで、2011年初期に設立されたスタートアップだ。Claro の農業従事者向けソーラー灌漑ソリューションは、高価なディーゼルエンジンポンプを代替することを目指している。ディーゼルポンプは高価なだけでなく、排気ガスによる空気汚染を引き起こし、サプライチェーンの中でさらなるカーボンフットプリントを使うことになる。

Claro の知的所有権は、ソーラーグリッド(太陽電池による電力網)など面展開ソーラーソリューションを可能にする。過去6年間にわたり、同社はインド15の州で7,000基以上のソーラー灌漑ポンプを設置してきた。彼らは、この分野に多くのビジネスモデルイノベーションをもたらしている。共同創業者でディレクターの Kartik Wahi 氏が、Claro Energy を代表してプレゼンテーションした。

2位を受賞した ViSenze(シンガポール)

ViSenze は小売業向けのビジュアルコマース拡大や、大企業向けの画像認識を提供する。日本の楽天市場のようなメジャーなショッピングサイト(ViSenze は、楽天が mainstayer である)、イギリスの ASOS、ドイツの有名スポーツウェアブランドサイト adidas が、あらゆるユーザ生成コンテンツからの製品検索の機会やコンバージョンレートを改善するため ViSenze を使っている。

web 起業家やコンピュータビジョン・サイエンティストらの手により、シンガポール国立大学から2012年にスピンオフした ViSenze のミッションは、人々が映像世界を検索・発見する方法を簡単にするというものだ。前述した楽天に加え WI Haprer から出資を受けており、マスターカードからも正式に支援を受けている。CEO で共同創業者の Oliver Tan 氏が、同社の決勝ピッチを行なった。

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3位を受賞した Webgears WGT(ロシア)

Webgears は、産業用アプリケーションやゲーム向けの、新しい web ベースの 3D グラフィックスに特化したソフトウェア技術会社だ。彼らのプロダクトはグラフィックエンジンで、ハードウェアをほぼ必要とせず、インタラクティブな 3D コンテンツをクラウド上に載せるだけで、顧客がインタラクティブな 3D グラフィックスと 3D モデルからより多くの価値を生み出すのを支援する。

ロシアの WGT はこれまで、3D 分野のグローバルリーダーであるフランスのダッソー・システムズと緊密に協業してきた。現在では WGT のブランドマークは業界通の間で知られた存在となり、Webgear はその活動を海外へと広げており、その一例として、東南アジアのスマートシティ開発にも取り入れられている。Webgears のピッチをした CEO の Larisa Dydykina 氏によれば、彼らは最近カリフォルニアに新しいアメリカオフィスを開設し、そこでは Dydykina 氏の息子がビジネスをグローバルに推進している。

メンタリングの様子

このアワードイベントは、産業界、政府、アカデミア(学術機関)のコラボレーションを通じ、イノベーションを生み出すアジアのエコシステムの実現を目指して、2012年から毎年開催されている。メンターシップ、ディスカッション、相互作用を通じた人的ネットワークを拡大すべく、オセアニアのみならずアジアから多くの若い起業家を集めてきた。

今年は特に、テクノロジースタートアップと地元企業間のビジネスコラボレーションの支援に焦点が当てられているが、AEA はこれまでにも、成功したエコシステムの背景について学ぶ機会だけでなく、各国のスタートアップ環境や最近の動向を深く研究できる、さまざまなスキームを提供してきた。

柏の葉賞を受賞した Genome Clinic(日本)

柏の葉キャンパスをスマートシティとして開発する上で役に立つ可能性のあるテクノロジー、プロダクト、サービスに対して贈られる「柏の葉賞」が今年開設され、この賞は日本の Genome Clinic(ゲノムクリニック)が受賞した。Genome Clinic がその名が示す通り、ゲノム医療に関与するスタートアップだ。前述した AEA 2017 の各賞に加えて、タイのスタートアップ AIM GLOBAL INNOVATION は、このイベントの主要支援者の一社にちなんで名付けられたナノキャリア柏の葉賞を獲得した。AIM は自閉症の子供の訓練のための、可愛いロボットを製作している。

ナノキャリア柏の葉賞を受賞した、AIM GLOBAL INNOVATION(タイ)

この地に本拠を置くバイオベンチャーのナノキャリア(東証:4571)らの支援に加え、不動産デベロッパの三井不動産東京大学産学協創推進本部TXアントレプレナーパートナーズ(一般社団法人)、日本ベンチャー学会が AEA の共催者を務めた。「柏の葉」プロジェクトの原動力として、社会の発展のためにアントレプレナーシップをさらに押し進める必要性を三井不動産は強調した。

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