メッセンジャーを使った対話型広告「fanp(ファンプ)」提供のZEALS、シリーズBラウンドでジャフコとフリークアウトから4.2億円を調達

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ZEALS CEO の清水正大氏
Image credit: ZEALS

メッセンジャーを使った対話型広告「fanp(ファンプ)」を提供する ZEALS(ジールズ)は29日、シリーズ B ラウンドでジャフコ(東証:8595)とフリークアウト・ホールディングス(以下フリークアウトと略す、東証:6094)から4.2億円を調達したと発表した。これは、ZEALS にとって2017年5月に実施した8,000万円の資金調達(シリーズ A ラウンドと推定)、2015年1月に実施した調達額非開示の資金調達(シードラウンドと推定)に続くものだ。フリークアウトにとっては、前ラウンドに続くフォローオン出資。ZEALS にとっての累計資金調達は、5億円を超えるものとみられる。

ZEALS では、今回の調達の目的について、システム開発力の強化やコミュニケーションデザイナー(機械が行う会話をデザインする新職種)の育成のための人材投資、fanp の宣伝や自社イベントの開催を通じたマーケティング活動への投資としている。ZEALS の現在の社員数は16人(業務委託先の要員を含めると27人)。前出のコミュニケーションデザイナーの存在は、同社 CEO の清水正大氏によれば、対話型広告サービスの事業において、A/B テストなどグロースハックツールにおけるグロースハッカーと同じような位置付けで重要な役割を担うのだという。

2017年12月に実施された Infinity Venture Summit(IVS)に ZEALS が登壇し4位を獲得したときにも書いたように、ZEALS はその位置付けを以前のチャットットボット管理ツールから、対話型広告に方向性を修正したようだ。オンラインマーケティングを展開する上でランディングページを作成するウェブ企業が多い。顕在顧客層にリーチすることを意図したリスティング広告にリンクする場合と異なり、潜在顧客層にリーチすることを意図したインフィード広告にランディングページをリンクしても、ほぼワークしない(CVR 0.8%)。

fanp(クリックして拡大)
Image credit: ZEALS

fanp では潜在顧客層へのリーチを意図して、ユーザを(Facebook の)インフィード広告からメッセンジャーに誘導し、そこからチャットボットによる会話型広告を展開できるしくみ。ユーザプロフィールを取得しているため、途中で離脱したユーザについても補足でき、タイミングやアプローチ手段をずらした形で潜在客へのリピートアクセスも可能になる。この状態で CVR は5.7%と、ランディングページの7倍にまで改善されるという。広告領域に活用するチャットボットサービスとしては、国内82.7%のシェアを持つとしており(2017年12月現在)、これまでに解析したユーザとチャットボット間のメッセージのやりとり件数は4,200万超、直近半年の売上成長率は月次平均(MoM)で136%に達したとのことだ。

ZEALS では、コミュニケーションデザイン(チャットボットの応対)の程度に応じて、一般業態をターゲットにした通常版と、メディアをターゲットにしたライト版の2つの fanp の開発・提供が進めていたが、一般業態の方がコンバージョンで得られる送客売上が高いこともあり、現在では開発リソースの多くを通常版に注力しているという。ZEALS は fanp の顧客数を明らかにしていないが、ユーザのリストには、アトラエの「Green」、キャリアデザインセンターの「@type」、 アドバンスクリエイトの「保険市場」インベスタークラウドの「TATERU」、AJINOMOTOの「グリナ」、コンタクトレンズのパレンテや WAVE コンタクトといった、顧客単価といったサービスを抱える優良企業が名を連ねる。

インフィード広告への出稿を含めた、流入経路の確保から送客までを一貫したサービスの提供も始めており、将来的には、ZEALS 自らがチャットボットを立ち上げ、そこから顧客各社への送客を実現する計画も検討しているようだ。web 送客メディアと聞くと、リクルート(東証:6098)が買収した「indeed」や、じげん(東証:3679)の「転職 EX」などが頭に浮かぶが、ZEALS はチャットボットの分野で、同様の送客業態による市場制覇をイメージしているのかもしれない。

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