
Image Credit: Y Combinator / Pretty Instant
2017年はテクノロジー分野で働く女性たちにとっての転換点だった。ウェブ上で渦巻くセクシャルハラスメント告発関連のニュースの嵐に、ソーシャルメディアに広がる#MeToo の動きなど、女性たちが声を上げ始めている。この流れの中で、Y Combinator(YC)のソフトウェアエンジニア Cadran Cowansage 氏が、女性による女性のためのオンラインコミュニティ Leap のローンチを本日(1月16日)正式に発表した。
今朝公開されたブログ記事の中で、Cowansage 氏は次のように書いている。
私が Leap の制作に着手したきっかけは、自分が心おきなくオープンに話せる場所というものをネット上で見つけられなかったからです。オンラインの会話が急速にエスカレートして中傷の応酬になり、多くの人がそこから離れるのを何度も見てきました。離脱する人の多くは女性でした。そこで私は、ネットワークのコアカルチャーを女性が作るコミュニティがあれば良いのではないか、さらにはソフトウェアや製品の制作までを女性が行った場合、一体何が起こるだろうかと考えました。そういう観点で作られたソーシャルネットワークはまだ存在しないように思えました。だったらそういう場所を自分で作ろうと考えたのです。
たしかに彼女の主張にも一理ある。代表的なソーシャルネットワークである Facebook、Twitter、Snap、LinkedIn などはすべて男性が作ったものだ。
ここまで Leap はプライベートベータ版に1,500人以上のメンバーを集めている。そこに集まったのは、ビジネスの設立者、デザイナー、マーケター、ソフトウェアエンジニア、VC など様々な職種で活躍する技術畑の女性たちだ。このメンバーが、テクノロジー関連の記事、スタートアップに関する質問、就職情報、キャリアコネクション、育児問題、セクシャルハラスメントに関する議論などを共有し始めている。

Image Credit: Leap
女性視点に立った最近の主な事業例としては、昨年10月にローンチしたプロフェッショナルネットワーキングの Bumble Bizz、昨年11月に女性 VC らがローンチした女性設立者のためのメンタープログラム Office Hours などが挙げられる。
Cowansage 氏は2年前に YC に入社したが、それ以前には MongoDB のシニアソフトウェアエンジニアとして働いていた。彼女が Leap の構想を得る大きなきっかけとなったのは2014年3月、YC が毎年開催している Female Founders Conference への参加だった。そこには YC の卒業生や YC パートナー、そのほかテクノロジー分野で働く女性たちが集まり、業界に関する様々な意見を交換した。
Cowansage 氏はブログにこのように綴っている。
そのカンファレンスは、業界で働く数多くの知力と才能ある女性たちと共に時間を過ごせるとても貴重なものでした。当時の私には、テクノロジー分野で働く女性の友人がほんのわずかしかいませんでした。しかしカンファレンスを通して、この分野にはそれまで想像していた以上に多くの女性がいることを知ったのです。
YC パートナーである Kat Manalac 氏と Adora Cheung 氏も、Leap の初期ユーザのリストに入っている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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